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※ネタバレ注意 映画 仮面ライダーギーツ 4人のエースと黒狐 感想&考察 

こんにちは。こんばんは。あるいはおはようございます。FUKUIです。

「いきなり久しぶりに更新したかと思ったら、歌詞の魅力を語るんちゃうんかい!」と思った方もいるでしょう。いないかもしれません。      でも衝動的に書きたくなったので書きます。

先日、映画「キングオージャー&ギーツ」を見てきました。もちろんキングオージャーも面白かったです。ですが、仮面ライダーギーツを見終わった後で思いました。
「今回の仮面ライダーギーツの映画、本気で面白いぞ!」
「語りたい、見た人に伝わってほしい!」

ということでもう今回は映画を見たこと前提の、ただのオタクの語りとなりますので完全に自己満足です。それでも良ければご覧ください。

・注意 ここから先は映画のネタバレがふんだんに含まれます。ネタバレNGの方はここでブラウザバックしていただきますようお願いします。




①4人のエース

まずはタイトルにもある4人のエース。冒頭にて突然生えてきた「ジャマト世界樹」を破壊しようとしますが、今回の敵・メラの策略に嵌り、世界が四つに分かれると同時に英寿も四人に分かれてしまいました。

この4人のエース、見ていてどれも面白いし、「こんなの英寿じゃない!」と思う一方できちんと英寿っぽいところもあったり。改めてそれぞれまとめてみます。

①力のエース
ジャマトと力比べで張り合ったり、最初の3人の中では唯一変身できたり(ライダーの力もエースの「力」の一つとして認識された?)と
文字通り戦うための「力」を持った英寿。
ただし、基本的にバカで自分が何を食べてるのかすらわからない始末。

英寿は輪廻転生を繰り返した結果でしょうか、デザイアグランプリにおける基礎戦闘能力は確かに強いんですよね。浮世英寿となって最初のデザグラの回想でもあっさりジャマトを蹴散らしてたり、ピーキーな性能のブースト系バックルを使いこなしたり。そういった英寿の「力強さ」を持ったエースなのでしょう。

でも変身アイテム投げちゃダメでしょ笑。あと銃は殴るものではありません笑。もっともそれを指摘した道長くんもウォーターバックル使ったとき、銃で殴ってたけどね。そこはウィンにも突っ込まれてるし笑。

②知恵のエース
一人称が「小生」だったり、最初の三人の中で唯一敵の狙いに気づけたり、策でジャマトを翻弄できるような「知恵」を持ったエース。
ただし、体力がなさすぎる上にドジですぐこける。

他のライダーを口八丁手八丁、あるいは戦い方で翻弄し、例え低ランクのバックルや新しいバックルも即座に使いこなして勝利につなげる。巨大な敵が相手でも弱点を冷静に分析し、的確に討つ。そうした英寿の「知恵」を持ったエースでしょう。この知恵もまた輪廻転生のなかで培われたと思います。

知恵はあってもそれを実行するための力がない。なのでその負担はナーゴが負ってたしすぐ捕まってしまいました。陸上選手の冴さんは例外としても変身してたとはいえ中身はごく普通の女の子に体力で負けるというのはエースの見た目では実に情けない話です笑。ただ他のエースに比べると話が通じやすい分まだましかも。

③運のエース
「ハッピー」「ラッキー」が口癖(どこぞのしし座の人や、女子高生の巨人とは関係ありません)で敵の攻撃にも運だけで捌く文字通り「運」を持ったエース。
ただし、運しかないので何もないところではどうしようもない。

一発逆転の切り札、ブーストバックルを高頻度で手に入れていたり、フィーバースロットを最初に使ったときもブーストを引き当ててたり、卵からモンスターバックルを孵したりと「運」に恵まれてきた英寿。仮にブーストバックルはジーンからの差し入れだとしても、そうした応援をしてくれるサポーターを味方につけられたこと自体が「運」を持つ証なのかもしれません。

でもそれはデザグラ内で確かな実力を見せてきたからこそ。
運も実力の内と言いますが、自分の今ある実力を最大限発揮してこそ運はついてくるのかもしれません。博打で喜ぶエースはいつもの英寿よりもすごく軽薄に見えました笑。

④心のエース
基本的に無口で自由。ただし、自分の信じることをあきらめないエース。
メラは彼を「搾りかす」とバカにしていたが、実際にはそれが一番大事だった。

知恵と力と運。それを何のために使うか。
最初は母親に再開するため。創世の力を手に入れた後は、誰もが幸せになれる世界を作るため。例えゲーム内では人を化かしても、彼の行動が一度決めたことからブレたことは決してない。だからこそ何百回という輪廻転生にも耐えて、忘れるに限るようなつらい現実にも耐えて、勝ち抜けた。
そんな英寿の「心」を体現したエースでした。

最初オカリナ吹いていたり、口数が少ないのは「言語化できない心」を表現しようという彼なりのメッセージだったのかもしれません。最もオカリナは下手だったので景和には最初何も伝わりませんでした笑。
ちなみにオカリナって吹きこなすのめっちゃ難しいらしいです。

②メラとメロ、そして未来の地球

今回の敵、メラとメロ。世界滅亡ゲームを実行し、その最速記録更新を狙う危険人物たちです。そして彼らの口から未来の地球についても語られました。特に未来については本編で明かされていない部分でもあるので考察しがいがあります。

チョコレートプラネットの長田さんが演じる今回の悪役メラ。そして工藤遥さん演じるメロ。道化師を思わせる派手な格好で、世界滅亡ゲームの実行役。神話の世界に赴き、そこに息づく神を殺す「神殺し」の異名を持つ男・メラ。そしてメラに同調してほめちぎり、その様子を配信するメロ。その動機は「楽しいから」という実に軽薄で身勝手なもの。

そんな彼らの口から語られた未来の真実。
一つ目は「未来の地球は滅亡しており、人々はデータ化されて宇宙で生きていること」
二つ目は「ジャマトは地球滅亡のきっかけとなった植物を品種改良したもの」だということでした。

一つ目に関しては、本編でも「未来人は姿、能力、寿命すらも自由に自分でデザインできる」と語られていて、最初は「技術発達してんな―」と思ってました。映画見た後に思うのは「元がデータであれば確かに簡単かも」ということです。現実でもVチューバ―みたいにデータ上で自分をデザインする手法はありますし、そうしたキャラクターにどんな「設定」をつけるかはクリエイターの自由です。ただ地球が滅亡した未来ではそうして「自分」というキャラクターを作ってもアピールできる場が無いし、新しい発想が生まれる土壌もない。よって退屈した人々は、我々が神話や歴史書から着想を得るのと同じように過去の時代にそれを求めた。それが「デザイアグランプリ」が未来で人気な理由なのでしょう。

二つ目に関しては考察できるところが沢山あります。ジャマトのベースとなる植物はどこから来たのか。何者かが作ったのかあるいは宇宙からやってきたのか。どちらにせよ、並の人より強いうえ言葉の通じない怪物に成長するような危険な植物。成長を止められず浸食されたのか、怪物どもに蹂躙されたのか。
そんな植物にアルキメデルのような興味関心を惹かれたものがいる。
それをゲームの駒にするために改良したり、指示した人がいる。
いつの時代にもひねくれものはいるようです。

住みなれた環境は滅び、創造力も娯楽もないような退屈な世界。過去を振り返れば破滅の未来を知らずに今を楽しむ人々。それを見たとき「どうせ滅びる世界ならいつ滅ぼしてもいい。そしてどうせなら自分たちが楽しめるように壊したい」そんな破滅主義が生まれてもおかしくはないと思います。
そしてそれに共感した「オーディエンス」が一定数いる。だから彼らは「世界滅亡ゲーム」を配信するのでしょう。

ちなみに彼らは最後未来に強制送還されますが、よく生きてたなと思うと同時にこいつら二度と世に解き放っちゃダメだろと思いました。

③ギーツとXギーツの対比 魅力

メラは4人のエースの内3人の力を集め、Xギーツレイズバックルを生み出し(ベルトはおそらく力のエースから奪って)、仮面ライダーXギーツとなります。
このXギーツ、予告で登場した直後は黒いギーツということもあり
「めっちゃかっこいい!」
「変身者はきっと影の英寿」

などの感想をTwitterで見ました。実際私もそう思いました。

しかしキャストが判明すると、
「誰だお前は?」
「どんなキャラになるんだ?」

と期待と共に不安の声も上がりました。

これは「黒い主人公デザインの敵キャラ=主人公の影、あるいは強力なライバル」というよくあるイメージを裏切る形となりました。
しかし映画を見ると、長田さんの演技が実に動きとマッチしており、しかも大事なところはしっかりギーツと真逆の要素を持った「最強のライバル」でした。
デザイン発表→キャスト発表→映画と見る人のイメージをひっくり返す構成に私はまんまと化かされたようでした。

以下にギーツ(ギーツⅨ)とXギーツを対比します。
①カラーリング…白と赤のギーツに対し黒と青のXギーツ
②能力…世界を創造する力を持つギーツⅨと世界を破壊する力を持つXギーツ
③なんのために戦うか…誰もが幸せになれる世界を目指すギーツと自分が楽しむために滅ぼすXギーツ
④力の本質…創造によって生み出されたオリジナルの力であるギーツⅨと人の力を奪って作った模造品であるXギーツ。
⑤仲間…仲間に支えられるギーツと仲間に裏切られるXギーツ

名前のXギーツにも複数意味があって「Ⅸから一つ上のX」とまずは取れます。
実際のところXギーツの力は3人のエースから奪った力であり、実は目立った特殊能力はありません。しかし知恵も力も運も備えたうえそれをメラがトリッキーに運用するのでかなり手ごわいです。劇中では箱に突き刺した武器のトリガーを飛び降りながら剣で押し込んで射撃したり、わざと武器を捨てて拳で殴ったりとタイクーン(ニンジャ→ブジンソード)とバッファ二人を相手に圧勝でした。
そして映画を見た後では「Ⅸから大事なⅠが抜けたX」とも読み取れるわけです。大事なⅠピースを「搾りかす」と捨て置いてしまった。だからこそそこから生まれたギーツワンネスに敗れたわけです。

なおギーツワンネスに関しては、胸の前垂れがスターオブザスターズオブザスターズの英寿の服っぽくなっている点が好きです。

④作風

今回の映画はこれまでのライダー映画とは違う点があります。
それは我々映画の鑑賞者が「デザイアグランプリ、そして世界滅亡ゲームのオーディエンス」として案内されることです。
その案内人こそジーンです。というかほとんど鈴木福さんです。
結果、すごく没入感がある映画となりました。
ただ、めっちゃメタ要素ですので同時に笑いもこみ上げました。

⑤まとめ

久しぶりに見た夏映画でしたが、こうして長々と感想を書くぐらいに楽しく見ることができました。きっと最終回後にもう一回見たくなると思います。
その時はこの記事を思い出そうと思います。

ここまでお付き合いいただけた皆さまありがとうございました。
それではまた気が向いた日に。


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