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手帳を見返せば人間的成長がわかるかも知れない

毎年、8月後半から9月になると私の脳内の9割を占める重要な案件が発生します。それはズバリ、

来年の手帳、どうするか?問題

です。

スマホやPCでの、スケジュールやタスク管理が至極便利になったとはいえ、
手帳というアナログなツールを手放すことは、どうしてもできません。
なぜかといえば、やはり手書きだからこその味があり、
見返すと自分が日々生きてきた「証」が、確かにそこに残っているからです。

というわけで、来年の手帳を模索がてら、これまでの自分の手帳を振り返ってみたいと思います。

①会社員時代:自己管理能力ゼロ手帳

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ドーン!!
はい、いきなりやばいやつーー。

毎日午前10時に出社して、午前2、3時まで残業。時に帰る気力が失せて、会社の保健室に泊まる日々で、手帳を書く暇がなかったんです。
……などという言い訳は通用しないレベルでひどい!

もし打ち合わせ中に、相手がこの手帳を開いたらどう思います?
こんな人と一緒に仕事をして大丈夫かと不安になりませんか?
前回あげたnoteの記事でも触れた通り、この頃の私が、いかに社会人失格のダメダメ人間であったかが、よーーーーくわかりますよね。
(……って、自分で書いていてかわいそうになってきてしまいました。ダメダメだったけど、これでも精一杯がんばっていたんです。ただ未熟すぎて、がんばり方がよくわかっていなかったんです……)

しかし、たった見開き2週間分を見るだけで、

・ああこいつは、時間管理ができてないな
・テキパキと仕事を片付ける能力が全くないな
・仕事を俯瞰で見ることができていないな
・そもそも人生を雑にすごしているな

――というのが、ここまで一目瞭然にさらけだされてしまうとは……。
ああ手帳って恐ろしい!


②バイト時代:毎日遊びすぎ手帳

手帳2000

これは会社を辞めて、脚本家になる勉強をし始めて半年ぐらい経ったころの手帳です。
暇なのでマンスリータイプのもので十分、事足りていました。
とはいえ充実しています!
脚本の勉強もしていましたが、それ以上に実によく遊んでおり、毎月ライブやイベント、友達と会う予定でいっぱい。
しかもこの時期は読書や映画鑑賞にもたっぷりと時間を費やしていて……

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こんな風に、手帳の後ろには、読んだ本、鑑賞した映画、音楽作品、更には楽しかったライブのセトリまで丁寧にみっちりと記録されています。
映画は別途、映画ノートも作っていたかも。

暇だったからこそ、勉強にも遊びにも全力でいられたこの時期は、
手帳からもわくわくが伝わってきて、見返してもとても楽しいです。


③新人脚本家時代:スケジュール管理というよりネタ帳

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脚本家としてデビューはしたものの、まだまだ駆け出しで、プロットライターもしていた頃の手帳です。

「プロットライター」というのは、企画書を書いたり、他の脚本家さんがお書きになる前に、そのシナリオのプロットや大まかな構成までを書いたりするお仕事です。
なかなかクレジットの出る形で脚本を世に出すことはできないし、そもそも原稿料もスズメの涙ほどしかいただけない。
新人ライターにとっては、最初の踏ん張りどころの時期です。
いやぁーーー思い出すなあ、
「福田さんは、実家ぐらしだから、原稿料よこせよこせ言わないで書いてもらえて助かっちゃうよ。あっはっはっは」
ってプロデューサーさんに言われたこと。
その日の帰り道、不動産屋さんへ直行し、ひとり暮らしの部屋をすぐに借りたのは言うまでもありません。

脱線しましたが、
とにかくどのプロデューサーさんからも、
「ねーなんか面白い企画案ない?」と求められていたため、手帳にもアイデアがいっぱい書かれています。
どれもとりとめのないものばかりではあるのですが、読み返すとこれがなかなか面白くて、しばし読み耽ってしまいました。

近頃は何かひらめいた際は、もっぱらiPhoneのメモに書いていたのですが、こんな風に手帳に書きだすスタイルに戻そうかなー。


④新人脚本家時代その2:もがき悩んでます手帳

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ありがたいことに、脚本のお仕事をコンスタントにいただけるようになって、忙しくなり始めた頃の手帳です。
遅まきながらタイムマネジメントの重要さにも気づき、バーチカルタイプの手帳を使うようになりました。

しかしながら、日々こまごまと書き込まれている言葉に、うっすらと「闇」を感じたあなた……正解です!
一見すると、自分を鼓舞激励する言葉の数々なのですが、
裏を返せば、これらは仕事や人生への不安の表れであり、ところどころかなり、いや相当イタイ。

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わーい脚本家になれた~♪ と、無邪気に喜ぶ時期はとうにすぎて、
来年どころか来月の、仕事が同じようにあるかどうかすらわからない、フリーランスの恐ろしさに、やっと気づいのたです。

いま、目の前の脚本はなんとか形になった。
でも、次に発注いただく脚本はうまく書けるのだろうか?
そして、この作品が終わった後、新しい仕事はいただけるのだろうか?
そもそも、この日々は自分の夢や目標にきちんと向かっているのだろうか?

こんな問いかけに答えてくれる方なんて、世界中さがしまわっても誰もいません。
だったら自分で自分に「いや大丈夫だって」「なんとかなるって」と言ってあげるしかない。
そうもしないと忽ち、不安に心ががんじがらめになって、脚本が書けなくなりそうな気がしてなりませんでした。

辞めるという選択だけは、絶対にしたくない。
書き続けたい。この仕事に人生を賭けたい。
何がなんでも前進したい、成長したい。

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こんな感じの、
『バーチカルタイプにしたものの、ごちゃごちゃ書き込みすぎて、時間管理できているのかどうなのかさっぱりわからない手帳』時代は、
お恥ずかしながら、ここからつい最近まで続きました。

ごちゃごちゃと書きだして、もがきながら模索し体得していった「人生スタイル」みたいなものは、そのまま今の私の血肉となり引き継がれています。

何年経とうが、来月の自分に仕事があるかはわかららない状況であることは、全く同じです。
だからこそ、目の前のひとつひとつの脚本に、発注いただけたことを感謝しつつ、緊張感をもって全力で集中しよう! と、心がけています。

⑤そして、今の手帳は

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これが先週の手帳のページです。
初稿がなかったので、脚本講座の準備日以外は徹夜をする必要も全くなく、バランスよくすごせた理想的な一週間でした。

水色:仕事
ピンク:遊び
黄色:散歩や読書、勉強といった自分を見つめる時間
グレー:睡眠

――と、色分けもされていて、我ながらタイムマネジメントのお手本のような手帳です。
(ああ、会社員時代にこんな風に手帳を使いこなせていたら……)

しかしです。

ここまでの手帳に比べると、どうも味気ないような気がしてしまいました。

整理だてて日々をすごすことは大切です。
スッキリとした手帳は、心に少しゆとりが生まれてきたことを意味するのかもしれません。

でも、思うのです。


もっとごちゃごちゃ、ぐちゃぐちゃしていたい!

もっともがいて、浮かれて、悩んで、楽しんで、
うわーって頭をかきむしって、

その爪痕が残るような手帳にしたい!!

――と。

決して今の自分が、もがいていないわけではありません。
それどころか、もがきっぱなしの悩みっぱなしです。
でも、いつしかそれを手帳に書き出さなくても、
器用に心のうちに落とし込めるようになってしまいました。
もちろん、それは素晴らしいことです。
悩むことに時間をとられなくなった分、
楽しいこと、わくわくすることを考える時間が増やせているし、
それが日々の脚本仕事にも良い形で活かせているはずです。
でも……なんか物足りない。

今年の手帳が妙にすっきりしすぎている理由のひとつには、自粛せざるを得ない現状にもあります。
例年のようにアクティブに、ライブや旅行、友達と遊ぶ時間を書き込むことができていません。
そんな遊びの予定があると、
仕事との両立もより難しくなるだろうし、
友達との飲みの席で深まる悩みも出てくるだろうし、
ライブや旅先で出会うインスピレーションも書き留めたくなるはず。
手帳が、もっとごちゃごちゃと、わちゃわちゃと、わくわくで埋まる気がします。

10年後、20年後の自分が読み返したときに、
「いいね、この時期、わくわくする!」と、にっこりできるような、
充実の日々を記録できるような手帳を重ねたいです。
というわけで、2021年の手帳。
ごちゃごちゃわちゃわちゃな日々を書き込むには、どんなタイプのものが相応しいのか、じっくりと検討します。






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