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デジタル・ケイブ事始め。(9)

皆さま、個人で普通預金の口座を作られたこと、ありますよね?

よほど何か問題がない限り(ご自身が反社会勢力でいらっしゃるとか)、個人の預金口座は、その日のうちに作られて、通帳を手渡しされますよね。
キャッシュカードは二週間くらいしてから、自宅に郵送で届いたりしますけど。

でも、法人になったとたん、普通預金の口座を作るのも、「審査」が必要になります。
しかも、聞くところによりますと、マネーロンダリングなどを防ぐため、特に去年(2018年)の夏ごろから、以前よりずっと審査が厳しくなったそうです。
FATF(ファトフ)という、マネーロンダリングやテロ資金対策などを国際的に推進する機関が、今年これから第4次審査を始めるそうですが、第3次審査で厳しい判定を下された日本としては、なんとかこれをみごとパスしたい。なので、厳しくなってきたのだとか。

私の法人の設立日は、3月1日。
法人の登記が完了したのが、3月5日。
わりと、すべてを「最短コース」で走り抜けたはずなのですが、それでもひとつめの銀行口座を開設できたのは、3月14日。
この口座のキャッシュカードができたと連絡を受けたのは、3月20日でした。
この、「会社はできたのに、銀行口座がない」状態は、けっこう辛いものがありまして。。。
なにしろ、口座がないと、法人用のクレジットカードも作れませんし。
しかたがないから、「役員が仮払いしてる」という形で、費用のかかる作業を進めていくしかありません。

また、最初に口座を申し込んだのは、私の元・勤務先の都市銀行でした。
当初は、「その法人はまだ存在しないから」とWeb上で断られ。
国税庁のサイトで「法人番号検索」ができるようになって、ようやく口座の申し込みがWebでできるようになりました。(3/11)
……ですが。

じっと待つこと一週間。
3月18日になって、「総合的に判断し、今回は見送らせていただきます」と、口座開設のお断り通知がメールで届いたのです(笑)

えーっ!
だって、その銀行で、もう10年以上、個人事業主として仕事に使う口座を持っていて、自宅に銀行さんから電話がかかってきて、個人事業主用の、限度額500万円のクレジットカードを作りませんかなどという、恐ろしげな勧誘をされたこともあるんですよ?(使いすぎるの怖いから、作りませんでしたけど)
しかも、元・社員なのよ、私。(まあ、元・社員だからいい人とは限らんのかもしれませんがw)

それで、急いで銀行の窓口に行きまして、もう10年以上、個人事業主として取引があることなどを口頭で説明したのですが、
「法人の普通預金開設は、Webしか受け付けていない」
とのことで、埒があきません。

で、もう地銀で口座を作った後でしたから、
「ひとつあれば、もういいか」
という気分になりかけていたのですが、数日後に銀行から連絡があり、口座を作ってもらえることになりました。
なにしろ元・勤務先なもので、私が冗談まじりに各所にブーたれていたら、それがまわりまわって銀行さんに届いたらしく(苦笑)。

で、審査に落ちた理由もわかったのですが、ようするに(7)で書いた、転送アドレスを使っていたからだったんですね。
「取引の実態がない」
と判断されたのだそうです。
(ふつうは審査に落ちた理由もわからないものなので、わかっただけでもラッキーだったんですが)

まあ、「10年も貴行と取引していたのに」とは、いちおうブーブー言ってみました(笑)。

なので、ひとつわかったこと。
いま、転送アドレスを使って法人を設立すると、都銀ではまず口座を開設できません。

ただ、(7)でも書いた通り、自宅の住所を表に出したくないという理由で、転送アドレスを利用する方は、いらっしゃると思います。
そういう方のために、転送アドレスだからという理由だけで、審査をNGにするのではなく、理由を聞くとか、なんらかの救済措置があってもいいんじゃないの、というのが銀行さんへのお願いです。

私のような法人設立のしかたが珍しいんじゃないか、とも言われたのですが、逆に、「自宅にいながら(自宅の住所を隠して)会社をつくる」ことができるようになれば、若い人がもっと楽に法人を設立できるようになりませんかね?

まあ、私の考えすぎなら、それでいいんですけどね~。