開成学園

なぜ開成高校はナンバーワンになったのか?

開成高校成立史――受験産業内の立ち位置における

今回は首都圏の中学受験に特化した話だ。じつはこういうことにだいぶ詳しいんですわ。

かなり前のことになるんだけど、「なぜ開成高校はナンバーワンになったのか?」という本を書こうかと思ったことがある。ナンバーワンというのは要するに東大への進学実績のこと。まぁ実際には、筑駒と灘の方が上なんだけどね。

きっかけは『10歳の選択』という中学受験の内幕本を読んだことだった。面白い情報が書かれてたのだな。

この本の中に、
中学受験の最難関がなぜ、開成・灘なのか
「開成学園70年体制」の成立事情

という記事がある。

この「開成学園70年体制」ってやつがキモ。

学校群制度の導入は表面的理由にすぎなかった

東大への進学において、昔は圧倒的に公立高校優位だった。
それが大きく転換したのは1967年のこと。
日教組的な公平を重視する学校群制度というやつができて、行きたい学校にはくじ引きを通過しないと行けない制度になり、それが嫌われて私学に一気に人が流れた。
公立優位から私立優位に移った理由として、一般にはそう説明されてきた。

俺が読んだすべての本で、単純にそれだけのロジックによって説明されていた。

「開成学園70年体制」ってやつは、この単純なロジックをくつがえすというか、そんな表面的な話じゃないんだよと裏面を語るものだった。

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