見出し画像

【映像クリティカルリスニング】#04 ~「Vocument」~

第4回、今回はこちら

まずは、見てください。100%騙されます。
本当にすごいとしか言いようがないんですが、一応ちゃんと色々書きますね笑

まずはこの映像、最新の撮影技術、LEDウォールを使用して撮影された映像です。
ここ最近は、日本最大の放送機器展「Inter Bee」でも毎年大きなブースが組まれてるくらい、これからの撮影を大きく変えていくであろうものです。
昨日まで2日間、福岡で開催されてた「九州放送機器展」でも、規模こそ小さいものですが、メインステージでのLEDウォールを使用したデモが行われてました。

グリーンバックやブルーバックとは異なり、後で背景などの合成をする必要もなく、演者も状況を把握し、演技がてきることなど様々なメリットがあると言われています。

ただ、実際に色んな機器展で見てみて、しっかりと背景と馴染ませるには、かなりライティング関係などを追い込むのはマストだなと感じました。
(カメラマンでも照明技師でもないのでよくわかんないですが…)

現在、海外映画などでは、スターウォーズなどをはじめ、様々な映画などで使われてるLEDウォールを使用した撮影ですが、Web Movieとしては、日本でLEDウォールを使用したこの規模の撮影は、おそらくこのくらいなんじゃないでしょうか。(僕が無知なだけだったらすみません、もしご存知の方いれば教えてください。)

と、前置きはこのへんにしつつ。

この作品の何がすごいかというと、本作品の全てのシーンの録音場所が同じスタジオだということです。

企画がこういうものである以上、効果含め、整音や空間に対しての馴染ませというところは、かなりシビアに行なわれたのは、聞くまでもなく伝わってきます。

この作品、今年のJPPA AWARD 2023で、映像部門、音響部門ともに受賞されてました。
僕も別で、受賞をいただいてたのもあり、授賞式で、担当されたミキサーさんにも少しお話しを伺いましたが、すごく整音や空間作りというところは大変だったみたいです。

特に車や、繁華街、教室など、音の空気感、反響官などが、かなり変わるとは思いますが、そこを視聴者に違和感なく、場所が変わってると自然に思い込ませる、一つの「騙し」のツールとして、本当に音がいい役割をしてる作品です。

反響などの空間を再現するプラグインとして、Audio EaseのAltiverbやIndoorなどと言ったプライグインがありますが、そういったものを使用しつつも、ベースノイズやその他様々な効果と、この尺、シチュエーションの多さで違和感なく整えらてれるのは、整音が本当に丁寧ということに他なりません。

効果も本当にめちゃくちゃいいですよね。

スタジオでの撮影なので、当然、ベースノイズからガヤまで全て効果になるわけですが、カメラのタッチノイズに至る所まで、細かくリアルな音作りで、全く違和感がない。

効果のトラック数もかなり多いんじゃないかと思いますが、全てがシーン内の同じ空間でなってる生な音なんじゃないかという感じがしてしまうくらいに自然。
担当されたミキサーさんも、効果さんを凄く評価されてました。

ダイアログだけでなく、効果としても空気感を大事にしなければいけなかったのもあるでしょうし、気を使うところが無限にあるような内容です。
その上でこの自然さ、そして聴きやすいナチュラルな音作りと、本当に素晴らしいなと思います。

改めて、本当にすごい作品です。

今回もご覧いただきありがとうございました。

ではまた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?