ワークとライフに役立つネット記事(18)~リーダーへの信頼がないと手抜きやごまかしが発生する

 今回の記事は「トヨタリーダー1年目の教科書」というテキスト(トヨタが職場リーダーに対して行う教育マニュアルの核を伝授するとのこと)からの抜粋だそうで、会員登録をしないと記事の全部は読めませんが、会員登録なしで読める範囲でも、以下のような重要なことが書かれています。
 
・職場に配置された新人は、最初はみな同じに見えるが、それぞれ全く別の人格。
・リーダーの立場からは、メンバーが仕事最優先であってほしいが、実際には一人ひとりの価値観は多様。それぞれが別の人間であることを受け入れてコミュニケーションをすることが、心構えの第一歩。
・一方的に話しかけてもコミュニケーションは成立しない。メンバーの発しているサインに気づき、ちょっとした変化を感じ取ることがポイント。
・信頼関係や親密さが欠如した職場は、リーダーの見えないところでレベル低下が起きる。
・信頼関係や親密さは、どちらかが一方的に追い求めて得られるわけではない。メンバー一人ひとりのスタンスを尊重し、双方向で深めていくことが大切。
 
 以上のようなことは、人間関係一般の話とすれば、ごく当たり前の内容です。
 しかし、日本の職場においては、「上」「下」というタテ社会の秩序感覚によって、真逆のことが「常識」とされています。
・上司は部下を十把一絡げに扱って当たり前
・部下は上司の指示を最優先にして、私生活を犠牲にするのが当たり前
・上司が話し掛ければ、部下は何があろうと応答するのが当たり前
・部下は上司の意向を先回りして実現するのが当たり前
 このような人間関係は、一歩職場の外に出た世界から見れば異常というほかなく、まともなコミュニケーションが成立しているとはいえません。こういう組織文化では、信頼関係や親密さは形成されず、リーダーの見えないところでレベルの低下が起きることになります。
 なお、タテ社会が大好きな男性陣は、定年退職後にフラットな人間関係を築く能力に著しく欠ける(上から目線のマウンティングで嫌われる)ことから、家庭内でも地域でも孤立していきますので、くれぐれもご注意くださいませ。
 職場において良質なコミュニケーションを成立させるという課題は、日本においては、如何にして旧来のタテ社会の「常識」を変えて行けるか、というテーマであると私は捉えています。