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「声が好きだ」と言ってくれたから

親しい友人から「hiRoっていい声だよね」と言ってもらえて、はたと気がついたことがある。

なんか最近、声を褒められることが多い。
具体的には、4月の応援回くらいからかな。あの時も「声が変わった」ってコメントをもらったのが印象的で。

そうして褒めてもらうたび、すごくすごく嬉しい。
自分の声を愛してもらえて、それを受け入れることで、自分自身も声との向き合い方が変わって来たことに気がついた。

『声』って俺にとって、自分のボディの中でも結構因縁のパーツだったから。

トランスあるあるなんだけど、外見では本来の自認の性でパス(=自認の性として見なされること)できても、声で女性ボディであることがバレて不審な目を向けられる、ということが、今まで数限りなくあった。

だから、「俺は声で女だとバレてしまう」という思い込みが強化されて、「この高くて細い声のせいで」って声を嫌うようになって。
人前で自然な声を出すことが、だんだん嫌になっていった。

だって、電車とか駅とかで、話し始めた途端に周りからチラチラ見られたり、ヒソヒソ「どっちやろ?」とか言われたり、美容室とか服屋とかで接客されて、声出したら「失礼いたしました(=男性と間違えてごめんなさい)」とか言われまくってきたんやで。
カフェやレストランで店員さん呼ぶのも憚って、指差しでオーダーを終えるなんてザラやったし。

それくらい俺、自分の声が嫌いやった。
この声のせいで、俺はどこでだって女扱いされて、俺でいられないんだって思ってた。

でも、「hiRoの声が好きだ」って言ってもらうことが増えて、それを自分でも受け入れ始めたら、男とか女とかじゃない、俺の声ってどんな声なんやろうって興味が沸き始めたの。

昔、歌が上手くなりたくて、少しだけボーカルレッスンに通っていたことがある。今も諦めてないけど、人生で一度はバンドでライブハウスで歌ってみたかったんよね。バンドしたことないねんけど笑

で、当時の宿題の一環で、「自分の歌声を録音して、聞いて練習する」というものがあってさ。

まぁー、当時は見事に聞けなかった…!

自分の声の細さ高さが即「女声だ!」って認識されてしまって、ゾワっと悪寒が走って嫌悪感が凄かった。
我慢して聴いたけど気持ち悪くて辛くて悲しくて、「お前は女だ!」って言われてるみたいで、耐えられなくて泣きながら止めたことだってあった。

でもね、最近、ちょっとずつ感覚が変わって来てる気がしたから、久しぶりにそれを聴いてみたの。
音声データ消してなかった過去の俺偉い。万歳。

そしたら。

…あれ?聴ける。聴けるぞ?
自分の声、気持ち悪いって思わないかも。いや、うん、思ってないな!?

これはこれでまぁいいやん。悪くないぜお前。くらいの感覚。

お!?いいんちゃうん!?!?

と思って、話し声の録画を聞いたらちょっとキツかった。笑
でも、前ほどの込み上げるような嫌悪感はない。

どっちかっていうと、話し方に違和感があるかな。
声より、話し方とかスピード感の方に自信のなさというか腰が引けた感じが滲んでて、そっちに違和感…って冷静に分析している!これくらいの解像度レベルで自分の声聴いたの初めてでは!?

すげーな俺!!!やったな!!!

それもこれも、俺の声が好きだって言ってくれた友人たちのおかげです。
皆が俺の声を本当に好きだと思ってくれているんだってわかったから、俺も自分の声に向き合う勇気を少しずつ蓄えることができた。

俺の好きな人たちが「好きだ」と言ってくれるこの声に向き合いたいって思えるようになって、嬉しい。ありがとう。

いつかラジオや歌など、声を使った表現が堂々とできるようになりたいな。あ、俺アイドルやからできるな。(※下記事参照)

うん。きっと、そうなろうな。

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