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~声なき声を上げる本たち~第51回Book Fair読書会

今回も新宿のカフェ(の会議室)で開催。
少人数でしたが、楽しい本の話は尽きませんでした!

それでは、本と帯の紹介をどうぞ!

ふっかー(51):木村有衣子『BOOKSのんべえ お酒で味わう日本文学32選』文藝春秋

文豪にはなれなかった。酒豪になら、まだなれるだろうか。

《ふっかーの本紹介》
ジャケ買いしたこの本は、お酒にまつわる小説の名シーンが読める・・・だけじゃない!

居酒屋の描写から見える日本戦後史、はたまた「のんべえ」と「下戸」の間にある価値観の溝を考察したり。

ハッと酔いも醒める、哲学的なエッセイ集です。

《雑談》
◆あとがきにある”酒屋って、本屋みたいだなあといつも思う。(P.196)”の一文をきっかけに、好きな飲み屋さんや本屋さんの話
◆お酒を飲みながら本読める?読書のオトモに何を選ぶ?
◆飲み二ケーションを考える(お酒が引き出す個性・人柄はある?)

◇ふっかーオススメの1編『真の #ストロングゼロ文学』は、こちらから試し読みができます↓↓

かえちゃんさん(9):桐野夏生『燕は戻ってこない』集英社

ラストに…希望が…見える……???

《かえちゃんさんの本紹介》
「貧乏生活から抜け出したい」二十九歳の女性。
「子どもがほしい。お金はある」四十代の夫婦。
両者を結びつけたのは、国内では未承認の「代理母出産」でしたーー。

主人公と依頼主夫婦は、それぞれ「うまくいかない」部分を抱え、心の中で折り合いをつけながら進んでいきます。
その先で、最後に主人公が取った行動に、私はぞっとしました。でも、読み手の立場で感想は変わるのかもしれません。

お金で子どもを、そして女性の人生は買っていいのか。倫理観が問われそう。考えることをやめないように、語りたくなった小説です。

《雑談》
◆現代医療の発展は希望になりうるけど、それを取り巻くシステムには怖さもある。選択肢があることの怖さ
◆タイトルの意味(行方不明?巣立ち?)
◆親にとって子どもは「授かりもの」?「努力の結果」?

ヤマハさん(4):パオロ・コニェッティ『帰れない山』新潮クレスト・ブックス


翻訳者の関口英子さんも、奥多摩に長く住んでいたとのこと。

《ヤマハさんの本紹介》
北イタリアが舞台の”山岳文学”。自分の登山が好きなので、楽しく読みました。

主人公は、登山大好きな父にしぶしぶ付き合う少年。
でもある日、畜産一家の同年代の少年と仲良くなり、楽しい時間を過ごします。
やがて父との関係が悪化し、主人公は山から遠ざかりますが、少年時代の友人と再会し”あること”をしますーー。

台詞が少ないぶん自然の描写が多く、春夏秋冬の情景が目に浮かびます。
山も登場人物のひとり、と感じられるほどですね。
「なぜ人は山に登るのか」の答えがある作品だと思います。

《雑談》
◆イタリアで映画版が制作され、日本でも5月に公開予定!
◆登山の楽しさは読書にも通じる。登り終えた後、読み終えた後の景色の素晴らしさ。
◆主人公の「都会のストレスを山で抜く」に共感
◆山で人間の素が出る。もちろんクマも出る。

ヒロさん(23):轟孝夫『ハイデガーの超政治 ナチズムとの対決/存在・技術・国家への問い』

哲学界のレジェンドと、友達になれますか

《ヒロさんの本紹介》
20世紀最高の哲学者、との呼び声もあるハイデガー。しかし、彼の人生には大きな「やらかし」があり・・・。

よく知られるハイデガーの過ちとは、ナチスに加担してしまったこと。
10年ほど前(2014年)、反ユダヤ的な記述のある『黒ノート』が刊行されると、「ナチス主義者」のイメージは決定付けられた感があります。

ただ、紹介本の著者は具体的に何が問題だったのか、その思想の根っこに何があるのかを見ていこうとします。

世界に蔓延する「ニヒリズム(虚無主義)」を克服するため、「存在」について考えたかったーー。
そんな信念を通してハイデガーを理解する、入門書としても読める可能性ありだと思います。

《雑談》
◆ハイデガーで連想する人物はハンナ・アーレント(ハイデガーの弟子だったユダヤ人哲学者)。映画もありましたね
◆古代ギリシャにまで遡るハイデガーの視座
◆ハイデガーの人柄は??

こーせーさん(42):伊吹有喜『四十九日のレシピ』ポプラ文庫

「レシピ」=料理とは限らない

《こーせーさんの本紹介》
妻を喪い、生きる気力を失くしていた男性
→彼のもとに、妻の「教え子」だという若い女性が押しかけてくる
→「(妻に)託されたから」と、無理やりお風呂に入れたり世話を焼く
→そこに娘が帰郷、「何やってるの!?」
これが物語の始まりです。

この小説を通じて、いなくなった人の声をどう受け取るかを考えました。
何も言えないから無視するのではなく、目の前にある問題と向き合うために、どう解釈し、どう行動に移すのか。
それを前向きに生きる力に変えていくことは、とても大事なんじゃないかと思います。

僕は家族小説が好きです。家族モノは死が関わってきて、重くなりがちだけれど、最後には前向きな気持ちになれる作品が多いなと思います。

《雑談》
◆家族の知らない自分の一面、亡くなった後に知られるのはアリ?ナシ?

他にも「紙と電子の使い分け」「相性のいい本屋さん」など、本にまつわる雑談が盛り上がりました。

参加してくださったみなさん、本当にありがとうございました!!

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