第12回Book Fair読書会@上野~読書家の異常な愛情~

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こんにちは。焼き鳥屋さんで飲み会をすると楽しい、しかも体に優しい…という発見をしたかもしれない、ふっかー復活委員長です。

Book Fair読書会は遂に2年目に突入!そんな記念すべき回に、なんと念願の10人参加(主催含む)を達成しました!本当にありがとうございます。

ここから、さらに読書文化を盛り上げていきたいと思います!

今回の月替わり自己紹介は「無人島に持っていきたい本」です!(これがまた、予想外の大爆笑で嬉しかったです)

ふっかー復活委員長(主催)

無人島に持っていきたい本:サン=テグジュペリ『星の王子さま』
理由→「あれがない、これもない」と絶望しないように。「いちばんたいせつなことは、目に見えない」という一節を唱え、心を落ち着かせたい。

紹介本:ひぐらしひなつ『監督の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めてこの稼業を・愛する・ようになったか』内外出版社
マイ帯【冷静と情熱のスタイル・ウォーズ】

サッカー本大賞2019・読者賞を受賞(紹介者も投票!)した、Jリーグ監督たちのノンフィクション。彼らの舞台は、映画『超高速!参勤交代』さながらに「金なし!人なし!時間なし!」、常に逆境の地方クラブです。「イバラの道を選ぶ男」「失敗しない男」「見えない力を求める男」といった、個性的な指揮官が続々と登場します。これぞまさしく、スタイルの戦場。

ニャンちゅうさん(8)

無人島に持っていきたい本:藤田晋『渋谷ではたらく社長の告白』
理由→いつか社会に復帰する時のために、山あり谷ありな著者の人生を辿り、挫けないようにしたい。

紹介本:河合雅司『未来の年表』講談社現代新書
マイ帯【日本の未来は暗いかもしれない】

人口減少が止まらない日本で、私たちはそれに対応した社会を考えていく必要があります。筆者は「日本を救う10の処方箋」を提示しています。

特に「高齢者の基準を変える」「24時間型社会からの脱却」「非居住エリアの明確化」が印象に残りました。また、私たちが今すぐにできる行動としては(世代ごとの意見のバランスを取るため)「選挙に行く」ことが大事だと思いました。

ヒロさん(7)

無人島に持っていきたい本:東浩紀『存在論的、郵便的―ジャック・デリダについて』
理由→著者のファンだけれど、実はそんなに理解できていないかも…。この機会に、死ぬほど読み返したい。

紹介本:平野啓一郎『ショパンを嗜む』音楽之友社
マイ帯【平野啓一郎が迫るショパン、あるいはショパンが迫る平野啓一郎】

個人的にショパンにハマっていて、その一環として音楽大好き小説家・平野さんのエッセーを読んでみました。「ショパンはどんな匂いだった?」「本当の死因は?」など、著者のショパンへの迫り方がユニーク。邦訳のない恋人との書簡集まで読み込んでいたり、もはやヤバいとすら感じます。

この考察は「嗜む」どころではなく、伝記では触れられないような人物像まで見えてくる一冊になっています。「徹底的に調べる」という著者の創作のスタンスも感じられるという意味で、こんな帯にしました。

こーせーさん(主催)

無人島に持っていきたい本:村上春樹『海辺のカフカ』理由→(食糧の)魚が来るのを待ちながら、わかるようでわからない小説を読んでいたい。

紹介本:D.カーネギー『人を動かす』(翻訳:山口博)創元社文庫
マイ帯【人は自分で動く】

『人を動かす』というタイトルですが、実際のところ、人は動かそうとしても動かないものです。人は、動きたいと思ったときに、自分で動く。人をコントロールしようとするのではなく、心から前進したいと思ってもらうことの大切さが学べる本です。

人と関わって仕事をしていく上で、いかに相手に自己重用感を持ってもらうか、あるいは本来の目的を気付かせてあげられるか。傲慢な態度で相手を下に見ることなく向き合えば、「今日は会ってよかったな」とお互いに思えますし、成長にもつながります。

この本に書いてあることは、ドラゴンボールの界王拳のような「その場限り」の力ではなく、習慣にしていきたいなと思っています。

ダディ改めJJさん(7)

無人島に持っていきたい本:富樫義博『HUNTER×HUNTER 』の、無人島漂着時点でのコミックス最新刊
理由→「この続きを読むまで死ねないぞ!」という、生きるモチベーションにしたい。

紹介本:佐宗邦威『直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN』ダイヤモンド社
マイ帯【アナロジーで世界と自分をつなぐ】

「いかにして、直感でひらめいたアイディアをアウトプットするのか?」がこの本のテーマです。世界から絶対的な正解がなくなり、私たちは自分が登っていく「山」を見つける必要があります。

キーワードは「ムーンショット」と「アナロジー」です。小説や映画から受けたイメージを絵にすることで、なぜ自分がそう感じたのかが見えてきます。さらにそれを言葉に変換していく過程で、「何が自分の喜びなのか?」などのテーマが類推できていきます(アナロジー)。そして、自分だけの「途方もない目標」が思い描けるようになります。

これらを採り入れると、個人としては仕事のモチベーションにつながります。一方、会社としても、個々の自主的な意思決定が、組織のビジョンに合致する「ティール組織」に進化するといいます。

かの~さん(初)

無人島に持っていきたい本:浦沢直樹『MASTERキートン』(できれば全巻)
理由→生き残るために、登場人物のサバイバル術を学びたい。

紹介本:石弘之『感染症の世界史』角川ソフィア文庫
マイ帯【戦いは終わらない】

古今東西における、人間と感染症の戦いの歴史をまとめたノンフィクションです。ペストにより、14世紀のヨーロッパでは人口の3分の1が死んでしまいました。「エボラ出血熱が流行した理由は?」「なぜ日本人はピロリ菌に弱い?」といった謎を、研究者が考察していきます。

興味深いのは、昔から戦争の決着は武力でなく、病気によってつくことが多かったという事実です。マラリアなどの感染症は、実は銃弾よりも兵士の命を脅かしていました。今では「撲滅」された病気も多いですが、グローバル化が進み、人の行き来は活発になりました。つまり、次々と新しい菌やウイルスが「海を渡る」時代になったとも言えます。

ミカンさん(4)

無人島に持っていきたい本:村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』
理由→村上春樹の小説は、読後の満足感が魅力。もう戻ってくる気はないので(笑)、穏やかな気持ちで過ごしていたい。

紹介本:椋橋 彩香『タイの地獄寺』青弓社
マイ帯【B級スポットの謎が分かる!!新鋭学者が教えるカワイイ・面白いだけじゃないタイ】

お酒の勢いに任せ「ジャケ買い」した本のうちのひとつです(笑)。タイの奇妙なB級スポット、独特のモニュメントを写真付きで紹介した本です。でもそこのみに止まらず、仏教的・文化的な背景を詳しく解説した「論文」でもあります。

グロテスクな地獄絵図のジオラマがあるかと思えば、托鉢をしなかったせいで巨大化してしまった人、閻魔台帳をパソコンでつけている像があったり(笑)、凄く面白いです。

日本では、仏教系の建造物は「古ければ古いほど大事」と見られがちですが、タイでは時代に即した新しいものを、どんどん作っていくという風潮があります。なので、反政府デモが起こるなどして社会が不安定になった1970年代には、この本に載っているようなモニュメントが次々と作られました。面白がるだけでなく、学者の視点を通して深められるのがいいですね。

なつくささん(初)

無人島に持っていきたい本:聖書
理由→せっかく時間があるので読んでみたい。でも、自分流の解釈がひらめいてしまいそう(笑)。

紹介本:ベルンハルト・シュリンク『朗読者』(翻訳:松永美穂)
マイ帯【ドイツでは、教科書にものっている作品(らしいです) 最初は正直…メロドラマ?日活ポルノ?それなのに…】

始まりは、15歳ミヒャエルと36歳ハンナの、禁断の関係…。「あらやだ」と(ドアの隙間から覗くような)気持ちで読み進めましたが、一度離れた2人は、思いがけない形で再会します。

大学生になっていたハンナは、アウシュビッツの元看守として、裁判を受けるハンナの姿を目撃したのです。読み書きができないハンナに不利なまま裁判は進み(タイトルの『朗読者』とは、読書のできないハンナにせがまれ、読み聞かせをしていたミヒャエルを指す)、彼女は監獄へ。ミヒャエルがハンナに朗読のテープを送るなど、再び交流が始まりますが…。

最後にハンナが選んだ決断、その背景には何があったのだろうかと、今でも考えてしまいます。

やまとさん(初)

無人島に持っていきたい本:広辞苑
理由→原始人みたくなりたくないので、狩りでなまった頭を使いたい。

紹介本:福岡伸一『新版 動的平衡: 生命はなぜそこに宿るのか』小学館新書
マイ帯【生命は絶えず動きならバランスを保つ】

壮大なタイトルですが、人体や命に対する考え方が変わる本でした。

今まで、人体は移植手術ができるから、「切ったり貼ったり」ができるのだと思っていました。でも、絶えず動き、入れ替わっていくものが、私たちの身体を作っているんだなとわかりました。

例えば昔は、人間には記憶物質があり、それを移植すれば記憶を共有できると考えられていました。しかし、(研究により)実は記憶とは物質の中に留まっておらず、一瞬一瞬に生み出されていくものだと判明しました。

著者は「分子の淀み」と表現していますが、人間の体内では、常に分解と合成が繰り返されています。分子は絶えず入れ替わり、いわば生命は自転車操業的に成り立っている。体に摂り入れたもので自分ができているんだなと、改めて思いました。


タカさん(9)

無人島に持っていきたい本:六法全書と、トレーニングに関する本
理由→思いっきり頭と体を鍛えたい。

紹介本:上原浩治『覚悟の決め方』PHP新書
マイ帯【準備の大切さ 同じことを積み重ねる大切さ】

先日、44歳で引退したプロ野球投手・上原浩治の自伝的新書です。彼はケガをきっかけに、先発から中継ぎ(リリーフ)に転向します。この役割は、失敗すれば先発ピッチャーの「勝ち投手の権利」を奪ってしまうという、重大な責任を負っています。そんな上原投手が「覚悟の決め方」というタイトルで本を書いたことが、重要なのです。

ケガに苦しめられながらも、とにかく国際大会に強かった上原は、日本代表としてキューバの連勝記録(151)をストップ。さらに、メジャーリーガーとしては日本人初の「ワールドシリーズ胴上げ投手」を勝ち取ります。本を読むと、それが日々の地道なトレーニングや、入念な体のケアの賜物だとわかります。

Book Fair読書会のブクログ本棚ができました!

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