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アメリカに移住したい人の必需品、それがビザ。

アメリカに”住む”ためには、ビザが必須です。観光目的の短期滞在以外には、必ずビザが必要になります。そうしないと不法滞在者になっちゃう。アメリカに移住について調べていくなかで、いろんなビザがあるんだな〜と勉強になりました。日本ではビザのことなんて意識しないし、なおさら。

すべてを調べたわけでもないし、専門家ではないので情報が正確じゃない可能性はおおいにありますし、さらにかなり偏見も入っています(笑)
でも一応、ワタシ調べの”特に金持ちじゃない日本人向けアメリカビザはコレだった!”です。
(ちなみに、一番熱心に調べていたのは2018年の後半〜2019年です)

最終的には外国の法律に則って判断されますし、コロナウイルスの影響でいろいろな手続きに変更が生じている可能性があります。自己判断はキケンです。正式なことは、大使館、米国ビザ専門の弁護士事務所などで確認することをおすすめします!
私も、申請の前にはお金を払って弁護士に相談しにいきましたぜ。

そもそもビザってなんだ?

国外に行くためにはパスポートが必要ですが、パスポートが身分証明だとしたら、ビザは滞在許可証のようなもので、条件によって必要だったり必要じゃなかったりしますが、短期の観光であっても必要な場合があります。

“日本のパスポートは最強!”なんて形容されていますが、実際のところ観光目的であればビザなし入国が許可されている数が世界ナンバーワンで、191カ国でビザ免除となっています(2020年1月現在。ちなみにアメリカは185カ国。まぁ、日本よりは敵が多そう…)。
日本人は旅行先でも問題を起こしたり、観光目的で入ったはずなのに他のことをしたりするリスクが極めて低いからだと思います。例えば、違法なものを売買する、犯罪を犯す、勝手に働く、許可なく棲み着くなどなど。あと、憲法上の理由で戦争を仕掛けてくる脅威がないからなど、色々な理由があると思います。


アメリカのビザについて

アメリカに観光目的で入国する場合は、ビザ免除プログラム(ESTA)で入国可能です。いろんな個人情報を入力する必要がありお金もかかるので、結局ビザが必要な場合と変わらない感じはしますが、オンラインで申請できるのはいい点ですね。
(カンボジアの”ビザ”は現地でお金払って終わりだったので、そっちの方がよっぽど簡素な気がする…)

基本的にアメリカさんは、俺たちの国はグレーテスト・カントリーだから誰もが住みたがってると思っています(笑)なので、むやみにビザを発行しません。

アメリカは人種のるつぼで、日本に比べるといろいろな国の人が住んでいるように感じますが、実際のところはとてもとてもビザ取得のハードルは高いのです。9/11以降その傾向顕著になり、更にトランプ政権は締め付けはさらにきつくしようという方針です。なぜあんなに外国人がたくさん住んでいるのか、調べれば調べるほど謎に感じます。

駐在期間中だけ、学生の間だけ、といった期間が決まっているビザの方が比較的発行されやすく、長い間アメリカにとどまりそうな人のビザほど厳しく審査されます。

ビザの種類の目的は、就労、学生、結婚、宗教活動、それらの子供用など、とにかくいろんなものがありますが、代表的なものだけいくつか並べたいと思います。


フィアンセビザ(K-1)

米国人とアメリカで結婚するためのビザです。ESTAで観光目的で入国したあとに結婚することは基本的にできないことになっています。違法ではないけど、合法でもない、グレーゾーン。結婚することになった場合は、入国時点では本当に純粋に観光目的だったことを証明する必要があります。考え得るのは「遠距離恋愛中の彼氏に会いにきたら、まさか妊娠!」「全く面識がなかった人とビビビ婚する」とかでしょうか。

なので、渡米後に結婚を予定しているカップルはこのプロセスを踏むことになります。日本では同性婚の制度がありませんので、同性カップルもこのビザが必要になりますね。

外国人のフィアンセは、悪い言い方をするとアメリカに長く住み着く可能性が高いので、米国人のパートナーとともに、かなり厳しく審査されます。この場合はフィアンセである米国人がスポンサーになります。誰でもスポンサーになれるわけではなく、一定の収入が費用だったり、犯罪歴を確認されたり、いくつか基準はあります。外国人を呼び寄せて、ふたりで生活保護を受給、というのはアメリカ政府も避けたいですからね。

とはいえ、米国人の婚約者がいて、二人に犯罪歴がない善良な人たち同士であれば、時間はかかれど基本的に許可される、っていうのは就労ビザ等に比べるとけっこう基準ゆるくない?と思ってしまったのですが、どうなんでしょう?
愛する二人を一緒に居させて上げたいという慈悲なのか(キリスト教的な思考?)、アメリカ人を国内にとどまらせるための策(一応スポンサーになれるくらい善良な市民なわけで)なのか、もし子供が生まれたら将来アメリカの経済に貢献するかもしれないってことなのか、いずれにしても、アメリカで働きたい大志を抱いた人たちより、アメリカ人が惚れた相手の方が簡単に永住権に近づけるというのはちょっと不思議です。
基本的には、外国人よりアメリカ人の言うことを信用するぜ、ってことなんでしょうか。

ちなみに、私たちが選択したのもこのビザです。選択した経緯については、別のところで「すったもんだ」として書いています。


配偶者ビザ(IR-1)

米国外で結婚したカップルのためのものです。

ちなみに、日本では外国人との結婚も区役所ですぐにできてしまいます。(外国人パートナーが不法滞在とかでなければ)

なので、サクッと日本で入籍したうえで配偶者ビザを申請することも可能です。

取得にフィアンセビザより3~6ヶ月ほど長くかかると言われています。なので1〜2年ですね(長!)。

フィアンセビザ、配偶者ビザの取得にここまで時間がかかる国は珍しいみたいです。

(ビザ発行の条件のハードルが高い国はもっとたくさんありそうですが)


学生ビザ(F-1)

文字通り、米国の学校で勉強する人のためのもので、留学生向けビザです。

アメリカさんは、自国の教育に誇りを持っていますので(笑)、偉大なアメリカで勉強したい学生がいっぱいいることを知っています。また、大学キャンパス内の多様性(性別、国籍、宗教等)も大学が客観的に評価される上で大事な要素なので、留学生を多く受け入れています。

いずれアメリカから去る事が前提となっているビザなので、比較的許可が出やすいです。

大学などを修了した後は、OPT(Optional Practical Training)といって1年間だけ米国で働くことができます。せっかくアメリカで学んだ知識を使いたいよね、ま、インターンくらいさせてあげよう、というかんじかなと思います。

その期間内にほかのビザを取得できなかった場合は絶対に出国しなければいけません。期間をすぎると不法滞在になってしまいます。

なので、多くのOPT期間中の外国人は、就職先をみつけて就労ビザのスポンサーを探すことに必死です。


就労ビザ(H-1B)

就労ビザと言っても、日本のようなお気楽サラリーマン向けのものではありません。

ビザの取得には、基本的にスポンサーが必要です。この場合は、就職先です。

就職先の米国企業が、ビザの手続が不要なアメリカ人ではなく、敢えて面倒な手続きを踏んでもこの外国人を雇いたい!それくらい素晴らしい人材なんだ、と思ってくれないといけません。

専門的な知識を持ち、アメリカの経済、科学、文化などに貢献すると思われる人にだけ発行され、年間の発行数が厳しく制限されています。年間たったの85,000件しか発行されません(65,000件+修士以上の特別枠20,000件)。アメリカの人口は3.3億人なので、とんでもなく狭き門です。

毎年4月に募集開始しますが、募集開始から数日で満員になると言われています。

一般的に、理系分野の方が文系分野より発行されやすいと言われていて、要は科学の方がアートより金にもなり、国力も強くなり、貢献が大きいからです。

アメリカがもっと発展することに寄与する逸材は超ウェルカム、アメリカに憧れてるだけの人はノーサンキューってこと。

また、大学、大学院で学んだ分野と仕事の内容が一致していないといけません。

日本の就活では全然アリの、「大学では英米文学を学びました。御社の仕事ではマーケティングに興味があります」というのが全く通用しません。

実際のところ、シリコンバレーで働くエンジニアと医療関係者がこのビザの大半を取得しているんじゃないかと言われています。


交流訪問者ビザ(J-1)

アメリカ大使館のホームページでは「交流訪問者プログラムのJビザは、教育、芸術、科学の分野における人材、知識、技術の交流を促進するためのビザ」と書かれていますが、要はインターンです。これからスキルアップを目指す人たちなので、概ね35歳以下が目安と言われています。

期間限定で米国でスキルを磨くためのものなので、カフェでバイトみたいな仕事には発行されません。

あとは、米国大学での研究のためにこのビザを利用する人も多いようです。

国の補助金を得たプログラムで働いていた場合、2年間は自国に帰らなければならず、しばらくアメリカに再入国できません。


駐在ビザ(L-1)

文字通り、外国企業から派遣されて米国に駐在する人の為のビザです。

管理職以上でなければいけないことになっており、新入社員がいきなり海外転勤ということはできませんが、実際のところはかなり若い人にも発給されているようです。

外国企業から給料をもらっていて、期間限定で滞在しているというのがミソで、課された仕事が終わり次第帰国しなければいけません。


投資駐在員ビザ(E-2)

アメリカ国内で外国人がお店を出したり、起業する場合のビザです。

アメリカの経済発展に寄与するか、要は成功しそうなビジネスかがキモで、事業や計画に関する詳細な説明が求められます。

L-1との違いは、転勤ではなく自分がオーナーとしてビジネスをする場合だと私は理解していますが、定かでないです。


卓越能力者ビザ 別名:アーティストビザ(O-1)

ちょっとビビりそうな名前ですが、例えばスポーツ選手、俳優、モデル、ヘアメイクアップアーティスト、カメラマン、さらには翻訳家なども対象になるようです。就労ビザ(H1-B)と異なり、募集期間や発行数の具体的な上限がないので、本当はH1-Bを申請したいけれど、4月の締切に間に合わない場合や、ビザの許可がおりる可能性が低そうな場合は、こちらのビザを選択することがあるようです。

モノを言うのはとにかく実績!賞をもらって評価された、メディアに取り上げられた、そのジャンルで活躍する人から推薦されている、といった客観的事実でのみ評価されます。

ピースの綾部さんが取得したのはこのビザなんじゃないかと思われます。

メディアに出ることが仕事ですし、推薦してくれる人もきっとたくさんいたんじゃないでしょうか。

ただ、このビザだと「お洒落なカフェでバイトしたい」といった彼の夢は果たせません。アーティスト活動ではないので。

そもそも、アメリカには気軽にバイトをするためのビザは存在しません。もしアメリカでアーティストとしての実績を残せないと、次回のビザの更新ができないかもしれません。


…以上、アメリカのビザのごく一部でした。

この他に、就労ビザ、学生ビザを持っている外国人の配偶者や子供のためのビザや、宗教活動をするためのビザ、使用人のビザ(外国の要人のお抱えシェフなど)、報道関係者ビザなどいろいろあります。

とのビザを申請するかは結局人それぞれ

自分の国籍がある国以外に住むって、こんなに大変だったんだな…と痛感しましたし、外国(=日本)で普通に暮らしている彼のことを改めて尊敬しました。

とにかくビザの種類は沢山あるので、調べれば調べるほど沼だということが分かりました。お金はかかりますが、弁護士に相談する方が時間が節約できる可能性が高いです。

アメリカ人との結婚に係るものや、企業派遣に比べて、個人のスキルや専門性をベースにし、ある種一個人として生きていくためのビザの獲得の方がはるかにハードルが高そうです。個人の方が能力は遥かに高そうだけど。

ビザにはいろいろありますが、申請の基準は日々変わっていきます。大統領令を出したり引っ込めたりしょっちゅうしているし、移民局と国防総省の言ってることが矛盾してる、なんてこともあります。いまは、コロナの影響も大いにあります。

ということで、調べるのは大切!でも、調べすぎると二人の関係がギスギスする羽目にもなります(現に私たちが、ビザの準備中に別れそうになりました)。

これからも、フィアンセビザ、配偶者ビザを申請する方の参考になればと、いま申請中のビザの話を書いていこうと思います。

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