見出し画像

「こんなお願いしてもいいのだろうか?」の罠

わたしには義理の姉がいる。
10歳近く年は離れているのだが、
今まで年に1回から2回の頻度で
小一時間話すかどうかの間柄なので、
お互いのことを直接話して知っている、という間柄より
他人から聞いた話でお互いを知る関係である。

わたしが聞くのは、母の嫁に対するフィルター越しの姉の話であり、
姉にしてみれば、わたしの兄から聞いている、わたし像なのかもしれない。

だから、基本的に私達の会話は
挨拶から始まり、いつ私が実家から自宅へ帰るのかなどの
業務連絡のようなもので終わることがほとんどだった。

しかし、この1年、母が認知症で施設に入所してからは
母フィルターがなくなり、姉と直接話す頻度も増えた。

内容は相変わらず、事務的な内容のことが多いのだけど
お互いの近況を話す会話に彼女自信に考えを直接聞く機会も増えた。

そんななか、わたしが海外移住するにあたり
姉が出発の日に車で送迎をしてくれるという。

今まで、姉に送ってもらったことは1度しかなく
その1度も飛行機搭乗時刻ギリギリに空港に着いたので
余裕をもって移動したいわたしはその次から姉の申し出は断っていた。

今回は5歳の子と二人での移動ということもあり、
大きな荷物もあるだろうから、見送りをするという。
しかも平日でも大丈夫だと、彼女は言っていた。

かといって、同じ轍を踏みたくない私は
できれば〇時までに駅につきたいということを事前に伝えていた。
しかも、平日なので、勤め人である姉には
休むことになるので、そうは言っても難しいであろうとも考えていた。

そうして、送迎があるのかどうか不確定のまま
出発予定日の6日前になった。

本当に送迎できるのかどうか確定したいし
できないであれば別の手段の準備をしたいので
どうですか?

そういう内容のメールがなかなか送信できなかった。

回りくどい説明になってしまったが

「本当にお願いしていいのだろうか?」という
こんなお願いして嫌われたくないとか、変に思われたくない
面倒だって思われたくないという
自分のプライドなのか、自分のいい人イメージを守るために
余計な手間と労力を使うことを厭わない自分のクセがあることに気づいた。

メールの送信ボタンを押すまでに
何度も文面を確認し、
やさしく伝わるように
取引先へのお願いメールみたいな文面で、
お願いできますでしょうか?みたいな
回りくどいかんじのメールを書き、

何度か訂正して、やっと、送信した。

返事はすぐには来なかった。

来ない間もやきもきしている。

そんなに仲のいいというほどでもない義理の姉なのに
こんなにも気を使ってメールするなんて。
しかも返信が来ないから
その間ソワソワして
もう、いろいろ面倒!という思いをつのらせて待っていた。

さらっと、大丈夫よとの返信。
でも予定よりも早く目的の駅につくけどいい?という
内容であった。

いつもの「杞憂」

自分を守るために身に着けた思考故に
行動するまでに時間がかかり
意外にすんなりのパターンだったのだなと
自分の思考パターンに気づいた一コマであった。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?