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根室市視察研修

日程:2024年5月26日〜27日
自主研修で根室市にお邪魔してきました!


根室市北方領土資料館 視察(5月26日16時〜17時・進藤百合子説明員)
第二次世界大戦敗戦後、北方4島は戦場にはならなかったが、旧ソ連軍に占領されました。1946年にはすべての日本人(約1万7千人)が北方4島から樺太へ移送され、その後函館へ移送されました。この移送には6ヶ月かかり、厳しい冬を越せずに病気にかかり亡くなった方も多かったそうです。当時の北方4島での暮らしを覚えている世代は80代後半となっており、語り手はその子孫に世代交代しています。現在、北方4島のうち歯舞群島を除く3島には1万7千人のロシア人が住んでおり、ロシア政府の投資により飛行場も設置されています。北方領土返還運動を活発に行うことは、歴史や戦争について知り、領土問題について考えることに繋がるため必要だと感じました。その反面、北方領土は現在住んでいるロシア人の故郷でもあるため、領土問題の難しさも感じました。

この日はすごく霧が濃くて歯舞群島は見えませんでした。(納沙布岬にて)


「遊食酒場 壱炉 本店」さんの花咲がに。最高
「遊食酒場 壱炉 本店」さんのタコの唐揚げ。最高!
「遊食酒場 壱炉 本店」さんの美味しいお魚!最高!



根室市歴史と自然の資料館 視察(5月27日10時〜11時)
平成2年に旧花咲港小学校跡地を利用して、郷土資料保存センターとして郷土資料の収集・保管を行う拠点となり、平成16年10月から博物館相当施設として博物館活動を行っています。入館料は無料で、入館するとまず、事務所にいる人員の数(6名)と資料の多さに驚きました。HPによると、収集・保管資料は約4万点にのぼり、収集や整理を進めているそうです。学芸員の方は、歴史分野の猪熊樹人学芸主査、自然分野の外山雅大学芸員に加え、もう一人採用したそうですが、それでも中々手が足りていないと仰っていました。そのお言葉通り、活発な展示や資料研究が行われており、廊下に並ぶ書庫には古い書籍がぎっしり並んでいて、学術分野への投資の素晴らしさを感じました。

 歴史分野の展示は、現在国が推進している「アイヌ政策推進交付金」を使用し、根室海峡沿岸を拠点としていたアイヌ民族の生活にまつわる展示がなされており、また根室半島に24ヶ所存在する「シャシ」という祭祀の場や砦として使用されていた跡の保存が行われています。これらは3Dで再現され、HPからも見られるようになっています。標津町を中心に広域連携して日本遺産「鮭の聖地」の観光振興も行われるなど、様々な取り組みがなされています。
 自然分野では、近年鹿の獣害が問題となっており、産業化するべく地元民間業者と連携し、根室の鹿肉をブランディングして売り出しています。また、鹿と列車との衝突事故も多く、事故により亡くなった鹿の肉を食べにくるオジロワシやオオワシが列車と衝突するという二次被害も深刻です。野生動物の保護のため、JR北海道と連携して対応しています。根室半島沖では、野生ラッコの赤ちゃんがニュースになり世間を賑わせました。一時は絶滅の危機にあったラッコの生息数が増えてきており、野生鳥獣の保護の観点からは嬉しいことですが、ラッコは1日に7〜8kgのホタテなどの貝類を食すため、地元漁師との共存が課題になっていると伺いました。
見学を経て その分野に特化した学芸員を配置することにより、地域の魅力の発掘や観光、産業の振興に繋がる素晴らしい例だと思いました。新十津川町は奈良県十津川村からの移住者が開拓した町で、十津川村は歴史ある村です。ですので、歴史分野に詳しい学芸員が配置されることで、より深く開拓の歴史や十津川村の歴史についてPRできるようになるのではないかと感じました。また、近年の本町はデジタル技術を用いた大規模な米作に舵を切っており、「ドローンの町宣言」も行っています。デジタル方面に精通した専門員の配置も我が町にとって効果的ではないかと思います。
根室市役所庁舎見学 (11時〜12時 新宏之 総務課長) 令和2年から基本構想を練り、令和6年5月に開庁したばかりの新庁舎を見学させていただきました。新総務課長にお会いしてすぐに、「新庁舎建設にあたり多くの庁舎を見学しました。新十津川町に伺った時は休日だったので外から覗かせてもらいましたが、綺麗なエントランスで美しかったです。北方領土返還の看板が庁舎前にあり、とても嬉しく思いました。ありがとうございます。」とのお言葉を頂きましたので記載させていただきます。
庁舎は4階建てで全ての階を案内していただきました。全て記載すると大変な量になるので、特に気になった点を記します。

  1. 議場(4階)

    • 赤外線ワイヤレスマイクが導入されていました。

    • 有線マイクと比べてのメリットは、消費電力が少ないこと、端末が小型化されているため議場外での会議にも持ち運びができることです。

    • 傍聴席にイヤホンコードがあり、耳の悪い方はヘッドフォンを持ち込めば音量を調節して聴くことができる環境でした。議場のライブ音声を端末に出力することも可能とのことでした。

    • 北海道内の市で定例会などのオンライン配信に取り組んでいない市が少ないため、町からの奨励でオンライン配信の検討会議を議会で行うとのお話を伺いました。ライブ配信が可能な設備になっており、議会の方針に沿って動画の編集ソフトの導入を検討する予定とのことでした。

  2. 災害対策本部

    • 地震や津波など、様々な自然災害に即時対応できるように災害対策室があり、大型モニターや大型ホワイトボードが設置されていました。隣室の記者控室には、情報を共有しやすいように電話線や電源を多く設置していました。仮眠室も設置しハード面は整ったが、災害用の備蓄や動作マニュアルなどソフト面はこれから取り組むとのことでした。

  3. 教育委員長室

    • 2021年11月から2024年10月末までの任期で就任された元道立教育研究所長の波岸克泰氏の働きにより始まった、花咲小学校(歴史と自然の資料館の隣)で取り組まれている「インクルーシブ教育」について伺いました。インクルーシブとは、ひとりひとりの個性と価値を認め、自分らしくあるための選択や決定を尊重する教育で、これからの学校教育に求められる姿だそうです。教育研究の現場では「753」という言葉があるそうですが、これは小学校教育で3割、中学校で5割、高校で7割の生徒が、学校の仕組みや決まりから取りこぼされてしまうことを指すそうです。これまでの時代は人口増加の時代で、この仕組みから脱落し社会の枠にはまらない、はまれない人が多くいたとしても、経済は回ってきました。これからの時代はそうはいきません。ひとりひとりが活躍できる、ひとりひとりに合った教育が必要だという内容のお話につい聞き入り長時間お邪魔してしまいました。  これからの時代を見据えた政策ではありますが、個性や価値を認めらられることが子供たちの健全育成に大きく寄与すると思います。是非とも本町議会、教育委員会の方とも一緒に研修で伺えないかと思いましたので、検討できないかと思っております。

  4. 研修室

    1. 職員がオンライン研修を受ける際に、1人の職員のために会議室1つを占有してしまうことがあったそうで、1人用のワークブースを2つ設置していらっしゃいました。

本研修に際して、温かく受け入れてくださいました、
根室市議会 須崎議員
根室市北方領土資料館 進藤百合子さま
根室市歴史と自然の資料館
主査 猪熊 さま
学芸員 外山 さま
教育委員長 波岸 さま
市役所職員 総務課長 新さま

お世話になりました。
大変勉強になりました。
ありがとうございました!

⭐︎補足⭐️
新十津川町議会は政務活動費っていう、出張だったり研修費用に各議員が自由に当てられる費用が予算に計上されていないです!ですので、今回はポケットマネーと言いますか、頂いているお給料から費用を出させていただきました!
各議員・年に1回、町の推薦する研修施設で開催される研修に参加するための予算は計上して頂いてるので、何でも自由にとは行きませんが勉強する機会はいただいております!

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