深澤孝史

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[アケヤマメモ2 薪ニオタワー]

秋山郷の特徴的な風景というか生活の術の一つに薪ニオ(木ニオ)がある。長くて寒い冬を越すために大量の薪をストックしており、特に見倉集落の薪は長さが4尺、ニオの高さも2mを超える。 一本の薪の長さが長いのは今と違ってストーブで使うのではなく、ジロ(囲炉裏)のヘリにかけて火にくべていたからとのこと。薪ニオを作るにも一つ一つ知恵が詰まっていて、柱の木(昔はホウノキ、その後杉、現在は単管を使用)にアザリと呼ぶ二又のナラなどの枝を薪を積んでいく途中途中に挟み込み、薪の重さで柱を固定する

    • アケヤマメモ1

      越後妻有大地の芸術祭、秋山郷にある旧大赤沢小学校のディレクションを一任して頂いたのが2021年の12月。気がつくと2年半。1つのプロジェクトでこれほどじっくりフィールドワーク、リサーチをさせてもらうことはなかなかなくはとても貴重な機会を頂いております。 当たり前ですが知れば知るほどに、秋山というのは僕1人で手に負えないほどに深い場所です。 今回はありがたいことに秋山から学んできたことを僕1人で咀嚼して発信するのではなく、複数の作家を招聘させてもらって分野ごとに任せていくと

      • マテバシイをたてる

        以下文章は内房総アートフェスに出展している《鉄と海苔》の作品で展示しているものです。 マテバシイをたてる  君津の人とマテバシイは似ている。  マテバシイはブナ科マテバシイ属の常緑広葉樹だ。葉っぱが大きく育ちの早いドングリの木。房総半島には多くのマテバシイが広く分布しているが、元々は九州南部、南西諸島が原生と考えられている。千葉ではトウジイ(唐椎)ともよばれ、主に薪炭や海苔養殖のひび建てに使われたため明治から昭和初期にかけてマテバシイが大量に植栽された。  ひびとは、

        • 6/13,14 幌延深地層研究センター 社会科見学レポート

          幌延深地層研究センター 見学に行って来ました。 原子力発電所で出る高レベル放射性廃棄物を地層処分するための実験施設の一つである。 もう一つは岐阜県の瑞浪市にあり、瑞浪の方は、地質が花崗岩でマグマが冷え固まった固い地層、幌延の方は、珪藻土などからできた泥岩で、日本は大きく分けるとこの2パターンの地質ということで2箇所の実験施設が設けられている。 高レベル放射性廃棄物は、ウランや、プルトニウムなどの使用済核燃料を最処理した際に、使えなくなった廃液だけを抽出したもので。計算上は、人

        [アケヤマメモ2 薪ニオタワー]

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