闘うゲームが苦手な人がおすすめする「雰囲気重視」インディーゲームまとめ

戦闘のないゲームが好き。独特の雰囲気のあるゲームが好き。
そんな方におすすめするインディゲームを個人的にまとめます。
超有名どころから、多分少しマイナーなもの、ドマイナーなものまで。

ゲームジャンルとしての分類が難しいものが多い気がしたので、特にカテゴライズせず列挙します。

こんな人におすすめ:
・一風変わったインディゲームがやりたい
・アクションは苦手
・ダーク、またはシュールな雰囲気が好き
・ドット絵のアートが好き


VA-11 Hall-A: Cyberpunk Bartender Action

https://store.steampowered.com/app/447530/VA11_HallA_Cyberpunk_Bartender_Action/?l=japanese

超有名どころその①。インディADVの金字塔ともいえるかもしれない作品。
サイバーパンクという世界観、ピクセルアート、美しい音楽、センシティブ(性的であったり、精神的であったり)な話題にも臆せず言及していくシナリオなど、このゲームが道を開き、それに影響された後発のゲームは数知れずと思われます。

Doki Doki Literature Club

超有名どころその②。名作トラウマゲー。
ギャルゲーの皮を被っていますが、しっかりホラー、鬱要素満載。
「第四の壁」という概念をより広く世界のゲームユーザーに認知させたのはこのゲームなのかもしれません。
Switchなどにも対応しハードを選ばず遊べるようになった「Doki Doki Literature Club Plus」も存在しますが、個人的にはPCで遊ぶならやはり無印をやってほしい。無料ですし、ゲームの都合上、よりリアリティがあります。

The Red Strings Club

サイバーパンク的世界の中で展開される、人間とは、人生とは何か?を考えさせられるゲーム。バーテンダーアクション的なパート、謎解きっぽいパートもあります。
セーブをすることは出来ず、最終的なお話の運命もひとつに決まっています。だからこそ、どう選択するのか、を何度もやり直したくなってしまうゲーム。

There Is No Game: Wrong Dimension

ゲームの世界にメタ的に干渉できる、ゲームマスターの邪魔をできる、そんなことを楽しんでいるうちに、段々とストーリーに巻き込まれ没入していってしまう作りが秀逸。
まぁStanley Parable的なゲームなのかな?と軽い気持ちで始めていくと、思っていた以上にしっかりパズル要素もあってボリューム的にもかなり歯ごたえがあります。「ここがこう出来るのか!」という発想の転換に何度も度肝を抜かれました。

グノーシア

人狼をモチーフとしたSFビジュアルノベル。
とはいえ、人狼の仕組みがゲームシステムに分かりやすく落とし込まれた、あくまで人狼”ライク”なゲーム、という印象。
作品の本質はストーリーやキャラクターの背景にあり、ストーリー展開によって見ることが出来るCGもかなりの種類があり、イラストが美しくて見ごたえがあります。
人狼なので、時にはどのキャラクターも自分の敵に回るため、コイツこの野郎……!(怒)となる場合もありますが、それでも彼らの人物をストーリーを通して理解していく中で自然と愛着がわいてきます。

Zelle

そこそこホラー(びっくり)要素がありますが、オカルティックで独特な世界観はZelleならではです。
また、Xion氏によるサウンドトラックが本当に素晴らしいです。
いくつかアクションを要するパートがあるものの、基本的に相手の行動がワンパターンに決まっているので、もしゲームオーバーになっても、覚えれば突破できるというところも、戦闘苦手な人間にとって助かるシステムでした。
キャラクターも皆どこか愛着のわくデザイン・人柄で、また、ゲームシステム上の「視点」がゲームを進めるにつれて変わっていくのも斬新に感じました。

The Case of the Golden Idol

ある一族にまつわる凄惨な殺人事件、あるいは事故。その現場の状況や人物の発言、持ち物、文書などから得られる情報を探索し、手がかりとなるワードを集め、それを画面上の指定の位置に配置することで、文章や相関図を完成させ、事件の真相を暴いていく、高難易度推理ゲーム。
公式では日本語対応していませんが、Steamのレビューから辿れる非公式日本語パッチを当てることで、問題なく遊べます。
推理はかなり難しく、自分は海外のガイドページに何度もお世話になりました。ノーヒントクリアは出来なくても、探索をしながら少しずつ真相を見出していこうとする過程はやりがいがあり、また本作の鍵となる「黄金の像」にまつわる因縁、複数の登場人物同士の、時を超えた繋がりが見えてきた瞬間の感動はひとしおです。

The Cosmic Wheel Sisterhood

前述した「The Red Strings Club」の開発元である、Deconstructeamの2023年の新作です。
主人公はタロットカードを操り、占いによって未来を予見できる能力をもつ魔女。その力をもって、同じ魔女仲間たちの運命を占いながら、自らの運命をも切り開いていくこととなります。
パーツの組み合わせではあるものの、自分が扱うタロットカードをイチから自作することが出来る点が面白く、また、占いによって得られた結果はひとつではなく、実際に相手に伝える占い結果を選択肢から選ぶことが出来、選んだ伝え方のニュアンスによって相手の反応やストーリーが変化していくこともあります。
本作もやはり人間とは?人生とは?そして人の未来や運命とは?というテーマを深く考えさせられる内容になっています。
何よりビジュアルがめちゃくちゃ美麗です。登場する魔女たちも、分かりやすいアニメ的な可愛さではなく、それぞれの美しさを称えているのが素敵。

Endless Monday: Dreams and Deadlines

社畜状態(説明が難しいが、ある意味社内ニート状態ともいえる)の主人公が、先輩から任された週明けまでの大仕事をやり切るべく、休日返上、徹夜で頑張ろうとする。しかし、サボることもできちゃうので、選んだ行動によってはとんでもないことが起きたり起きなかったり。
とにかくキャラクターがとても可愛らしく、全編ネジがぶっ飛んでるお話かと思いきや、絶妙にぐっときてしまう場面も多く、現代人ならではの共感できる点が多いゲームです。

Milk inside a bag of milk inside a bag of milk / Milk outside a bag of milk outside a bag of milk

Milk inside~ → Milk outside の順で一応続編のため、まとめて紹介。
かなり狂気性、鬱要素の高いゲームです。
1作目はボリュームの小さめなノベルゲーム風、2作目は多少のポイント&クリック要素があります。
家庭環境あるいはその他の理由により、自己や周囲の認知が狂ってしまっていると思われる少女を中心とした物語……物語と呼ぶべきなのかも怪しいですが、その言動の破綻の数々にこちらも狂いそうになってくる、ギリギリの焦燥感を、薄暗いアートと共にどっぷりと楽しめる作品です。

Hotel Sowls

独特だけどなんかちょっとかわいいのっぺりしたキャラクター達の織り成す、ホラーミステリー風味なアドベンチャーゲーム。
点描っぽいタッチの背景グラフィックには不気味さがありますが、その上を動く登場人物たちはお餅みたいで、ゆるキャラ感満載。そして、発言が結構アグレッシブなキャラクターが多いので、ちょうど良い具合にシュールで怖すぎない雰囲気が生まれています。
遊んだのがだいぶ前なので朧げですが、シナリオや謎解きもなかなか面白かった記憶です。

ファミレスを享受せよ

気が付けばファミレスの中に閉じ込められていた。
同じように閉じ込められているほかの住人たちはみな淡々としているが、なにかを隠しているような気がする。
「月」や「夜」の雰囲気を感じさせる、色数の徹底的に絞られたアートと静謐なストーリーが素晴らしいと思いました。

Broken Reality

一連のおすすめの中で、これだけ結構アクション要素があります。
いわゆるvaporwave(ベイパーウェーブ)の世界。ローポリ感のある空間は、あくまでもvaporwave的な表現手法であり、手抜きではなく、むしろ作り込まれています。
探索系のアクションパズル/アドベンチャーゲームで、とにかくこのあやしい世界に浸って歩いてみたいと感じられたらおすすめです。
広告にいいね!したり、スパムを刀で斬ったり、写真を撮ったり、ワープしたり、フックショットみたいな能力でいろいろなところに飛び移ったり、いろんなことが出来て楽しい。
日本語には対応していないものの、文章を読み解かないと進めないものはほとんどなかったように思います。ただし、後半に行けばいくほど、どう進めたらいいかアクション的にもパズル的にも詰まりやすい箇所が増えるので、自分はYouTubeにあがっている海外の方のplaythrough動画を参考にしました。

最後に(補足や蛇足)

・具体的なゲームの概要や説明は、Steamページおよびレビューをさらに参考にしていただくと、より購入後のミスマッチを防げると思います。

・どれも雰囲気、ストーリー、キャラクターの独特さ重視のチョイス(+筆者の好みチョイス)なので、ゲーム性あるいは遊びやすさ、コストパフォーマンスをより強く求める方には向かないものもあるかもしれません。逆に、挙げているうちの一個でもハマれば他も大体ハマれるかもしれません。

・紹介したゲームの開発元の次回作が今年以降色々予定されているのでとても楽しみにしています。いくつかSteamページを貼っておきます。ぜひウィッシュリストに加えていただけたら幸いです。

・紹介したゲームとは関係ないけど、今後リリース予定で気になっているゲームのSteamページも載せておきます。