The Amazing Digital Circusで永遠に終わらない夢の世界に行こう!
賛否はあるのかもしれないのですが、私は好きすぎて1日1回見ないと気がすまなくなってしまったので久しぶりに記事を書いています。
The Amazing Digital CIRCUS(アメイジング・デジタル・サーカス)
今年10月にYouTubeで公開された、約25分間のアニメーション作品です。現在は1話(“PILOT”)のみが公開中。
アメリカのYouTubeアニメーター/コンポーザーのGooseworxが原案・ディレクション・キャラクターデザイン等をトータルで担当し、アニメーションはオーストラリアのアニメ制作会社GLITCH Productionsが制作をおこなっています。
「変なヘッドセット」を頭につけたら、気がつくと不思議なサーカスの世界に入り込み、かわいいピエロの姿になってしまった女性、ポムニ(POMNI)。
このポムニという名前すら、デジタルサーカスの世界で与えられたもの。
彼女は自分の本当の名前を忘れてしまっていたのです。
サーカスの世界で現れるポムニの仲間(?)たちはみなユニークで、うさぎだったりチェスだったりお人形だったり、バブルだったりお面だったり、見たことのあるようで見たことのない、皆キュートでユーモラスなキャラクターで見ていて可笑しいです。
お話の内容は最初は掴みどころがないですが、だんだんとダークな雰囲気を見せはじめます。
帰りたいのに帰れない。サーカスのゲームマスター・ケインから与えられるミッションも、自分たちが発狂しないように、日々をごまかすために続けているだけなのではないか……なんだか忙しさに飲み込まれてしまう現代人の悩みにも通ずるところがあります。
また、最近流行しているゲームやコンテンツ、独特なゲーム性や世界観が高く評価された作品にインスパイアされた要素(Backrooms, Poppy Playtime, The Stanley Parable, There is No Game, Bendy and the Ink Machine……などなど)も色々感じられ、そういったところも人気が出ている理由なのかもしれません。
その後の展開や詳細はぜひ本編を見て、良い意味で頭に全然入ってこないセリフの数々も含めて、これってどういうことなんだろう?と想像を膨らませてほしいのですが、
一点、視聴の仕方としては、
「英語音声+日本語字幕」で一度見てから、「英語音声+英語字幕」でもう一度見直すのを個人的におすすめします。
その理由としては下記。
・日本語訳が全体的にちょっと甘い。意味は通っているし問題はないのですが、英語と見比べるとちょっとニュアンスが違わないかな……?と感じるところがあります。
例えば序盤の
が
と訳されているのですが、特に2文目が正直元の文を読んだときに日本語ほどのニュアンスを感じません。原文では発言者はもっとそのままの意味で言ってる(それこそ「空気みたいなもんだから諦めな」くらいの)ように思うのですが、「役に立つ」という訳がミスリードを生んでる印象があります(「永遠に取れないって意味でね」という皮肉と取る手もありますが)。
むしろ英語側の「worked」の過去形とか気になりますね。
・キャラクターのリップシンクや動きといった映像的なところは英語が基準になっているので、日本語音声で聞くとそこのズレや間などが気になってあまり没入できない可能性があります。
もちろん日本語版の声優の方々、そして他の言語の声優の方々も、よくぞここまで合う人を揃えてくださった!というくらい解釈一致なので、逆に切り替えて楽しむのも一興です。YouTubeで公開されてるのってこういうところがお手軽でいいですね。
とはいえ初回は、リスニング含めて英語がわかる方は、はじめから全部英語で見るほうがいいのではないかなと思います。
ということで、是非見て下さい。(雑!)
※以下は雑多な感想かつネタバレ、想像を含みます。ご注意ください。
好きなキャラ
全員好きなんですが、やっぱりジャックス(Jax)。
一言多くて、イヤなヤツって感じではあるのですが、そこまで悪い感情だけで行動している感じもあんまりしなくて、よく考えるとむしろ、皆の行動を後押ししてるのは彼なのでは?と思う。
グローインクに殴られたら不貞腐れてみんなに指示しだすところとか真面目で可愛いし、ボーリング玉投げてギャングルとキンガーを落とした後、自分もちゃんと穴に飛び込んで追いかけてくれるところとか、普通に偉い!(贔屓目)
ほんとはめちゃくちゃ寂しいからああいう行動をするんじゃないか、っていう考察をしてた海外の方が複数いらっしゃるのですが、もし今後の展開で闇落ちジャックスが出てきたらテンション爆上がります。
デジタルサーカスとは何なのか?
まだ1話しか公開されていませんので、この先に公開される内容で大きく考察が変わってきそうです。
シンプルに考えつきそうな考察は「現実世界にいた人たちが何らかの理由で、H×Hのグリードアイランドみたいなゲームに閉じ込められて逃げられなくなっている」という感じですが、正直ほんとにそうなの?って感じが個人的にはしてます。
当たらなかったら(or すでにインタビューや英語記事で否定されてる要素があるならば)笑い飛ばしてもらえればと思うのですが、
私は「"元の世界"のポムニたちすら人間ではないのではないか」と想像してます。
つまりデジタルサーカスはゲーム内にあるゲーム、みたいな感じです。
ポムニたちはそのゲームの中でスマブラのキャラみたいに、選択可能なアバターとして操作出来るキャラクターで、かつある程度のAI的な知能や人格がベースに組み込まれているけれど、プレイヤーが不在のため、不完全な状態でその世界で生き続けることを強いられている、みたいな感じなのでは……と想像しました(あくまでも想像です)。
もちろんそれらアバターを動かす、ゲームにジョインさせるために、何らかの外部要因は必要なのだと思われます。それが「変なヘッドセットの装着」なのかもしれません。ただ、それが実世界におけるトリガーなのかがあんまりピンと来ていません。
バグが多くて完成してないゲーム、という考察も拝見しましたが、これは非常に当たってそうだなあと思います。
というのも、このサーカス、いかにもゲームっぽい雰囲気を纏いまくっているのに、「中で起きていることはプレイヤーのことを全然想定していない」。
カメラワークでなんとなくこちら側(第四の壁)をJaxが見ていたように見えるシーンはありますが、グローインクの冒険はかなりポムニたちの意思で行動を選択してるように見えるし、なんというかそこに"神"的な存在は1話時点では全然見えてこない。
つまり、プレイヤーは今も居なくて、発売をすることなくお蔵になったゲームで、現存するデータだけでテストマシンの中で動き続けている世界、というのは割とある気がします。
終盤に出てくるPC、すごく古そうだからネットにも繋がってなさそうだし。
などなど思いつつ、この作品における現実世界やゲーム世界の定義がまだ全然分からない以上、いくらでもどんでん返しがありそうだなーと思います。
こういったことをずっと考えられるので面白いな〜と思います!
インスパイア要素について
こんなところにこの作品へのリスペクトを感じた、というところをメモっておきます。元ネタというほどでもないように思います。個人的には、どれも大好きな世界観なのでポジティブに嬉しかったです。
・Backrooms
後半の無限に続くオフィスの部屋はまさにこれを彷彿とさせました。
・Poppy Playtime
色の感じとかおもちゃっぽいキャラクターが動くところとか、そこはかとない狂気があるところとか。
・The Stanley Parable, There is No Game
ゲームマスターに干渉出来たり言う事聞かなくてもよかったり、ゲームマスターすらバグったりするところ。There is〜はバグが敵として出てくるので、そのあたりも。あと、無限オフィスもちょっとStanley Parableに似たものを感じますね。
・Bendy and the Ink Machine
JaxちょっとBendyに似てる顔のときあるよね。かわいい
・パプリカ(追記)
廊下走って世界が歪んでいくシーン。
あとは言わずもがななので冒頭で挙げませんでしたが、Toby Foxの作品(Undertale, Deltarune)にもインスパイアを感じました。共通しているのは、最初「何いってんだこいつら……」と思うのに、気がつくとどのキャラもすごく愛おしくなっていること。
見た目は変わってる人たちばかりなのに、何を考えているのか知りたくなる、友達になってみたくなる人間的な魅力を持っている。キャラにすごく血が通っている感じがします。
とりとめがなくなりましたが、一旦ここで筆を置きます。
もしこの記事を見つけてくださった方がいましたら、みなさんの考えも聞かせて下さい。