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【食べる】糸島のスーパーは安いのか

先日シェアオフィスの入居者さんたちと昼ごはんを食べながら「結局福岡に来ても、スーパーで買い物すると別に安くなくないですか?」「伊都菜彩で買い物すると、お肉とかブランド肉しかないし」という話になりました。

いや、そりゃそーですよ!

じゃあちょっと真面目な話を先にすると、日本の食品流通ってすごく大雑把に言うと「東京にいちばん都合がいいようにできている」わけですよね。いやこれは東京Disとかじゃなくて、東京&首都圏という超大消費地に最適化するのはむしろ当然のことであって。だから地方で東京と同じ買い物をしてたら当然高コストになるんです。

せっかくなので例を挙げましょう。

ねぎ、ほうれんそう、だいこん、にんじん、さやいんげん、えだまめ、かぶ、しゅんぎく、マッシュルーム、みつば、落花生、日本なし

これ、何だかわかります?わかった人は優秀な千葉県民です。そう、これらの野菜と果物は、千葉県が日本一の生産高を誇っているものです(出典:千葉県公式webサイト)。千葉県をはじめとした関東圏の野菜産地って、東京に持っていくために作ってるわけで、そりゃーこういうものを東京で買えば安い。もし安くないんだとしたら、それは何か別の問題があるのでしょう。

さて、糸島(のうちの近所)にはスーパーが3つあります。

サニー:西友系。西友のPBが充実している。冷凍食品がガッツリ揃う。ウォルマートの恩恵はあんま感じない。24H営業。新しくできた駅のすぐ近く。

マックスバリュ:イオン系。イオンのPBが充実している。品揃え充実。店内にベーカリーがあっておいしいパンがある。24H営業。

フードウェイ:地方系。地元産の魚とか野菜とかが多い。営業時間は10時~21時。コストコの商品を売ろうとして失敗した。となりに100均とか書店とかすき家とかガストがある。

うちの買い物&食事担当であるところの僕が一番使うのはフードウェイです。なぜか。それは安く使う方法を知っているから、そして福岡で食べられているものを買ってるからなんです。

安く使う方法ですが、例えば毎週月曜日は全品10%引き、火曜日の夕方4時以降は鶏むね肉グラム48円、木曜日の夕方は海鮮丼298円……。まあこういう情報がインプットされているので、安く買い物できるわけなんですよ。あと、フードウェイはもともと精肉店にルーツがあるので、肉の質と値段がいいんですよね。

「福岡で食べられているもの」ですが、「東京と同じ買い物をしてたら高コストに」という話につながります。実は東京の消費者と福岡の消費者は違うものを食べます。え?知ってる?いやいや、あなた福岡の人はほうれん草そんなに食べないって知ってます?だから高いんですよ。ちなみに小松菜はバカ安です。あと、福岡の人はマグロもそんなに食べません。代わりにブリを食うんですよ。お雑煮にもブリ入ってるし、歳末の贈答では新巻鮭じゃなくてブリの尾頭付きが飛び交いますからね。あ、そういう事情なので鮭も高いです。

そして、サニーとマックスバリュのラインナップは首都圏寄りです。いや、もちろん仕入れは地方や店舗によりますよ、もちろん。でも、本来大規模な小売チェーンってサプライを統合することによるスケールメリットが狙いじゃないですか。その影響は排除しきれないと思うんですよね。

最近は九州でも関東の野菜を売ってることはありますよ。群馬のキャベツとか長野のレタスとかあります。でも、このへんがお高くなるのはわかりますよね?ガソリン代も冷蔵コンテナ代も上乗せされるし。しかも、ざっくり4000万人いる首都圏人口に比べ、福岡は全県挙げても500万人。すけーるでは勝負になりませんから、輸送に手間暇がかかればかかるほど高くなるわけですよ。

ということで、すごく大雑把にいうと「郷に入っては郷に従え」、つまり「福岡では福岡人のように買い物せよ」というのが冒頭のおはなしへの答えになります。地産地消という美辞麗句もまことに結構ですが、要はその土地土地で安く出回ってるものが基本的にはおいしいし、その土地の生活様式にも合っているわけですよ。書き忘れてた例え話をここに押し込みますが、「シンガポールには高島屋も伊勢丹も紀伊国屋もあるけど、そこだけで買い物して日本と同じ食生活しようとしたらカードの請求額はどうなりますか……?」ということですよ。ホーカーに行ってバクテーに油条突っ込んで食え、これが今日の結論です。

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