滋味礼讃 60 炭酸水
本日のお題は『炭酸水』です。
よく名を知られている『ペリエ』はヘミングウェイの作品にも登場しますし、名探偵ポワロがオリエント急行に乗ったときに車掌に注文したのがペリエの小瓶でした。
私は味も甘みもついていない炭酸水が大好きです。ときにはライムやレモンなどフレーバーつきを飲むこともありますが、甘さはないのをひたすら飲んでいます。
数年前まで炭酸水というものは甘みがなければ飲めなかった私。スカッとしたいけどお腹が膨れてしまうし、ビールだと酔っ払ってその後何もできなくなる。というわけで、甘い炭酸飲料を飲んで夕食を食べずに満足していた時期が数週間ありました。その結果……5kg太りました。お、恐るべし!
そのとき、ふと気がついたことがあります。
それは私は単に炭酸による「くわぁ~!」というあのスカッとしたビールの一口目みたいな爽快感が好きなだけだということ。そして今まで敬遠していた甘みのない炭酸水を飲んでみたら不思議と「美味い」と思えてしまい、それ以来、いつも甘みはゼロです。
それだもの、ハイボールも好きですよねぇ。トニックで割るハイボールのほうが好きではありますが。自家製の梅シロップを作ったときには炭酸水で割って飲んだりもしました。
妊娠してつわりで食欲がないときなど、炭酸水には助けられました。それにお酒を飲みたい鬱憤も晴らしてもらいました。
仕事でストレスをためたとき、でもやらなきゃいけないことが沢山あって酒に逃げていられないとき、炭酸水が必ず私の手元にありました。
今では生活の一部として馴染んでいますが、私にとっては苦しいときも楽しいときもそこにあったのです。自分の毎日に溶け込むものというのは、普段は意識しないけれど意識してみると私らしいのかもしれないと不思議な感覚を抱くものだと思います。
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