滋味礼讃 30 カトルカール
『カトルカール』とはフランス語で4/4という意味のケーキです。
卵、小麦粉、砂糖、バターをそれぞれ同じ分量ずつ使って焼くことからそう呼ばれているそうな。
つまり、『パウンドケーキ』と同じ。パウンドはこれら4つの材料をそれぞれ1ポンド(約453g)ずつ使って焼くことからついた名前です。
この四等分したレシピで焼くこのケーキは素朴ながら手が止まらない味なのです。しかも保存もききます。
で、一番心躍るのは焼きたても美味しいんですが、少し時間を置いた方が味が馴染むらしく、更に美味しくなるということ!
すぐにでも食べたくなるのをじっとこらえて、ようやく口に出来るしっとりした美味しさ。その『待つ』ということも大きなスパイスですね。
なにせ材料を覚えるのが簡単ですから、お子さんと作ったりするのも楽しそう。レモンで風味をつけることが多いみたいですね。
私が小学生の頃、母はお菓子を買わない主義の人でした。時折、大学芋や食パンの耳を揚げて砂糖をまぶしたものを作ってくれたくらいです。
洋菓子が欲しければ作るしかない。というわけでクッキーなどを自分で作るようになったわけですが、このカトルカールもずいぶん作りました。
家庭の味というより、修行の味ですが、とても懐かしい味ではあります。きっと、一緒に食べてくれた母にとってもそうかもしれません。
次回里帰りしたら作って母とお茶を飲みながら楽しみたいなと思います。
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