見出し画像

スタバの1杯のドリンクに救われた話

昨日の出来事。
メイク学校の午前のレッスンの予約に合わせて朝6時半にアラームが鳴る。
眠い。寒い。起きたくない動きたくない。一瞬レッスンをキャンセルしようかと頭を過ったけれど、出先で予約していたCDの受け取りがあることを思い出しのろのろと動き出す。

いざ支度をしてメイク道具をカートに乗せてコロコロと転がせて電車に乗る。何となく憂欝な億劫な気分がずっと続いている。
冬の冷たい空気がそうさせたのか、学校への道のりが以前の職場と同じだということを思い出し溜息混じりに苦い記憶が蘇る。
ちょうど4年前の2018年1月、勤務先から不当な出勤停止を1ヶ月に渡って強いられ自主退職に追いやられた、その職場の通勤路とまったく同じ道のり。
そんなブラックな職場さっさと縁が切れてラッキーだし、トラウマのように引きずっていることは全くもって無い。それでもパワハラにあたる大人気ない幼稚な職場いじめを受けたこと、こちらの意思を一切無視した休職を強いられ持病の症状に関してこれまでの人生の中でも屈指の屈辱的な差別を受けたことの数々は淡々とした事実として記憶に残っている。
さらに昨日に限っては休職を巡っての保健師や産業医との忌々しい不毛なやり取りの記憶が鮮明に思い出された。今までそんなことすっかり忘れていたというのに自分の記憶力の良さに苦笑する。

何だか不穏などんよりとした朝だなぁ。
このままレッスンを受けても身が入らないだろうなとぼんやりと思う。どうしたものかと逡巡し道中のスターバックス(以下スタバ)のお店に立ち寄って気分転換を図ることにした。
店内に足を踏み入れると外気ですっかり冷え込んでいた身体がほっとする。店員さんの「おはようございます」という挨拶に「おはようございます」と返し、そうかスタバの挨拶は時間帯によって違っていたんだっけと思い出す。昔10年前、学生時代は週3,4回は通うヘビーユーザーだったのが、最近はすっかり足が遠のいていた。自分で淹れるハンドドリップコーヒーの美味しさに目覚め、最近は専らエコでお財布にも優しいマイボトルでコーヒーを持ち歩くようになったのが大きな理由。スタバは贅沢勿体ないと思うようになった今日この頃だけどこの日ばかりは自分を甘やかすことにする。
学生時代もよく飲んでいたほうじ茶ティーラテにしようかと思いメニューに目を向けると何だかティーラテメニューが充実している。凄い。店員さんに違いを尋ね、甘さがより楽しめるほうじ茶&クラシックティーラテを初めて注文してみた。

バーカウンターでにこやかで感じの良い「ごゆっくりどうぞ」の言葉とともに手渡されたドリンク、定型の挨拶1つとってもこの日の自分にはもの凄く染みるありがたい。朝の店内を空いていてのんびりとしている。大きな荷物を下ろして席に座る。やれやれ一息だと思いながら、一口飲んだドリンクのその温かさで一気に気持ちが和み自然と小さな笑みが浮かんだ。寒い日に外で頂く温かいものの有難さといったらない。飲み物1つでこんなに気分が変わるものかとささやかな幸せに小さな感動を覚える。

美味しいものを食べた時、美しい風景を目にした時、映画を観た後の充実感、日常の中で何気なく訪れる瞬間に幸せを感じることをうれしく思う。劇的なことが起きなくてもほんの少しのことで人は変われるのだ。

スタバのお店を出る頃にはすっかり晴れやかな前向きな気分になっていた。
接客してくれた店員さんに「ご馳走様です。美味しかったです」と声をかけたけれど作業中で届かなかったようで残念。感謝の気持ちをせめてもnoteに記して供養。

居心地が良くてついつい長居してしまった。
レッスンに遅刻してしまうと足早に学校へ向かい、感慨に浸る間もなく元職場の前は軽やかに通り過ぎて行った。

この記事が参加している募集

私のコーヒー時間

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?