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絵本「おには うち!」の評価

評価

娘:☆☆☆
ママ:☆☆☆


読んだ目的/きっかけ

季節ものの絵本に私が飽きてしまっている今日この頃ですが、年中行事は季節とともに変わっていくのでありがたいです。「節分」という新しい行事に対しては、(やや)新しい気持ちで臨むことができています。

1月に入り、「節分の絵本を全く読まないのも違うな」と思ったため、絵本ナビで節分の絵本を探してみました。絵本ナビの「節分・おにの絵本」で良さそうな絵本を探したところ、本絵本のシンプルな表紙に目がとまりました。絵本ナビで見たところ、60人ほどの人が読んでいて、評価も良かったため、読んでみることにしました。なお、上記特集に載っている「ないたあかおに」は私が子どものころから持っている絵本で、娘もすでに何回も読んでいます。


ママの感想

絵本が手元に届いて初めて気づいたのですが、本絵本は先日読んだ「あけましておめでとう」と同じシリーズのものでした。それに気づいて、少し心配になりましたが… 本絵本は「あけましておめでとう」とは異なり、ストーリーもきちんとあり、内容的にもとても良い絵本でした。

園庭に遊びにきていた「にお」くん。先生に誘われて一緒に野球をして遊びます。その野球で素晴らしい運動神経を披露したにおくんですが、豆まきをする場面ではいなくなってしまいます…

なぜ「豆まきをするのか」といった説明もあり、年少児の娘が節分を理解し、かつ、「鬼」について考えることのできる良い絵本だったと思います。
「あけましておめでとう」はいまいちでしたが、本シリーズの他の絵本も読んでみたいと思わされる絵本でした。そして、別の絵本を読んでみたいと思います。


子どもとはなす:におくん

1回目に読んだ際には特段何も言わなかった娘ですが、2回目に読んだ際、「『におくん』って『おに』の反対だね」と自分から話してくれました。

本絵本は節分のお話で、「におくん」が鬼であるということは園長先生の前だけでこっそり明かされます。当然、著者は意図をして彼に「にお」という名前をつけたのだと思います。

登場人物の名前に著者の「意図」が込められている絵本はこれまで読んでいなかった気がするので… 娘が自主的にしっかり読み取ってくれて良かったと思うとともに、「名前に著者の意図が込められていることがある」ことを感じる経験ができた(と思われる)ので良かったです。

子どもとはなす:におくんの気持ち

幼稚園のお友だちと野球をしていたにおくんですが、先生の「お部屋に入ってください、豆まきをしますよー」という台詞に目を大きく開き、「あっ」という口をします。当該ページで、娘が「におくん、『あっ』って口をしてるね」と言って真似をしてくれました。

これはチャンスです。「どうしてにおくんは『あっ』って口をしているんだと思う?」という私が質問をしてみると、娘は「何でだろう?」と答えました。こういうとき、娘がどこまでわかっていて、どこからわかっていないのか、なかなか判断が難しいです。

「におくんって本当は何なんだっけ?」と私が聞くと「鬼」と答えた娘。
「先生が豆まきするって言ってるよ」と言うと、娘は「あっ」とにおくんと同じ顔をしてくれました。
娘もわかったようです。

せっかくなので、もう少し話を続けてみました。
「この時のにおくん、どんな気持ちかな?」
私の質問に、「悲しいと思う」と娘は答えてくれました。

子どもとはなす:豆まきについて考える

上記のやり取りとこの先の展開を踏まえ、「におくん、鬼だから『鬼は外』ってされちゃうね」と私が言った後、次のページをめくると… 「節分だから豆まきをしましょう」という先生に「何で鬼に豆をぶつけるの?」という子どもの質問が続きます。同じ質問を娘にしてみました。すると娘は、本絵本の展開を知ってか知らずか、「悪いことをしたからじゃない?」と答えてくれました。

「におくんは悪いことしたの?」
「してないよ」
「でも、におくんも鬼だから豆を投げられちゃうよ」
「でも、におくん、人間っぽいじゃない、足があるし」
ちょうど開いていたページに描かれていた鬼が上半身だけしか描かれていなかったためか、娘が謎の理屈を持ち出してきました。
「この絵には描かれていないけど、鬼にも足があるよ。じゃないと、『鬼のパンツ』がはけないでしょ?」
「でも、におくんは人間っぽいよ」
「人間っぽいと豆を投げられないの?」
「だって、悪いことしてないじゃない?」

筋は通っていませんが、私の問いかけに娘が一生懸命考えて、あきらめることなく自分の意見を言ってくれました。「自分で考えること」に意味があると私は思っているため、良いやりとりができたと思っています。

そして、あんまり詰めてしまっても娘がかわいそうなので、「今から読む先生の説明を聞いていてね」と絵本の続きを読み進めました。本絵本では、ここで「節分(豆まき)」の由来の説明があります。

本絵本は、娘と話をするのにちょうど良い物語の展開で、とても扱いやすかったです。たまたまかもしれませんが、この点もとてもよかった絵本です。


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