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絵本「ありこのおつかい」の紹介と評価

評価

娘:☆
ママ:☆


読んだ目的/きっかけ

福音館書店の「日本傑作絵本」のページで本絵本を見つけました。本絵本を上記ページで見かけたとき、「何か気になり」ました。そのときは、「何か気になった」理由はまったく思い浮かばなかったのですが、とにかく気になって胸がワサワサする感じがしました。そのため、読んでみることにしました。


ママの感想

本絵本の不思議な丸が重なった絵を見た途端、「この絵本、私、子どものころに持ってた!」と思い出しました。そして、本絵本があまり好きではなかったことも思い出しました… 今回、本絵本を「大人になって改めて読んでみる」ことになりましたが、私にとっては昔と変わらず、それほど好きだと思えないお話でした。「読んだ目的/きっかけ」に記載した、私が本絵本を目にしたとき「何か気になった」理由は、「過去に自分が持っていた絵本」だったことだと思われます。

本絵本では、お母さんに頼まれてありの「ありこ」がおつかいにでかけます。お母さんに「道草をしないように」と言われたありこですが、出発して早々に道草をはじめます。そして、間違えてカマキリの足を引っ張ってしまったことから、カマキリに食べられてしまいます。カマキリに食べられたことに納得できないありこは、カマキリのお腹の中で「バカ、バカ」と騒ぎます。すると、ありこの声を自分に向けられたものと勘違いしたムクドリが、怒ってカマキリを飲み込んでしまいます。そして、ムクドリはヤマネコに飲み込まれ、と順々により大きな動物に飲み込まれるという連鎖が続きます。

上述のとおり、本絵本は私が苦手な「一定のパターンの繰り返し」が中心のお話でした。そして、上から目線で恐縮ですが、内容も比較的単調で、私はおもしろいとは思えませんでした。この手のパターンの絵本を楽しむ読み方、理解の仕方などを教えてもらいたいです…

私の上述のような気持ちが娘に伝わってしまったのか、娘も「はいはい」という感じで本絵本を聞いていました… それほどおもしろくなかったのか、集中して聞いている感じではありませんでした。

本絵本の表紙を見たときに、私の子どものころの記憶が蘇っていたら、本絵本を読まなかったような気がしなくもありませんが… 「大人になったらまた違う感想を持つかもしれない」と考え、結局のところ、私は本絵本を読むことにしたのだと思います。子どものころとあまり変わらない感想を抱いた本絵本に、逆に笑ってしまいました。本絵本は、娘も子どものころの私も、そして、大人の私もいまいちはまらない絵本でした。

子どもとはなす:何の絵?

本絵本の魅力を減じていることの一つに、前半の「一定のパターンの繰り返し」部分に、不思議な絵が描かれていることがあると思います。最初は、一番小さな赤い丸のまわりに薄黄色、白(空白?)、黒の丸が描かれた絵(=以下、「1つ目の絵」)。次は、上記「1つ目の絵」の外側に黄緑色の丸が描かれます(=以下、「2つ目の絵」)。このように、誰かが誰かに飲み込まれるたびに、外側に丸の絵が増えていきます。本絵本を2回目に読んだ際、娘が、1つ目の絵を見て、「ママ、これって目?」と聞いてくれました。

「娘ちゃんは、これ、目だと思う?」
「うん…」
娘は自信なさそうに答えました。
「ママもよくわからないんだよね。とりあえず、次に進んでみようか」

そう言って絵本を読み進めたところ、カマキリがムクドリに飲み込まれた場面で、「2つ目の絵」が出てきました。

その絵を見た娘が、「これは、カマキリ?」と外側の黄緑色の丸の部分を指さして言いました。
「そうすると、真ん中の部分は?」
「ありこ?」
「そうかもしれないね。次のムクドリさんが食べられちゃうところで確認してみようか」

ムクドリがヤマネコに食べられた場面でも、同じように丸が増えました。
娘の推測が「正しい」ことを一緒に確認しました。上記内容については、1回目に読んだ際、私は何となく気がついていました。ただ、だからと言って、なぜ丸が重ねられることで食べられたことが表現されるのか、そもそも丸が重なった絵がどのような状態を表現しているのか、とにかくこの「絵」のすべてがよくわからず… 「趣旨はわかる、でもやっぱりよくわからない」というすっきりしない絵だと思っていました。

上述のような「よくわからない絵」についての娘の解釈が私と同じということは、娘がしっかりと「推測する」ということができたことになるため良いことなのですが… うーん… 本絵本は「もやもや」が多い絵本だと改めて思いました。


ことば:道草

物語の冒頭、ありこはお母さんにおつかいを頼まれます。その際、「道草を食わずに、まっすぐ行って、まっすぐ帰ってくるんですよ」と言われます。「道草」は本絵本のキーワードでもあるため、娘に確認をしてみることにしました。

「娘ちゃん、『道草』って知ってる?」
「知らない」
「このあと、ありこはまっすぐおばあちゃんのところへ行ったんだっけ?」
「行ってない」
「じゃあ、行かないで何をしてたんだっけ?」

私の質問に娘が「何だっけ?」という顔をしたので、次のページへと読み進めることにしました。次のページで、ありこは花を摘んだり草をちぎったりしています。当該場面で娘に、「目的地にまっすぐ行かないで、本来やる必要のないこと、お花を摘んだり草をちぎったりすることを『道草』って言うんだよ」と説明をしました。そして、娘には「ママが幼稚園から道草をしないで帰るよって言ったのに、娘ちゃんが『スーパーに寄りたい』とか『公園に寄りたい』って言って、寄り道をしたらそれが道草だよ」と伝えてみました。後者の説明は娘によく伝わったように感じました。


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