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絵本「じっちょりんのあるくみち」の紹介と評価

評価

娘:☆☆
ママ:☆☆☆


読んだ目的/きっかけ

本絵本は、絵本ナビの「3歳向け絵本 絵本ナビ編集部おすすめ」ページで見つけました。絵本ナビの本絵本のページに書かれた「出版社からの内容紹介」によると、「よくわからない生き物であるじっちょりん」が「花の種を植えて歩いている」お話のようでした。春が待ち遠しい今日この頃、「何だか素敵なお話な気がする」と思い、読んでみることにしました。


ママの感想

期待していたとおり、私にとってはとても素敵なお話でした。「じっちょりん」という生き物が実在するとは思ってはいませんが、本絵本を読んで以来、アスファルトの隙間に咲いている花を見ると「じっちょりんだな」と「ふっ」と微笑ましい気持ちになります。しかしながら、「大人が気に入る絵本を子どもが気に入るとは限らない」という「あるある」で娘は私ほどには本絵本を気に入っていないようでした。

妖精なのか何なのか、不思議な生き物の「じっちょりん」。じっちょりんの家族は、いわゆる「雑草」の種を集めて、集めた種を人間に隠れてこっそりまいてくれています。

本絵本には、たくさんのお花が出てきます。娘と公園で「これ、じっちょりんに出てきたね」と話しながら、なずな、からすのえんどう、ほとけのざ、おおいぬのふぐりを見つけることができました。まだ見つけられていないお花は、私が随時目を光らして探しています。「絵本で見たお花を探す」という、これまでにはなかった「公園の楽しみ方」が娘と私に増えました。

また、道に咲いている花の話を娘としているとき、「じっちょりんかな?」と私が言い、「そうだと思う」、「でも、本当にじっちょりんっているの?」、「いないけど、いるの」というような娘との会話を楽しんでいます。

上述のとおり、「じっちょりん」は娘と私の日常生活のなかにすっと入ってきてすでにしっかり根付いています。そんな実生活への馴染みやすさも本絵本の魅力の一つだと思います。来年もこの時期にぜひまた読みたい、素敵な絵本でした。

子どもとはなす:じっちょりんは何?

2回目に本絵本を読み終わったところで、娘と一緒に「じっちょりん」について考えてみることにしました。

「娘ちゃん、じっちょりんって何してた?」
「植えてたよー」
「何を?」
「お花」
「お花じゃなくてお花の何?」
「葉っぱ?」
「葉っぱは植えないでしょ?」
「種だ!」
「そうそう。じっちょりんはいろいろなところに、お花の『種』を『まいて』くれていたんだよね。じっちょりんってどんな生き物、何の生き物なんだと思う?」
「アリ?」
「アリさんだった?」

娘は、自分で言った「アリ」という答えに納得はしていないようで、私の問いかけに「思案中」という表情をしていました。

「アリさんってお花の種を埋めてくれたっけ?」
「やらない」
「じゃあ、何かな?」
「……」

娘がこれ以上、自分で言葉を紡ぐことは難しいと感じたため、私から助け舟を出してみることにしました。

「ママはじっちょりんは『妖精さんかな?』って思ったんだけど、どう?」
「えー、魔法を使わないから違うよ!」

私は本気でじっちょりんは「妖精のような存在」だと思っていたので、娘からの反論に驚いてしまいました。娘にとって妖精はティンカーベルやソフィアちゃんに出てくる「先生」がイメージのようです。そうすると、たしかに、妖精は魔法を使うことが条件となり、私の「じっちょりん=妖精」論は引っ込めざるを得ませんでした。。

仕方なく、「じゃあ、じっちょりんは『不思議な生き物』っていうことかな?」と話してみると「そう思う」と娘が答えてくれました。娘にとっては、じっちょりんが「何者か」を特定しない「不思議な生き物」という結論が一番腑に落ちたようです。私は今でも「じっちょりんは妖精のようなもの」だと思っていますが…

娘の妖精に対する考え方を知ることができたりと、思ってもみないところで楽しませてもらった娘とのやりとりでした。


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