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絵本「おひさまパン」の評価

評価

娘:☆☆
ママ:☆☆


○読んだ目的/きっかけ
久しぶりに「知育 at Home」さんの「≪3歳児~4歳児≫おすすめ絵本100まとめ」を拝見しました。当該ページに掲載されている絵本には、まだ読んだことがないものがそれなりにあるので、絵本選びに困っている昨今、大変助かっています。当該ページを斜め読んでいた際、本絵本のかわいらしい表紙に目がとまりました。絵本ナビによると、本絵本は江國香織さんが訳されていて、100人以上の人が読んでいたため、評価はそこまで高くはありませんでしたが、読んでみることにしました。


ママの感想

詩を読んでいるような、絵画を見ているような気分になる不思議な絵本でした。江國さんが訳した言葉がとてもきれいだったこと、暗い雰囲気の街から明るい世界まで振り幅の大きい「絵本の世界」がとても美しい絵で描かれていたことなどが、私が上述のように感じた理由でしょうか。

おひさまが隠れてしまい、寒く天気の悪い日が続く街。動物たちは家の中で退屈で険悪な時間を過ごしています。そこで、犬のパン屋さんは「おひさまパン」をつくることにしました。パン屋さんがおひさまパンをつくっていると、不思議な力が働いて、美しくキラキラ輝く大きなおひさまパンができあがります。そのおいしそうな匂いにつられて、動物たちが集まってきます。
すると、いつの間にかおひさまも顔を出してくれます。

本絵本の概要は上述の内容で良いのだと思っています。思ってはいますがどこか違うような… はじめて本絵本を読んだ際、私は単純に、冬が終わり春が来た喜びが描かれていて、その「春」が来ることにおひさまパンが貢献したのかと思いましたが、それは少し違うようです… 本絵本のストーリーは、わかるようでよくわからない、そのような印象がありました。このような点も、私が本絵本を「詩」や「絵画」のように感じた理由でもあるように感想を書きながら思いました。

私自身は、本絵本の内容を十分に理解できませんでしたが、娘はどうだったのでしょう。「『詩』や『絵画』において詳細な解釈や正確な理解は重要ではない」と私は思っているため、娘の理解は問うていません。(そもそも私自身が「娘の理解を問える」状況にありませんが。。)本絵本については、娘なりに何かを感じてくれれば良いと思っていました。私が本絵本を読んでいる際の娘の様子を見ていた限りでは、どこか楽しそうだったので、それで「良い」とすることにしました。

本絵本は、今まで読んだことのないタイプの絵本で、新鮮なおもしろさと良さがあったと思います。


子どもとはなす:おひさまのいない街について考える

最初に本絵本を読んだ際、「太陽が出てきてくれた喜び」が娘に伝わっていないように感じました。現実の世界(=首都圏)では、冬は晴れている日が多いので、「おひさまが何日も顔を出してくれない」状況を娘が想像することは難しかったのかもしれません。そのため、2回目に読んだ際には、冒頭の薄暗く悲しそうな街の様子を娘と詳しく見ることで、「おおひさまのいない街」について考えてみることにしました。

「娘ちゃん、雨や雪が続いて、全然お外に出られない日ばっかり続く生活ってどう思う?」
「嫌だ!つまんない」
「そうだよね。お外で遊べないし、お買い物にも行きにくいもんね。この絵の街はそんな日が続いているんだって。」

このように話した後、家の中で過ごす動物たちの様子を確認しました。
風邪引いちゃったのかな、けんかしているね、などなど。

本文に出てくる、「子どもたちがうちのなかでうんざりしている」様子をつぶさに確認することで、このあとの「おひさまが出てきてくれた喜び」を感じてもらう下地づくりをしたつもりです。初回に読んだときよりは、本絵本の内容が娘に伝わったのではないかと…思っています。

子どもとはなす:おひさまパンの味

本絵本は「ママの感想」に書いたとおり、私自身が本絵本の内容をきちんと理解できていなかったため、娘と「話す」内容をいつもと変えてみることにしました。

犬のパン屋さんがおひさまパンを焼き上げました。みんなで少しずつわけ合って食べています。本文では、このおひさまパンの味は「輝かしく心浮き立つような温かな味がして」ととても美しい表現で描かれています。上記表現を読んだ後、私から娘におひさまパンを渡し、「どんな味か」聞いてみました。
「娘ちゃん、おひさまパンはどう?」
「おいしい」
「『おいしい』以外で言うとどんな感じ?」

本文に書かれた「おひさまパンの味」を読んではいましたが、娘がそれを十分に理解できていないことは承知しています。また、まだ比喩などを使いこなすことができない娘には、私の質問が難しいことも理解しています。しかし、いつもどおり、「考えてもらいたい」という趣旨から、また、娘に「表現すること」を経験してもらいたいという私の思いから、娘には少し難しい質問に挑戦してもらうことにしました。

少し考えた娘は、「キラキラした味」と言ってくれました。本文の内容に引っ張られていることが推測される答えでしたが、それでも娘はよく考えたと思います。一方で、これ以上、娘が自分の言葉で「味」を表現することは難しそうだったため、拙いながら、下記のとおり私から二択を提示することでで少しお手伝いをしてみることにしました。

「そうだね。『おひさま』パンだもんね。キラキラした味がしそうだね。あとは、甘い?それともしょっぱい?」
「甘いと思う」
「あったかいかな?それとも冷たいかな?」
「あったかいと思う」

上記やりとりの最後に、ママのおひさまパンの味のイメージを伝えてみました。
「ママも食べてみるね」と言って、おひさまパンを食べる真似をした後、「たまご焼きみたいな、パンケーキみたいな味がするかな?ふわふわしてる」。
「身近なものを例に出してみる」ことと、「食感」を表現してみることを娘に伝えようと思ったのですが… 伝わったでしょうか? 私も出たとこ勝負でやっている部分があるので…難しかったです。

上述のように、本絵本では、絵本に対するいつもと違う「想像」のお話ができて、私は素直に楽しかったです。娘も、難しい質問だった割に楽しそうに話してくれていたように思っています。ただ、私自身の表現力のなさについては、反省です。


ことば:うんざり

おひさまがいない街の描写の一環として、「子どもたちはうちのなかでうんざりしています」という一文が出てきます。「子どもとはなす」で書いたとおり、「おひさまのいない街」について理解をするのに、「うんざり」は一つのキーワードになると思いました。そこで、娘に「天気が悪くて毎日毎日毎日、お家のなかで過ごさなくちゃいけないのってどう?」と聞いてみました。
「絶対、イヤ!」
「そうだよね。楽しくないもんね。飽きちゃうよね。そんな風に、『絶対にイヤ!』って思うことを『うんざり』って言うんだよ」と説明をしてみました。

事前に「うんざり」の意味をネットで確認していましたが… このくらい噛み砕いた説明をすることは許容範囲だと思いたいです。

ことば:やまあらし

おひさまパンの香りに誘われて集まってきた動物のなかに「やまあらし」がいました。娘が「やまあらしって何?」と聞いてくれました。やまあらしの学術的な説明はできないため、絵の確認をしました。すると、次以降のページで、娘は「ここにいたね」とやまあらし探しをして楽しんでいました。「やまあらし」のイメージが娘に定着してくれたのではないかと期待しています。絵本を読み終わった後、ネットの画像でも「やまあらし」の確認をしました。


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