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絵本「ジローとぼく」の紹介と評価

評価

娘:☆☆
ママ:☆☆☆


読んだ目的/きっかけ

何で本絵本を読もうと思ったのか…わからなくなってしまいました。気づいたときには図書館から届いていたため、読んでみることにしました。


ママの感想

上述の通り、何だかよくわからないまま読みはじめた絵本でしたが、想像以上に良い内容の絵本でした。

こいぬのころから毎晩一緒に寝ていたジローと主人公の「ぼく」。しかし、ジローが大きくなってきたことから、犬小屋をつくり、ジローだけ外で寝ることになりました。その初日、ジローと一緒に犬小屋で寝ることにしたぼくですが、朝起きると、ジローとぼくが入れ替わっています。

「相手の立場に立ってみる」という手法をストレート使っている本絵本ですが、その方法がとても効果的だったと思います。主人公と「誰か(何か)」が入れ替わるという古典的な方法ながら、その効果の大きさに素直に驚いてしまいました。娘も私も読んでいて胸がキュンとしてしまい、物語の結末に二人でほっとしました。

私自身、動物を飼ったことがないためか、ペットだけが家の外で過ごすことについて、「何か」を考えることはこれまでありませんでした。本絵本を通して、初めてそのことに思いを馳せることができ、良い経験をさせてもらったと思っています。本絵本を読もうと思った目的はわからなくなってしまいましたが、想像以上にとても良い絵本だったと思います。


子どもとはなす:ジローの気持ち

はじめてぼくとジローが別々に眠ることになった夜、ジローが「悲しそうな声」で鳴いていました。娘に、「ジローは何が悲しいのかな?」と聞いてみました。娘からは、「(ぼくとジローが)離れ離れになっちゃったことじゃない?」という返事が返ってきました。本絵本を初めて読んだ際、娘には少し難しい気がしたのですが、それなりにわかっているようで安心しました。

子どもとはなす:犬になっちゃったらどうする?

本絵本では、主人公の「ぼく」がペットの犬のジローと入れ替わります。娘に、「娘ちゃんが犬と入れ替わっちゃったらどうする?」と聞いてみました。
「それはヤダ!」と答えた娘。
「どうして?」
「だってつまんないから」

娘がつまらないと感じた理由は、娘の説明を聞いたのですがよくわからなかったので… 物語を読み進めてみることにしました。

次のページに、ぼくが犬になることで「泣き虫の妹と遊んであげなくていい」と述べている(独白している?)部分が出てきます。当該部分で下記のようなやりとりをしてみました。
「『ぼく』は妹と遊んであげること、好きだと思ってる?それとも嫌だと思ってる?」
「好きじゃないと思ってる」
「娘ちゃんは、弟くんと遊ぶことはどう?」
「好き!」
「じゃあ、娘ちゃんが犬になっちゃったらつまらないね。でも、『ぼく』は妹と遊ぶことが好きじゃないからラッキーって思ってたみたい。人それぞれだね。」

娘が弟のことを好きでいてくれることは日々感じていましたが、それを確認できるやりとりができて良かったと思うとともに、「感じ方は人それぞれ」とほどよくまとめられ、何となく自画自賛をしたくなったやりとりでした。

子どもとはなす:一緒に寝る理由

夜になると、「ぼく」は一人、外に取り残されることになりました。「犬」なので仕方がありませんが、何とも寂しい様子が絵に描かれていました。当該部分の「ぼく」の気持ちを娘に聞いてみました。
「悲しいと思ってると思う」
「そうだね、悲しいし、きっと寂しいだろうね」

上記やりとりのあと、最後のページを見ると、ジローとぼくがまた一緒に寝ることにした様子が描かれていました。娘に、「何で一緒に寝ることにしたのかね?せっかくジローのために外に犬小屋をつくったのに」と聞いてみました。娘は、「一緒が良かったんじゃない?」と答えてくれました。

それで正解だと思います。ただ、出題者の私からすると一部説明が足りていません。娘には、「『ぼく』がジローと入れ替わって、ジローの立場になって夜を過ごすことになりかけたとき、ジローの気持ちがわかり、一緒に眠ることにした」という部分も理解してもらいたいと思っていました。そのため、「さっき、犬になった『ぼく』が夜、外で一人ぼっちになったときどんな気持ちになったっけ?」、「ジローも外で寝たら同じ気持ちになるよね」と話しながら「ぼく」がジローになったことの意味について確認をしました。

ただ、ジローが外で寝ることになった初日、早々にジローのいる犬小屋にいった「ぼく」のことを鑑みるに、娘の答えも十分正解だとは思います。「記述式問題は難しいな」と思うとともに、昨今の入試問題のニュースを思い出した娘とのやりとりでした。


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