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絵本「くれよんのくろくん」の紹介と評価

評価

娘:☆☆
ママ:☆☆☆


読んだ目的/きっかけ

「そらまめくんシリーズ」の著者であるなかやみわさんの作品を検索した際、本絵本を見つけました。なかやさんの作品は素敵な作品が多く、特に私が気に入っています。本絵本を絵本ナビで検索をしたところ、300人以上の人が読んでいて、評価もそれなりに高い作品でした。また、「4~5歳 編集部おすすめ」と書かれていたこともあり、読んでみることにしました。


ママの感想

私の予想どおり、というか、絵本ナビの評価どおり、とても良いお話でした。「お友だち」と遊ぶことに慣れてきた年少児にぜひ読んで、感じて、考えてもらいたいお話でした。娘によると本絵本は幼稚園にあるそうです。娘の話に「幼稚園としては、子どもたちに読ませたい絵本だよね」と納得する一方で、やはり「何だか先を越された」気がしてしまう、心の狭い「ママ」でした。

新しいクレヨンたち。いつまでも「新品」のままでいることが嫌になった黄色くんが箱を飛び出すと、画用紙に出会います。そこで、ちょうちょの絵を描いてみた黄色くん。「お花が必要!」と赤さんとピンクちゃんを呼びに行きます。このようにして、順番に次々と他の色を呼びに行くクレヨンたち。
しかし、黒くんはいつまでたっても誰にも呼ばれません。それどころか、自分からやってきた黒くんが「ぼくはどこを描けばいい?」と聞いても「間に合ってるよ」と言われてしまいます…

仲間外れをつくらない、みんなで仲良く遊ぶ、一見役に立てない子にも「役に立てることがある」、お兄さん・お姉さんの役割などなど。本絵本は、娘と話したいテーマであふれていました! しかし、全てを扱うことは私自身の力不足もあってできず、そして、「全てを話しきること」が必ずしも良いことだとも思えず… 私のなかで「繰り返し読みたい絵本」という扱いにしました。

絵本を読み終わったあと、もうすぐ年中さんになる娘に「娘ちゃんはシャープペンのお兄さんみたいなお姉ちゃんになれると良いね」と言ってみたところ、恥ずかしそうに笑ってうつむいた娘の表情がとても印象的でした。

とても素敵なお話でした。ただ、残念ながら、私の評価ほどには娘は気に入っていないようでした…。


子どもとはなす:画用紙を見て喜ぶ理由は?

箱に入ったままの新しいクレヨンたち。クレヨンたちは、他の色のクレヨンに呼ばれて箱を出ていき、画用紙を見つけるとみんな「大喜び!」をします。当該場面で娘に、「どうしてみんな大喜びをするの?」と聞いてみました。「みんな、『描きたい』って思ってるからじゃない?」と妥当な答えが娘から返ってきました。

上記質問は、娘には簡単だったようです。こういうとき、「そうだね、クレヨンだから『クレヨンの本分を発揮したい気持ち』があるのかもね、などと気の利いたことを言えればよかったのですが、その時は思いつきませんでした。私も娘と「はなす」ことがもっと上手になりたい今日この頃です。


子どもとはなす:くろくんにできることは?

黒以外の色のクレヨンがみんなで画用紙にちょうちょやお花などの絵を描いています。そこへやってきたくろくんが「ぼくはどこを描けばいい?」と聞いても「間に合ってるよ」と言われてしまいます。当該場面で娘に「くろくんの気持ち」を聞いてみても、「悲しい気持ち」と言われることが想定されたため、くろくんの気持ち以外のことを聞いてみることにしました。

「娘ちゃん、くろくんができることって何かないかな?」

1回目に本絵本を読んだ際には、娘から、「別の画用紙を見つければいいんじゃない?」と、とてもポジティブな答えが返ってきました(笑)

娘の想定外の答えに、私は思わず笑ってしまいました。もちろん、娘の「答え」も悪い内容ではありません。しかし、本絵本の全体の主題を勘案すると、「みんなで一緒に絵を描く」方向での答えが大事だと私は考えました。

そのため、「新しい画用紙を見つけることも良いよね。そしたら、黒くんも思いっきり描くことができるもんね。でも、今みんなが描いている『絵』に黒くんが参加することはできないかな?例えば、黒くてちっちゃくて地面にいる虫さんを描いてみるとかどう?」と話してみました。私の話を受けて、娘が「そうか、ありさんか!」と言いました。「そうそう。黒くんが『ありさん』を描いたらみんなの絵に参加できるよね」と話して、このときは「はなし」を終りにしました。

そして、1回目を読んでから半月近くが経ってから本絵本の2回目を読んだ際、同じ質問を娘にしてみました。すると、「ありさんや黒いてんとう虫を描けばいいんだよ!」と娘が答えてくれました。娘なりに考えたのか、私から伝えていない「黒い虫」が1匹増えていました。

娘とは、「『やることないよ』、『来なくていいよ』じゃなくて、一緒にやれることを考えてあげることが大事だね」という話をし2度目のこの「はなし」は終りにしました。


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