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絵本「おまえうまそうだな」のあらすじの紹介と評価

評価

娘:☆☆☆
ママ:☆☆☆

読んだ目的/きっかけ

絵本ナビの「初心者でも安心!定番読み聞かせ絵本」のなかで、本絵本を見つけました。大型恐竜の絵の表紙に「おまえうまそうだな」というストレートなタイトル。この表紙とタイトルで一体どのような内容だったら「定番の読み聞かせ絵本」になるのだろうと思い、読んでみることにしました。

あらすじとママの感想

とても良いお話でした。表紙とタイトルからは想像もつかない内容で、「定番の読み聞かせ絵本」であることに納得しました。

下記「子どもとはなす」に書いたとおり、娘には本絵本の良さが十分に伝わったわけではないようですが、それでも娘も何か感じるところがあったようです。とても真剣な表情をしながら聞いていました。

たまごから生まれたばかりのアンキロサウルス(名前は「ウマソウ」)。
なぜか一人ぼっちです。そんなアンキロサウルスに「おまえうまそうだな」と声をかけたティラノサウルス。些細な「勘違い」からティラノサウルスを「お父さん」だと思ったアンキロサウルスと、アンキロサウルスの何げない言葉に心を動かされ、面倒を見ることにしたティラノサウルス。二人の温かな交流が描かれていました。不器用ながらも彼なりの愛情をウマソウに示すティラノサウルスはとても魅力的な「お父さん」だと思います。そして、どこまでも優しいティラノサウルスはウマソウとの別れを選びます…

最後の場面で、私は思わず涙がこぼれてしまいました。娘も眉間にしわを寄せて難しい表情で聞いていました。短い物語の中に、不器用なティラノサウルスと純粋なウマソウの、優しさと愛情がつまったストーリーでした。

本絵本はシリーズのようなので、別の絵本も読んでみたいと思います。

子どもとはなす

何で「ウマソウ」を助けたの?

ティラノサウルスもそうですが、肉食恐竜にとって他の恐竜の赤ちゃんは食べる対象になるようです。ウマソウが別の恐竜に襲われた際、ティラノサウルスが身を挺してウマソウを守りました。この場面で娘に「どうしてティラノサウルスはウマソウを守ってあげたの?」と聞いてみました。
「食べられちゃうと思ったからじゃない?」
「ウマソウが食べられちゃったらティラノサウルスは困るの?」
「うん」
「どうして?」
「ちょっと仲良しだからじゃない?」

娘の答えは概ね合っているのですが…

私の解釈になってしまいますが、この絵本のなかで、ウマソウが「お父さんみたいになりたい」と言ったことがティラノサウルスがウマソウに関心(愛情?)を抱くきっかけになったのだと思っています。この点については、娘にわかってもらいたかったのですが… まだ難しかったようです。

今回は私の解釈を話すことはやめました。

もうすぐ年中さんになる娘です。そのためか、最近、今まで以上に「お姉さん」を意識しているようです。いつになるかわかりませんが、「娘ちゃんみたいなお姉ちゃんになりたいって言われたらどう?」という会話をした上で、本絵本のティラノサウルスのことに言及をしてみたいと思っています。
きっと、ティラノサウルスの気持ちを感じてもらえると思っています。

それまで娘が本絵本の内容を覚えていられるかな…

種族の違い

何だかんだでウマソウをかわいがっていたティラノサウルスですが、最後は、ウマソウのために別れを決断します。その際、ティラノサウルスはウマソウに「お前は俺みたいになれないんだよ」という話をします。
娘に「何でウマソウはティラノサウルスみたいになれないの?」と聞いてみました。すると娘は、「もっと大きくなったらなれるんじゃない?」と答えてくれました。

上記質問の答えは、私は「種族が違うから」だと思っています。娘の答えは、おそらく違っていると私は判断しており、そして、もちろん、私の考えが及んでいない深い理由がある可能性は否定できませんが… 娘と自分の答えが違ったことを受けていろいろと考えてみましたが、一番「王道」と思われる種族の違いを答えとして娘に説明をしました。
(書いているとまただんだん自信がなくなってきました…)

あまり恐竜に馴染みのない娘にとっては、ティラノサウルスもアンキロサウルスも「恐竜は恐竜」だったようです。

別れ

ティラノサウルスはウマソウが仲間のアンキロサウルスのところへたどりついたところで、「さよなら」と口にします。この場面、私は泣かずにはいられませんでした。

そんな私に娘が、「大丈夫だよ、きっとまた(二人は)会えるよ」と言ってくれました。「そうだね、そうだといいね」と涙を拭きつつ、娘に「ウマソウはティラノサウルスと一緒にいたほうがよかったのかな?それともアンキロサウルスの仲間と一緒にいたほうがいいのかな?」と聞いてみました。

娘はしばらく考えていました。「ウマソウはお父さんとお母さんといたいけど、でも、また一緒じゃなくなったらティラノサウルスに会えるんじゃない?」

娘は絵本に描かれていた大人のアンキロサウルスは、ウマソウのお父さんとお母さんだと思ったようです。それが本当なのかはわかりません。でも、そうなのかもしれません。そして、そうだったら私もうれしいです。

娘の話には、若干、論理の飛躍がありますが、娘によると、ウマソウはお父さんとお母さんと何らかの理由でたまごのときに離れてしまい、ずっと会えずにいたそうです。その間、ティラノサウルスが一緒にいてくれたそうです。だから、また何らかの理由でウマソウがお父さんとお母さんとはぐれてしまった際には、ティラノサウルスが来てくれるそうです。
「そうだったらいいね」と心の底から思える娘の話でした。

上記のような、いいとこどりの娘の答えは、娘の性格を反映しているのでしょうか。「ポチポチのとしょかん」などを読んだ際に感じましたが、まだ「非現実」と「現実」の間に明確な線引きができていない娘です。発達段階的にそれが妥当なのかはわかりませんが、今の娘がいる世界では、娘の「お話」がリアリティをもつのだと思われます。そして、そんな世界は素敵だと「ママ」は思います。


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