見出し画像

絵本「14ひきのぴくにっく」の紹介と評価

評価

娘:☆☆☆
ママ:☆☆☆


読んだ目的/きっかけ

娘と私、ともにお気に入りの「14ひきシリーズ」は随時チェックをしています。娘と読む絵本を探していた際、同シリーズを見てみたところ、春の季節の本絵本を見つけました。今年は暖かくなるのが早く、最近、随分と春らしくなってきたことから本絵本を読んでみることにしました。


ママの感想

いつも素敵な「14ひきシリーズ」ですが、今回は特に素敵な絵本でした。最近、新型コロナウイルスの影響で、社会全体が憂鬱で外出もなかなかしにくい状況が続いています。そのようななか、紙面いっぱいに「春」があふれている本絵本は、読んでいてとても気持ちがよかったです。

特に、「ねずみ」という人間より小さい生き物の目線から描かれる春の世界は、視界いっぱいに春があふれて見えます。人間だったらなかなか気づかないてんとう虫やトカゲといった小さかったり地面を歩いている生き物たち、タンポポやオオイヌノフグリなどの植物たちが、私たち人間の目に映るよりも大きく描かれていて見ごたえがありました。

また、毎回不思議に思うのですが、本シリーズの「絵」には、どこか光が感じられるような気がしています。本絵本にも、春の穏やかで優しい光を感じ、現実の世界より一足早く「春」の世界に伺わせていただきました。

上述のとおり、本シリーズの「絵」には「光を感じる」ことが多々ありますが、私にはそのような絵は描けないので、どうしたら「光を感じられる絵」になるのか知りたいところです。

本絵本では、14ひきのねずみの家族が春の森、そして野原にピクニックにでかけます。いつもどおり、文章量は少ないのに、紙面いっぱいに描かれた春の景色の隅々にまで目線がいくよう、さりげなく誘導されます。娘とは、これもいつもどおり「なっちゃん」を確認しつつ、「娘ちゃん、トカゲ見つけた?」、「ママ、てんとう虫はどこにいるでしょう?」などと話しながら楽しく読ませていただきました。春の清々しさがあふれる、素敵な絵本でした。


子どもとはなす:空が広い!

家族みんなでピクニックに出かけたねずみの家族。森を抜けると野原に出ました。当該場面には、大きくて真っ青な空が絵本いっぱいに広がっている素敵な絵が描かれていました。その場面で、木に登っているごうくん、はっくんに対して「何が見える」という一文が書かれていました。上記一文を読んだ際、娘が、「ジャンプしたら空まで飛べるよ!」と言いました。

よく耳にするような表現を自分から言い出した娘に少し驚きました。まだ「世間慣れ」していない娘は、屋根に積もった雪が落ちる音を「ごっちゃん」と表現したりと、これまで「娘、独自の表現」が多く見られ、私はそれを楽しんでいたのですが… 娘も少しずつ大人になってきているようです。私としては、うれしいような残念なような、どこか複雑な気分になりました… 何はともあれ、絵本のなかに現れた広くて大きくてきれいな青空を、娘と二人で満喫させてもらいました。


子どもとはなす:春の風の匂い

上述のとおり、野原にやってきた14ひきのねずみたち。野原を春の風が吹き抜けているようです。「はるのかぜ はるのにおい」という文章が書かれていました。当該場面で、娘に「春の風ってどんな匂いがするかな?」と聞いてみました。
「いい匂い」と答えた娘。
「どんないい匂い?」
「お花の匂い?」
「そうだね、『春に咲くお花の匂い』、『春の匂い』だもんね」

常識的かつ絵から導かれる推論として妥当な娘の答えですが、上記「空」の話に引続き、娘が「世間慣れしてきた」印象を受けました。そして、「ママ」は再び、うれしいような残念なような複雑な気持ちになりました(笑)


ことば:ゼンマイ、すみれ、つくしetc

本絵本には、春の植物の名前がたくさん出てきました。恥ずかしながら、私が知らない植物もありました… ここにあげた「ゼンマイ、すみれ、つくし」」はほんの一例ですが、本絵本をとおして、たくさんの「春の植物」を娘と確認させていただきました。

それにしても。私自身が子どものころは「つくし」は公園などで見ることができる、「あることが当たり前」の植物でしたが、いつのころから見かけなくなり… 最近、子どもと公園に行っても見かけることはありません。ゼンマイは難しいかもしれませんが、つくしくらいは子どもに見せてあげたいと思う今日この頃です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?