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絵本「あたし、ようせいにあいたい!」の紹介と評価

評価

娘:☆☆☆
ママ:☆☆


読んだ目的/きっかけ

先日読んだ『おひめさまようちえん』の著者・のぶみさんを絵本ナビで検索したところ、本絵本を見つけました。本絵本のタイトルを見た際、「この絵本も読んであげたらきっと娘は喜ぶはず」と思いました。最近、読み聞かせの絵本の選び方が、若干、娘に媚びすぎている気もしましたが…

新型コロナウイルスの影響で、幼稚園がなかなかはじまらないなど、娘もストレスを抱えていることを勘案し、娘が喜ぶであろう本絵本を、図書館でお借りすることにしました。本絵本も緊急事態宣言発令のギリギリのタイミングでお借りすることができました。

やむを得ないことはわかっていますが… 読み聞かせ用の絵本確保のためにも、ぜひ、図書館かウイルスのどちらか一方でいいので「何とか」してもらいたいと切実に思う今日この頃です。。


ママの感想

本絵本を実際に読むまで知りませんでしたが、本絵本の主人公は『おひめさまようちえん』の主人公と同じ「アンちゃん」でした。絵本を読みはじめて早々に、「あれ?これ、あのアンちゃんだね!」と娘と一緒にしばし盛り上がりました。せっかくなので、「おひめさまようちえんシリーズ」ではなく「アンちゃんシリーズ」としてまとめてもらいたいです。

アンちゃんがお庭で遊んでいると、目の前をふっと羽のはえた小さな「ヒト」が通り過ぎます。アンちゃんがお母さんに聞いてみると「妖精かな?」とのこと。お母さんの話を聞いたアンちゃんは、妖精探しをはじめますが、妖精はなかなか見つかりません。アンちゃんが妖精のことを忘れて遊んでいると、妖精の王子様が現れて、アンちゃんは一緒に踊ることになりました。さらに、妖精の王子様はアンちゃんに素敵な魔法をかけてくれました。

本絵本は、『おひめさまようちえん』に続き、娘の心をがっちりつかんでいました。娘は本絵本に憧れて憧れて仕方がないようでした。さらに、本絵本のなかには、たくさんの妖精がこっそりと描かれているため、それを探すことも楽しかったようです。なお、本絵本のアンちゃんは特に何か失敗をしたりやらかしたりすることはないため、本絵本を2回目以降に読む際には、アンちゃんの名前を娘の名前にかえて読みました。娘は本当に本絵本を気に入ったようです。

ママの目線からすると… 本絵本は、『おひめさまようちえん』より良かったと思います。とても単純な展開のお話なので、ストーリーに深みなどはありませんでしたが、「ママ」的に胸がキュンとする部分もあり、また、娘と「はなす」点もあり、それなりに良かったと思っています。

ただ… 本絵本の著者ののぶみさんは男性です。本絵本のなかでの「アンちゃんの反応」に少し違和感を感じる部分があったのは、そのせいでしょうか?
もちろん、本絵本の評価に影響を与えるような話ではありません。

本絵本は『おひめさまようちえん』同様、娘の「女の子としての夢と憧れ」が詰まった絵本でした。加えて、本絵本には「それなり」のストーリーもあり、総じて、ほどほどにバランスのとれた内容の良い絵本だったと思います。

子どもとはなす:妖精を信じる?

絵本を開くと、最初のページに「妖精はいるって信じてますか?」という一文が書かれていました。上記一文を受け、娘の妖精に対する考えを聞いてみることにしました。

「『妖精はいるって信じてますか?』って聞かれているけど、娘ちゃんはどう思う?」
「いない…」
「どうして『いない』って思うの?」
「だって、見たことないから。このへんとか、日本にはいないと思うよ!」

娘の「このへん」から「日本」への地理的飛躍には「おいっ!」と突っ込みたくなりましたが、それはぐっと飲み込んで… 「そうだね、ママも妖精さんは見たことはないかな?妖精さんを見たことないと、やっぱり、いないかな?」と疑問を投げかけたうえで、絵本を読みはじめることにしました。

絵本を読み進めていくと、妖精の王子様の話として、「妖精を信じていないと見えなくなってしまう」という内容が書かれていました。その部分を受けて、再度、娘に「妖精を信じるか」聞いてみることにしました。

「妖精を信じていないと見えなくなっちゃうって。娘ちゃんが妖精さんを見たことがないのは、信じてないからじゃない?」私の問いかけに娘は少し黙ったあと、「信じたいけど…」と珍しく低い声で言いました。その声から、娘の気持ちが伝わってきた気がしました。そこで、下記のように話を続けてみました。

「そうだね、信じたいね。いたらいいね。でも、見たことないからね…。信じてみる?」
私の問いかけに、「うん」と頷いた娘でした。

ちなみに… その日の夜、寝る前に娘と「おばけ」の話をした際、下記の「はなし」をしてみました。
「娘ちゃんはおばけを見たことあるの?」
「ないよ!」
「でも、いると思うんだよね?」
「いるよー」
「妖精さんは?見たことないから、いないんだよね?」
「……」
「おばけもいないんじゃない?」

私の問いかけに「考えておくー」と言って、逃げ出した娘でした。
そんな娘に、ママは思わず笑ってしまいました。


子どもとはなす:どうして悔しいの?

お庭で羽のはえた小さな「ヒト」を見かけたアンちゃん。それが何か知りたくて、絵を描いてお母さんに見てもらうことにします。アンちゃんはその絵をもとに、お母さんにいろいろと聞きたかったようですが、お母さんは赤ちゃんのお世話に忙しく、アンちゃんは話を聞いてもらえないどころか「ママ、忙しいの!いい加減にして!」と怒られてしまいました。

当該場面については、「ママ=私」としてはやや「何だかな…」と思わなくはありませんが… 絵本のなかのお話なので、突っ込むことはやめることにしました。。 そんなお母さんに対して、アンちゃんは「悔しくてたまらない」そうです。「そりゃ、そうだよね…」と思いつつ、当該場面で娘と下記の「はなし」をしてみました。

「アンちゃん、悔しいってよ。どうしてかな?」
「ママに聞いてほしかったから」
「そうだね。アンちゃんはママに聞いてほしかったんだよね。でもどうだった?」
「『忙しい』って言われた」

私としては、「聞いてもらいたいのにそれが叶わなかった」ということを娘に答えてもらいたかったのですが… なかなかうまくいきません。

娘には、「そうだよね。アンちゃんはママに妖精のことをもっと聞いたり教えてもらったりしたかったのに、全然相手にしてもらえなかった上に、『忙しいの、いい加減にして!』って怒られちゃったもんね。それは悔しいよね」と伝えました。

なお、この後、アンちゃんは「私お姉ちゃんだから!」と言って気持ちを切り替え、さらにはお母さんの行動にも理解を示します。『おひめさまようちえん』での奔放な様子からは想像がつかないくらい、しっかりしたアンちゃんに驚かされました。

子どもとはなす:現実と非現実について

本絵本の最後の場面で、アンちゃんは妖精の王子様から「キス」をされます! 本絵本については、2回目以降に読んだ際には、アンちゃんの名前を娘の名前にかえて読んでいたため、上記場面で娘に「いいの?」と聞いてみました。すると、娘からは「ご本のなかのことだからいいの!」という返事が返ってきました。

今年のはじめごろ、『ポチポチのとしょかん』を読んだ際には、「ポチポチは本当にいる」という趣旨の話をしていた娘ですが、ここ最近、急に「現実と非現実」を区別するようになってきたように感じています。「サンタさんは本当はいない」ということに気づく日も近いのでしょうか。娘の成長はうれしいことですが、少し寂しくも感じてしまう「ママ」でした。


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