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絵本「ポチポチのとしょかん」の評価

評価

娘:☆☆☆
ママ:☆☆☆


読んだ目的/きっかけ

昨年はクリスマスにお正月と季節ものの絵本を本当にたくさん読んだと思います。その結果、季節ものの絵本に私自身が食傷気味になってしまったため、絵本を選ぶ基準を変えたいと思いました。

そこで、絵本ナビを見ていたところ、「図書館が舞台の絵本」が集められたページを発見しました。絵がかわいく、絵本ナビの年齢分布的に読みごろだった本絵本を読んでみることにしました。

ママの感想

トトロのような「子どものときにだけあなたに訪れる不思議な出会い」的な絵本でした。でも、娘も私もとても気に入りました。娘が何をそんなに気に入ったのかはわかっていませんが…

珍しく、私が「子どものときにだけあなたに訪れる不思議な出会い」的な絵本をおもしろいと思えた理由は下記によるものと考えています。

私自身が子どもだったころ、本を読むことが大好きで、それ故に学校の図書室が大好きでした。そんな当時の私にとって、図書室は「現実とは違う世界への入り口」でした。大人になった今振り返ると、小学生のころの私は、読書をすることで勉強からの逃避をしていた側面があったのだと思います。

そんな、「現実とは違う世界」への懸け橋である図書館で、ポチポチとの不思議な出会い。そして、ポチポチと訪れた不思議な図書館。本絵本の舞台と設定、ストーリーが私の中に残されていた「子ども」の部分を呼び覚ましてくれたように感じました。そのため、素直に「ポチポチとの不思議な出会い」を楽しめたのだと思います。

上記理由を書きながら、「子どものときにだけあなたに訪れる不思議な出会い」的な絵本は「子どもにしか楽しめない絵本」という結論になってしまうことに、私自身が残念な気持ちになりました… しかし同時に、大人になることは「子ども」を完全に忘れ去るわけではないことを改めて思い出させてもらいました。

子どものころ図書館/図書室が好きだった大人に是非読んでもらいたい絵本です。


子どもとはなす:コウモリとぼく

本絵本では、登場人物の気持ちなどを考えるのに適切な部分が見つけられなかったため、登場人物に「吹き出しをつける」ことをやってみました。

「吹き出しをつける」取組は、娘にとっては簡単なのかなと思うことがあり、続ける意味があるのか迷っていました。しかし、私の記憶では、小学校低学年のころの国語の授業で、この「吹き出しをつけ」やった記憶があります。そして、私はなかなかできなくて、嫌いでした… 吹き出しをつける場面の選び方の問題は過分にありそうですが、当面続けて様子を見ようと思います。

ポチポチに連れて行ってもらった図書館では、動物たちが動物が書いた本を読んでいます。その描写の一環として、コウモリが「おいしいちのすいかた」の本を読んでいました。当該場面で、主人公のぼくとポチポチに向かってくるコウモリと、そこから逃げようとするぼくとポチポチに吹き出しをつけてもらいました。

娘によると… ぼくとポチポチは「助けてー!」と言っていて、コウモリは「待てー!」と言っているそうです。
十分な内容だと思います。
念のため、「コウモリさんたちは『待てー、血を吸わせろ』って言っているのかもね」とそれとなく補足をしておきました。

選ぶ場面が簡単過ぎたでしょうか?

子どもとはなす:ポチポチは実在する?

絵本を読み終わった後、娘に「もしもポチポチに会えたらついていく?」と聞いてみました。娘はついていくそうです。

「でも、ポチポチにはどこに行ったら会えるかな?普段、娘ちゃんが行っている図書館でも会えるかな?」と聞いてみたところ、「どこか遠くの違う図書館で会えるんじゃない?」と娘は答えました。

娘にとってポチポチは、実在はしているものの、「隣にある現実」ではないようです。私の問いに正解があるわけではないので、娘なりに想像をして答えてくれた上記内容で十分だと思いますが、娘の「非現実」に対する距離の取り方が垣間見える答えで、親としてはとても興味深いものでした。


ことば:人間

本絵本では、ポチポチの図書館と現実の図書館は、「へんなほん」に書かれた「人間に変身できる呪文」によって橋渡されます。

本絵本を読みながら、「何て素敵な橋渡し」と私が感動をしていたところに、娘が「人間って何?」という無粋な質問を投げ込んでくれました。娘の質問が絵本の世界に入り込んでいた私を急に現実に引き戻してくれたため…
思わず、「えー、人間を知らないの!?」と言ってしまいました。。冷静に考えれば、「人間」の説明をする機会はなかなかないため、娘が人間を知らないことは仕方がないのかとも思いますが…

「人間」がわからないとこの絵本の良さが減じられてしまうため、娘がきちんと聞いてくれて良かったと思うことにしました。



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