見出し画像

絵本「ちのはなし」の紹介と評価

評価

娘:☆☆
ママ:☆☆☆

読んだ目的/きっかけ

先日、娘と一緒に「夏休みの経験」として図書館に行き、たくさんの絵本のなかから娘に読みたい絵本を探してもらうという試みをしてみました。何の情報も手掛かりもない状況で、娘が自分で「読んだことがなくて読んでみたい絵本」を探すことはとても難しかったようです。私としては上述のような「難しさ」や「大変さ」も含めて「絵本を探す体験」をしてもらうことに意味があると思っています。図書館で、娘が読みたい絵本として「ママ、これ、どう?」と本絵本を持ってきてくれました。娘自身、「転んで血が出てしまう」という経験があったため、「血」に興味があったようです。

本絵本は、福音館書店の「かがくのとも絵本」シリーズの絵本であるため、私は以前から本絵本のことは知っていました。そして、「そのうち読みたい」と思っていました。本絵本について、これまでに私から娘に何かを話したり、ましてや絵本を探している娘に何かを言ったわけではいのに、娘が本絵本を持ってきたときには少し驚きました。上述のような本絵本に関する諸事情はさておき、娘が選んだ絵本ということで、本絵本を読むことにしました。

*図書館で娘に読みたい絵本を探してもらうに際し、「娘がどのような絵本を選ぼうとも、よほどの理由がない限り、娘が選んだ絵本は必ず読もう」と、私のなかで決めていました。

ママの感想

「この絵本はいったい、何歳の子どもを対象にして書かれたものなのだろう?」という疑問を感じるくらい、難しい内容の絵本だったと思います。
難しい内容のお話だったため、随時、娘に補足をしながら読みましたが…
補足をしながら、「私は何の説明をしているんだ?」という気分になりました。大人にとっては、小学校の理科の復習になる読みごたえのある絵本だと思います。一方の娘は、何をどこまで理解することができたのか… 娘には、「血」に関する基本的なことと雰囲気を感じてもらえれば十分だと思いながら読みました。

本絵本では、男の子が転んで膝をすりむいてしまい、その「血」に触ったことをきっかけに科学的観点からの「血」の説明がなされます。以下、主な内容です。

・けがをした際、「血」が出るのは、「血」の通っている管(=「血管」)が破れるためである
 娘は、「血管」という言葉も存在も知らなかったそうなので、勉強になったようでした。

・「血」は酸素を運んでいて、動脈/静脈によって「血」の色が異なる
 難しい内容のため、私としてはスルーしたかったのですが、「同じ血なのに色が違う」ということに娘が興味を持ったため、動脈/静脈の説明やそこに含まれる酸素の量の違いなどの説明をしました。娘には、雰囲気くらいは伝わったと…期待しています。

・「血」の構成成分(赤血球、白血球、血小板)
 ここまで書くなら「血しょう」の話もしてほしかったです。

・人間の呼吸の話:酸素を吸って、肺で血液に酸素が取り込まれ(途中省略)口から二酸化炭素を出す
 先ほど、動脈/静脈の説明をしたため、この部分についても簡単に説明しましたが、娘にはほぼほぼ伝わっていないかと思われます。 しかし、娘が「肺の毛細血管」の絵に興味を持ってくれたので、少しは伝わっていることを期待したいとも思います。また、新型コロナウイルスは肺炎を引き起こす病気のため、「肺」の役割と絡めて「肺炎」について簡単に話をしてみました。新型コロナウイルスと肺の話は娘も興味を持って聞いてくれたように見受けられました。

・身体の大きさによって血の量が異なること

「読んだ目的/きっかけ」に書いたとおり、娘は、自分も転んで血が出た経験があったことから本絵本に興味を持ったようでした。しかしながら、本絵本に描かれていた内容は、娘の想像を超えるものだったと思われます。難しい内容であるにもかかわらず、娘は興味を持ちながらしっかりと聞くことができたと(親バカながら)思ってます。

本絵本は、娘にとっては難しい内容だったと思っていますが、せっかくこのような絵本を読んだからには、娘にも「酸素や二酸化炭素、肺、血管」といった言葉を覚えてもらいたいと思いました。しかし、これらの言葉は娘にとって身近ではなかったためか、いまいち娘に定着しませんでした。ダンゴムシのエサ(『ぼく、だんごむし』)やセミの種類と鳴き方(『せみとりめいじん』)とは違いました。子どもにとっては、「身近であること」はとても大切なのだと改めて感じました。

本絵本は、「血」に関する小学校高学年の理科の内容を簡潔にまとめたような内容のお話でした。子どもにはとても難しい内容だったと思います。一方、大人にとっては「過去に勉強をしたこと」の復習になる、読みごたえのある絵本でした。残念ながら、「対象者が誰(=どの層)なのか」という疑問は禁じ得ない内容でした…

子どもとやってみる:電灯に手をかざす

本絵本は幼稚園児の娘には難しい内容でしたが、「実際にやってみる」ことが含まれていたため、娘の興味・関心を引き続けることができたという側面があったと思います。本絵本を1回目に読み終わったあと、娘と一緒に下記の「実験(観察?)」をしてみました。本絵本のなかに、「懐中電灯に手をかざしてみよう。手はどんな色に見えるだろう」と書かれた部分がありました。

上記部分を受けて、娘の手を懐中電灯で照らしてみました。すると、ちゃんと「赤く」見えました。娘はこのことについては、『手のひらを太陽に』の歌から、「赤く見える」という予想がついていたようです。「こうやって赤く見えるのは、細い血管がたくさんあって血が流れているからなんだね」と改めて確認をしておきました。なお、本絵本には、手のひら同様、「口のなかからほっぺたを(懐中電灯で)照らしてみよう」と書かれていましたが、こちらについては、うまくできませんでした。。

子どもとはなす:心臓の音を聞いてみる

上記、「電灯に手をかざしてみる」ことに加えて、娘と下記の「実験(観察?)」もしてみました。本絵本のなかに、心臓の音について、「心臓が身体中に血を送っている音だ」という説明とともに「巻紙の芯を使って心臓の音を聞いてみよう」と書かれた部分がありました。上記部分を受けて、娘に、トイレットペーパーの芯を使って「心臓の音」を聞いてみてもらうことにしました。

具体的には、トイレットペーパーの芯を私の胸の真ん中より少し左側の部分にあて、娘に私の心臓の音を聞いてもらいました。娘によると「ドクドク」と鳴っていたそうです。

次に、私が娘の心臓の音を聞いてみることにしました。すると、「トイレットペーパーの芯なんてあってもなくても大して変わらないだろう」と思っていた私の予想を大きく裏切る、「ドクドク」という鮮明な音が聞こえてきました。トイレットペーパーの芯によって意外としっかりと心臓の音を聞くことができたことに、私はとても驚きました。そして、おもしろい経験をさせていただいたと思いました。

なお、上記内容が書かれたページの次のページに「手首やのどやこめかみなどにも触るとどっきんどっきんしているところがある」と脈の話も書かれていました。上記部分を受け、娘に、手首のところで脈に触れてもらいました。しかしながら、、脈については、娘は心臓の音ほどピンとこなかったようです。娘が脈について、いまいち理解ができない理由は何となくわかる気がします。

わかること、わからないこととありましたが、娘と一緒に自分の身体について興味深い「実験(観察?)」ができたと思います。本絵本は難しい内容でしたが、「読んで良かった」と思いました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?