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【オメガバース小説】犬のさんぽのお兄さん【第52話】

【地方都市×オメガバース】オメガでニートの園瀬そのせあずさは、T中央公園を散歩中に謎の長髪イケメンアルファ(ダサい臙脂えんじのジャージ姿)に出会う。その瞬間、ヒートが起きて運命の番だと分かり——!?

※このお話は18歳以上向けです。


 それから京一郎は手早くそば米汁を完成させ、年越しの十五分前には俺を寝室へ連れ込んだ。リビングのテレビは相変わらず点いていて、歌番組は終わり各地の年越しの様子を中継する番組「行っちゃう年来ちゃう年」に切り替わっている。
「俺、疲れたしうつ伏せに寝てるからさ、バックでやんない?」
「別に良いぞ。しかし、腹が押されて苦しくないか?」
「あ、じゃあ、枕挟んどこ」
 そう言うと、京一郎が枕を渡してくれたので鳩尾みぞおちの下あたりに挟んだ。そうすると膨らんだ腹が押し潰されずに済む。
「顔が見えないしあまりやらないが、この体位もなかなか良いな。穴がよく見える」
「穴って! あっ……」
 京一郎の言い草に赤くなった時、割れ目に長い指が触れて声を上げた。既に濡れていたから指先は襞の上をヌルヌル滑り、時折カリ、と軽く引っ掻いた。えも言われぬ快感を覚え、腹に力が入る。
「もう十分しかない。すぐに挿れるぞ」
 暫く俺の穴を眺めていた京一郎は、ハッと我に返った様子でそう言うと、ゴソゴソとゴムを取り出した。背後で装着しているのを振り返り、「早く挿れてくれよぅ……けちけち◯ち◯」と強請ねだったら、彼は眉を寄せ「今度その呼び方をしたら挿れるのをやめるぞ」と脅した。
「あぁ……」
 もう十分に濡れているので、京一郎のモノはスムーズに挿入はいって来た。年越しまで時間が無いから性急に動いて、ヌポヌポ出し入れされる。俺に跨るようにしている京一郎はウエストを掴む手に力を入れたから少し痛かったが、無理矢理押さえ付けられて犯されているみたいで、かえって興奮した。
「んっんっ……お腹、気持ち良い……」
 先程と同じで奥までは挿入されていないけれど、太いモノに胎内なかを圧迫されるのが気持ち良くてそう呟いた。すると京一郎が覆い被さって来て、うなじをぺろっと舐めた。
「ああぅっ!!」
 特別弱いところだから、俺は早くも男の方でイってしまった。それに気付いた京一郎がはあはあ息を荒げながら言う。
「あずさ、フライングだぞ……まだ、年を越してない」
「あっあっ、だって……あぁぅ、項はだめぇ……」
 抜き差しされながら弱弱しくそう言ったら、京一郎は「仕方が無いな」と言った。それから再び項に口付けると囁く。
「先にイっちゃったあずさちゃんの代わりに、年越しの瞬間たっぷり出してやる。ゴム越しだが……」
「あぁあっ」
 耳に息を吹き掛けるようにされたから、俺は返事の代わりに喘ぐと胎内なかのモノをギュッと締め付けた。京一郎はそれに小さく呻いたが、なんとか持ち堪えるとヌポヌポ抜き差しを続けた。
「もう五分前だ……」
 枕元のデジタル時計を確認した京一郎がそう言って、俺はハッとした。少しの間、太いモノが内壁を圧迫する感覚を追うのに夢中でカウントダウンえっちのことを忘れていたのだ。
「あっあっ、なぁ京一郎……うっ」
「はあ……何だ? あずさ」
 絶え間なく突かれながら話し掛けたら、京一郎は腰を振るスピードを緩めて聞き返した。だから上体を捻り彼を振り返って言う。
「イく瞬間は、顔見ながらが良い……」
「ふ、可愛いな」
 俺の要求に京一郎は優しく笑ってそう言った。胸がキュンとして軽く胎内なかのモノを締め付けてしまったら、彼は「こら」と小声で叱って繋がったままの俺を仰向きにした。その拍子にぐりっと胎内なかを擦られて「あン」と喘ぐ。
「これであずさちゃんの可愛い顔が見られる」
 俺を見下ろした京一郎はそう言ってちゅうと口付けた。その間にも太くて硬いモノにぐりぐり胎内なかを押されて気持ち良い。
「あぁ、京一郎……」
「もう三分前だ。仕上げに入るぞ……」
 京一郎はそう言うと浅く挿入したモノを激しく出し入れし始めた。彼は時折円を描くように腰を動かしたから、入り口の敏感な部分と擦れて何度も絶頂に達し掛けた。けれどもカウントダウンのことを思い出してなんとか踏み止まる。
「いよいよ一分前だ。五十四……五十三……」
「あっあっあン」
 誕生日の時みたいにカウントダウンが始まって、激しく犯されながらも何だかおかしくなった。けれどもすぐに快感で頭がいっぱいになる。
「四十二……四十一……」
 激しく動く京一郎は今や汗だくで、長い黒髪が白い肌に張り付いていた。ゆさゆさ揺さぶられながらそれを見上げ、きれいだな、と思う。
「三十……二十九……二十八……」
「んっんっ、おっおっ……」
 不意に角度を変えて突かれて、喉の奥から低い声が漏れた。恥ずかしくて口を押さえたが、やめられない。
「おっ……おっ……」
「十五……十四……はは、あずさ、可愛い声だな」
「可愛いって、セイウチみた……おっ」
「十……九……」
「うっ、おっ」
「八……七……六……」
「おっおっおっ」
 段段と動きが激しくなり、最早変な声を出しているのを恥ずかしがる余裕はなくなった。
「五……四……三……」
「おっおっ、うぁ、京一郎っ!!」
「二……一……」
 京一郎がカウントダウンを終えた時、リビングのテレビからゴオォォン……と鐘の音が響き、それと同時に胎内なかのモノが膨らんだ。俺は熱い内壁でそれを包み込みながら、京一郎の首に腕を回して引き寄せる。
「京一郎、三十路みそじの誕生日おめでとう……」
 そう言って彼の唇を奪った……。

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