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【オメガバース小説】犬のさんぽのお兄さん【第31話】

【地方都市×オメガバース】オメガでニートの園瀬そのせあずさは、T中央公園を散歩中に謎の長髪イケメンアルファ(ダサい臙脂えんじのジャージ姿)に出会う。その瞬間、ヒートが起きて運命の番だと分かり——!?

※このお話は18歳以上向けです。


「で、ぽっちゃりが好きって言ってたけど」
「いや、ぽっちゃりが好きというか、抱き心地が良くなって良いな、と思ったんだが」
「そういやずっとヤって無いけど、溜まってんじゃね? 性欲スゲーのに」
 四六時中俺にべったりだから、自己処理する暇も無かったよな、と思ってそう聞いた。すると京一郎は顔を真っ赤にして「性欲スゲーって……」と呟いたが、ふと真顔になって聞く。
「もしかして誘ってるのか?」
「え?」
 そういうつもりで無かった訳では無かったから、俺はちょっと期待して顔を上げた。すると、ソファに掛けている俺に寄って来た京一郎が言う。
「家事も粗方あらかた終わったし、寝室へ行こう」
「相変わらずストレートな誘い方……」
 俺は呆れたが、手を引かれて素直に立ち上がった……。

「俺のせいで腹が膨らんでいるのを見ると興奮するな」
「はえっ!?」
 服を脱がしながら突然そう言ったから、俺は頓狂とんきょうな声を上げた。すると下着のウエスト部分に手を掛けた京一郎が、ぐいと引き下ろしたので「あっ」とまた声を上げた。
「可愛い……」
「なんか変態ちっくだな!」
 腹の膨らみを撫でながらそう言われて叫んだら、ちゅうと肌を吸われた。「あぁ……」とあえかな声を漏らす。
胎内なかに挿れたいが、十六週までは……」
「なんか詳しいな!」
 ズボンの前をくつろげ、自身のモノを扱きながら京一郎がそう言ったので、俺は真っ赤になって突っ込んだ。すると真面目な顔で「ちゃんと調べた」と答えたから呆れる。
「だから代わりにあちこち舐める」
「身も蓋もねえな!」
 あんまりな言い草にまた叫ぶと、京一郎は俺の脚を掴んでぐいと開かせた。それから股間に顔を埋めると、唇で優しくひだんだので「あうっ」と声を上げた。じわっと愛液が溢れ出すのが分かった。
 そうしたら、京一郎は割れ目に舌を差し込んでズズッと啜った。俺は「やぁぁ……」と喘いで脚を閉じようとしたが、ぐっと押さえつけられているから叶わなかった。

 京一郎は後ろから俺を抱き締めて、太腿の間に自身のモノを挟んで激しく腰を振っていた。パンパン、と肌のぶつかる音が静かな部屋に響いている。
 出し入れする度に、硬いソレと女の部分が擦れてえも言われぬ性感を覚えた。何度も静かにイッたから、胎内なかの赤ちゃんが少し心配になった。
「あうっ」
 その時、突然うなじに噛み付かれて声を上げた。家で居るときは項カバーを着けていないから、京一郎の犬歯が肌に食い込む。
「いたい……」
 痛いのに、弱弱しく呟くことしか出来なかった。ヒートではないから番契約は結べないが、噛まれたところから熱が広がって、勝手に涙が溢れた。
「すまない……」
 京一郎は我に返ったのか、そう謝ると傷口を何度も舐めたので、ゾクゾクして喘いだ。その間にも彼のモノは太腿の間を出入りしていて、何度も擦れたから俺はまた静かにイッた。すると京一郎も殆ど同時にイッて、ゴムの中に欲望を吐き出した。
 はあ、はあ、と荒い息遣いだけが響いていた。ふと京一郎が項に口付けて、俺は「あん」と甘い声を漏らした。
「少し跡が付いてしまったな……すまない」
「別に良いけど……」
 目の前に無防備なオメガの項があったら、本能的に噛み付いてしまうのは仕方がない。それに、どうせちゃんと番になったら消えない跡が残るのだし、と思って首を横に振った。
「しかし、お前はもう俺のものなのに、まだ俺のものじゃないんだな」
「え?」
「好きなオメガを孕ませるのがアルファの本来の目的だからな。番契約出来なかったのは心残りだが……」
「孕ませる孕ませるって、本当身も蓋も無いよな、京一郎は」
 呆れてそう言うと、京一郎は俺の肩を掴んで振り向かせ、ねっとりしたキスをした。しつこく唇を舐め回したと思ったら、喉の奥まで舌を入れたので「んぐっ」と呻く。
「まだまだ足りないが、そろそろぽん吉さんの散歩の時間だ……」
 深い口付けを終えた途端にそう言ったから、俺はぷうと頬を膨らませると「本当に良い飼い主ですこと!」と叫んだ……。

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