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「離婚」「宿六・色川武大」を読んだ。

 定期的に色川武大を読みたくなる。あの文章に浸りたい。またその周期がやってきたので、「離婚」を選んだ。
 従姉妹と結婚し、六年経って離婚したものの、離婚してお互いに責任のない立場になったらまた同棲してしまうというとりとめのない話だ。元カミさんは生まれつき目が悪く、そのため甘やかされて育ち、社会的経験が不足しているという欠点がある。
「彼女は何か気に染まないことにぶつかると、弱い獣のように何時間でもそうやって動かずにいることが、ふだんでもよくあるのです」「他に彼女好みの男がつかない限りやがて自立せざるをえず、そう考えると不安で、もうそれだけで追いつめられてしまうのです」
 そして、色川武大が亡くなってから実際の奥さんが書いたのが「宿六・色川武大」。ここでは色川さんがカミさんに頼り切りになっている様子が描かれている。
 どっちなんだと言いたくなるが、どちらもホントなのだろう。真実というのは難しい。感覚でいえば「宿六・色川武大」では事実が書かれ、「離婚」では実相が描かれているという感じだ。

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