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先週のショートショート【23年12月10日~12月16日】

■2023年12月10日(日)
ショートショートを書く。妻からのお題は「床下」。考えれば考えるほど難しい。結局三本書くことになる。一本目は床下に遺産があるという話を書いたが、とっちらかっている気がする。もう二本目は、電子ねずみびすの出てくる話を書いた。書いたのはいいが、あまりにも当たり前すぎて、ショートショートになっていない。あきらめてもう一本書く。終わらない工事。いつまでも基礎工事をしていて、そのうち、掘った穴を埋め立ててしまう。プライマイゼロ。なにもわからない。不条理気味で気に入った。タイトルを「基礎工事」にし、三本目だけをアップロードする。

■2023年12月11日(月)
妻からのお題は「所属」。一本目を書き、オチがちょっと政治含みなので微妙な心持ちがしてきて、二本目を書く。こちらはスパイの話。どちらにしたらいいか妻に聞いたが、はっきり答えない。結局、二本載せることにした。「草体質」と「こともなし」。あとから「えっ、草の話載せたのっ。面白くないっていったのに」とLINEが来た。よく見返すとなんだか分からない絵文字があった。絵文字で評価するな。

■2023年12月12日(火)
妻からのお題は「ベーカリー」。考え込んでいる間に残り30分になる。とんでもなく大きなパン。そのパンを焼くためには、大きなオーブンが必要だろう。というところまで考え、しかし、話は展開せずに止まっていた。すべて大きくすればいいのだと思いつき、あとは勢いで書く。ベーカリーとあまり関係のない話になった。タイトルは「ハトの気持ち」。妻からは面白いと返事がくる。くだらないものを書くと評価が高い。もっとも、妻だけの評価だが。

■2023年12月13日(水)
妻からのお題は「止まり木」。鳥かごの話とバーの話を考えるが、結局、ふたつの話を融合させる。止まり木を自然の横木に変えたら、客層が人間から鳥に変わったら面白いのではないか。冒頭で新聞記事によると、動物の高知能化が始まり……などと設定(よけいな話)をだらだらと書いていたのですべてトル。唐突でなければ意味がない。タイトルは「店の名はバード」にする。

■2023年12月14日(木)
妻にお題を二つ頼む。二日分。一つ目は「段差スロープ」。段差スロープはストレートに段差を埋めるロボットの話を書く。でも、読み返したらロボットが商売をする話になっていた。まあ、面白ければいいや。妻からは「かわいい」という反応が来る。タイトルを「両替の日」にしてアップロードする。

「がらがら」を書く。人が四人出てくる。母親と子どもの話である。おもちゃのがらがらをメインの小道具にした。妻からは「どこが面白いかわからない」という反応がくる。やっぱりか。よほど私の描く人間は読みたくないらしい。修正したがダメであった。没にして、新しいものを書く。地下室に人が飼われている話。人は出てくるが、主体は謎の管理者のつもりである。タイトルは「学習」とする。没にした話は「雨の児童館」というタイトル。月曜日に「学習」を朗読したついでに、没の「雨の児童館」も供養のつもりで朗読する。反応はそんなに悪くなかった。とはいえ、「学習」のほうがショートショートとして優れているのは確かで、やはり「雨の児童館」は没で正解だったのである。

■まとめ
今週は比較的短いもの(400字~600字)が多かった。この程度のほうが書きやすいし、オチも決まりやすい。もっとも最初から500文字を切ることは滅多になく、不要な部分を細かく削っていってようやくこの文字数に持ち込むわけである。そのなかで「両替の日」は853文字ある。情景描写が入ったので仕方ない。ただ、両替の設定が必要なのかどうかは微妙なところ。なにか事件がほしいというリクエストもあった。改修の必要がある。14日に2本書いたのは翌日歌舞伎の観劇を予定していたからである。緊張して前夜はあまり眠れなかった。「流白浪燦星」(ルパン三世)はもちろん面白かった。安土桃山時代の絡繰人形商売は私が書きそうな小ネタだなあと感じたのは秘密だ。

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