青山蒼子

日々のつぶやき、過去の昇華などなど23歳の「いま」を大切に言葉を紡いでいきたいです

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最近の記事

 「誰かの死」を乗り越えた先に

 私は10年前に元彼を自殺で亡くしている。いじめが原因だった。さまざまな苦難や葛藤を乗り越えて、もうすぐ命日になろうとしている。    過去の私は、「彼のために生きなくてはならない」「大切な人のために何か与えなければならない」などの思考だった。生きることに精一杯で、目の前のことに必死にならなければ生きていけなかった。  現在はそうした固定概念や忙しなさがなくなり落ち着いた心で生きている。だが、それは決して彼を忘れたわけではない。よく言われている「心の中で生きている」とは違う

    • おくの色の話

       昔から色を見るのが好きだった。真昼の空に浮かぶ雲、光に包まれて少し白くなった鉄扉、夜のはじまりを教えてくれる夕陽。  どの色も絵の具の1色では描けないような、深く、淡く、儚いような色が混ざり合って、一枚の絵画のような美しさがある  私は昔から絵が下手で、デッサンも色彩感覚も優れなかった。だけど、いつか綺麗だと思った色彩を、陰影を、質感を何かで伝えてみたい。  そんなことを職場の休憩室の鉄扉を見て思った。

      • 朝日をみる帰り道

         私の仕事は夜勤がある。見回りをして帰るのは朝6時だ。  低血圧の私は、いつも15分くらいからアラームを鳴らし、6時過ぎに引き継ぎをして外に出る。    新年が終わり日常が戻りつつある朝6時。空はまだ暗く、いくつかの星が出ている。 「あの星はなんだっけ」と思いながら、空を見上げたときの肌に感じる少しピリつくような寒さも心地がいい。  ゆっくり自転車を漕いで帰路につく。外がだんだん明るくなり、1日の始まりを感じる。自転車を漕ぐときの胸の鼓動と、昇る日の暖かさの中に寒さが入り交

       「誰かの死」を乗り越えた先に