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「どこにいるか」で、「なにができるか」は決まる。

え、そんなことなくね?と思ったかもしれません。

ただ、「なにができるか」は、自分のものさしだけでなく、相手のものさしでも決まります

「自分はプレゼンが苦手なんですよ」という自己認識の人も、まわりからは「え、そんなことないよ。うまいじゃん!」と思われている。そんなことありませんか?

特に、アレもコレもな器用貧乏タイプの人は、「ぼくは◯◯ができます!」と胸を張って言い切れない(言い切れない!)ことに、もやもやしがち。

「なにができるか」「なにが得意か」は、自分の能力以上に「誰といるか?どこにいるか?」で変わると思うんです。

苦手が得意になる

「どこにいるか」で、評価は変わります

自分が「それなりにできる」と思っていることも、そのチームに、「それが苦手」な人しかいなかったら。チームメンバーからみるとあなたは、「できる人」とみられるんですね。

例えばワークショップで、グループで出たアイデアを「最後にプレゼンしてください」というとき。

「誰がプレゼンする?」「わたし、そういうタイプじゃないんで...」と、誰もボールを取らない。そんなやり取りが続くことがあります。

自分自身も「プレゼンは得意とは言えない」と思っていても、誰も手をあげない状況を前に、『上手くはないけどな、でも誰も手をあげないし、この分野についてはそれなりに知っているから、やってみようか...』と意を決して、

「誰もいないなら、ぼくがやりましょうか...??」

「どうぞどうぞ!」

と、まわりから押し出されるように前に出ること無いでしょうか?(ぼくは自分から進んで前に出ないですが、押し出されると張り切るタイプでした)

自分自身のものさしでは「それなりにできる」「苦手だ」と思うことも、あるグループの中にいると「あなたはできる人」と見られるんですね。

プレゼンが苦手な人ばかりのグループでは、プレゼンができる人に。
文章作成が苦手な人ばかりのグループでは、文章作成ができる人に。
営業が苦手な人ばかりのグループでは、営業ができる人に。
人の話を聞けない人ばかりのグループでは、傾聴ができる人に。
前に出る人ばかりのグループでは、後ろでメンバーを支える人に。
自己表現が苦手な人ばかりのグループでは、矢面に立てる人に。

できること、得意なことは、誰かとの比較でも決まる。

「これといって、突き抜けた能力が無いんですが...」という器用貧乏タイプな人は、「どこにいるか?誰といるか?」で、自分のできること、得意なことは変わると思うんです。


「割れた花瓶」という話があります。

割れた花瓶は、水が漏れるので花瓶として使えません。

自宅の食卓にあれば、割れた花瓶は「ゴミ」です。使い物にならない。

でも、美術館に置いてあったら?

割れた花瓶は、「作品」になるかもしれない。

ヒビの入った箇所にこそ、芸術性や物語を感じてくれるかもしれない。

同じ花瓶も、「どこにあるか」で評価は変わるんですね。(この話は「研修」で講師の方から聞いたんですが、「いつか使おう」とずっとメモ帳に残してました)

待ってても何も起こらない

これだけ気軽に自分のできること、やりたいことを表現できても、なかなか「仕事の声がかかる」ことは無いわけです(悲)SNSには自分より「もっとできる人」がわんさかいて吐きそうになるわけです。

ただ、吐いても待ってても何も起こらない(悲)ので、自分自身を「どこに置くか」ということを考えてみたいのです。

一つは、「整ってない」環境に飛び込むこと。(この選択は大変さもあるので、とにかく経験しながら「自分のできる」を見つけたい人に向いているかも)

「このプロジェクトのロゴをつくりたい」
「この活動をもっと広める記事を書きたい」
「金融の知識がある人に話しを聞きたい」

その人や企業が何をしたいか、課題定義ができている時点で、「◯◯ができる人。◯◯が得意な人」に声がかかります。業務が整理細分化されている環境だと、基本的には「◯◯は、◯◯ができる人」と割り振られるんですね。

一方で、

「情報発信したいけど、お店が忙しくて何から始めたらいいかわからない」
「営業に集中しすぎて、裏側の管理に手が回っていない」
「課題はたくさんあるけど、何から手をつけたらいいかわからない」

という環境は、業務が整理も細分化もされておらず、既存メンバーからこぼれ落ちる仕事も多いです。

「じゃあプレゼン資料つくりますよ」「受付フローつくりますね」「一度、状況を整理しましょうか?」「プレスリリース、参考記事を見ながら書いてみました」という具合に、「自分のできる」を見つける機会にあふれています。

もう一つは、「この人、このコミュニティを応援したい」。そう思える場所を見つけること。

できること、何をするかという「コト」に力が湧くのではなく、誰かの力になりたいといった、人に向かうエネルギーが働く動機になっているのであれば、応援したいと思える人のそばにいるときに、腹に力が入るはずです。

急にではなく、少しずつ

「なにができるか」は、「どこにいるか」で決まるという話を書いてみました。

転職でも、転職前は全く評価されていなかったのが、転職後に評価が180度変わった(逆もあるので安易におすすめはできないですが)というのはよく聞く話です。

今の環境や、今の自分自身にくすぶる気持ちがあるのなら、急に場所を変えるのではなく、就業後や週末の時間を活用して、別の場所に身を置いてみてはどうでしょうか。

きっと、これまでと違う「新しい自分」と出会えるはずです。

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