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皮膚科で見かけた自費注射

子どものとびひがひどくなって、手持ちの軟膏では対応しきれなくなったので、皮膚科に連れて行った。初めて行った皮膚科には、所狭しと貼紙があった。ピアッシング。シミやほくろの除去。巻き爪。AGA。ヒアルロン酸やビタミンCの濃厚美容液、まつげ育毛剤、飲む美白サプリ。

そんな中、異彩を放っていたのが自費注射の数々で。お値段設定がまた微妙な、初回限定約1500円、通常約2000円に、診察料380円。(約としたのは端数を記憶していないから。10円単位の設定があった。)このくらいの値段ならやろうかな、と思える絶妙さ。

ということで、中身と薬価を調べてみた。おそるべきぼったくり...もとい、利益率。注射器代や消毒の費用もかかりますし、何より「静脈内注射をする」という手技代を考えたら妥当なのかもしれない、とは思ったのでした。

脂肪燃焼の注射

代謝を上げると書かれていた。中身は、リポアラン(56円)とエントミン(55円)。

リポアランはチオクト酸で、該当する効能効果は「激しい肉体労働時のチオクト酸の補給」と思われる。エントミンはカルニチン塩化物で、「慢性胃炎の消化管機能低下」。ラム肉はカルニチンが多いからダイエットに好適と言われブームになった、あのカルニチンだけど、ブームは一過性だった。

疲労回復の注射

いわゆるニンニク注射とかビタミン注射とか呼ばれるもの。価格は脂肪燃焼と同額で、一緒に打ってもOKとのこと。中身は、メタボリン(94円)とハイ・プレアミン(59円)。

メタボリンはチアミン塩化物塩酸塩で、「食事からの摂取が不十分のビタミンB1の補給」だろう。ハイ・プレアミンは高カロリー輸液用総合アミノ酸製剤で、「低栄養状態のアミノ酸補給」かな。本来は輸液でしか栄養補給できない人に使う高カロリー輸液に、添加するためのアミノ酸。

普通に食事できるなら食事から摂れば良いのに。

美容の注射

美容ってざっくり言われても何だろうな、と思ったら、中身はアスコルビン酸(84円)とビオチン(61円)。一応、アスコルビン酸の効能には「ビタミンC欠乏の炎症後の色素沈着、肝斑、光線過敏性皮膚炎」など、ビオチンの効能には「湿疹や皮膚炎、にきびなどを改善する薬」とありますから、この3つの中では最も皮膚科で扱うにはふさわしいとは思いますが...エビデンスあるのかな、古い効能のまま未だに書かれているだけなんじゃなかろうか。

自費診療ですし、注射打って満足するのなら、それは否定しないけれど、医者を儲けさせてるだけじゃないのかな、重要な医療リソース消費していないかな、と、モヤモヤする。

だいたいワクチン拒否してニンニク注射ありがたがるとか、もはや意味不明(何か見た)。

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