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苦しいときこそ笑顔を絶やさず/藤本愛妃②
レッドウェーブからオファーが来たことを
「素直にうれしかったですね」
と振り返る藤本愛妃選手(コートネーム・アキ)。
しかし現実は、それほどたやすいものではありません。
苦しかった2年目のシーズン
中学から高校へ進んだときと同じように、
一定の自信を持って
レッドウェーブに入団してきました。
「すぐにすべてが通用するとは思っていませんでしたが、
ある程度は自分の持ち味を出していけるかな、
そう思って入ったんです。
でも入ってみると、『あれ?』って思うことが多くて、
自分の強みが何なのかさえわからなくなって……」
それでも1年目は試合に出るチャンスもありました。
手応えがなかったわけでもありません。
しかし2年目(2021-22シーズン)、
藤本選手はどん底へと突き落とされます。
オコエ桃仁花(現エレフテリア・モシャトウ)が
チーム内の立ち位置を確立させたうえに、
同じポジションで、実績のある選手が移籍してきたのです。
出場機会は激減。
努力をしても報われないとはこういうことなのか。
かつて父から聞いた言葉が頭の中を巡ります。
ファンがあってこそのスポーツ
そんな苦しい1年を乗り越えられたのは
ファンのおかげだと、藤本選手は言います。
「好感度を上げたいとかではないですよ」
そう笑いながら、言葉を続けます。
「両親から、スポーツを始めてからずっと、
『ファンがあってこそのスポーツだ』と言われてきました。
特に父からは、
『応援していただけることが、どれだけありがたいことか』
と、ずっと教えてもらってきたんです」
こんなエピソードがあります。
中学生のころ、所属する中学校でエースだった彼女に、
憧れを抱く生徒もいました。
ある試合の日、ファンだという女子中学生3人が
手紙を渡そうとして、“出待ち”をしていたそうです。
しかし、気恥ずかしさと、
どのように対応していいかがわからない藤本選手は、
手紙の受け取りを拒んで、その場から逃げていったそうです。
「たまたま父がその場面を見ていたらしく、
帰ってから、めちゃくちゃ怒られました。
『ファンは大事にしなさい!』って」
![](https://assets.st-note.com/img/1669279175602-sdnP2UHOvw.jpg?width=800)
その言葉の真意を、2年目のシーズンに
改めて感じたと藤本選手は言います。
「ほんの少し試合に出ただけで声をかけてくださったり、
悔しい思いしているときもメッセージをいただいたりして、
こんなにも私のことを見てくださっているんだなって。
試合に出てなくても、たくさんのメッセージをいただいて、
この人たちのために頑張らなきゃなって、
ずっとずっと思っていました」
3年目の今シーズン(2022-23シーズン)、
スタメンに起用されたのは、
単なる選手の入れ替えによるものだけではなく
ファンの気持ちに応えようと、
努力を続けた藤本選手の成果ともいえるでしょう。
レッドウェーブのスタメンとして
スタメンを告げられたときは
「私で大丈夫なのだろうか」
という不安があったと認めます。
しかしシーズンが始まってしまえば、
不安がっている暇はありません。
「もうやらなきゃいけないので、
一つひとつに責任を持って
プレーするようにしています」
もちろん、まだまだ足りないところだらけです。
それでもBTテーブスヘッドコーチから
細かなコーチングを受け、
町田瑠唯選手や宮澤夕貴選手ら経験豊富な選手たちからも
さまざまなアドバイスをもらって、
「こういった表現は誤解を生むかもしれませんが
やっと『レッドウェーブの一員になれた』という
気持ちがあります」
![](https://assets.st-note.com/img/1669279205182-g5mDAc3WOB.jpg?width=800)
これまでもバックアップとして
努力をしてきました。
それがチームのためにもなると思っていたし、
自分自身のためにもなると信じて。
しかしスタメンに起用されたことで、
責任感がより一層増し、
レッドウェーブの勝利にもっと貢献したい。
そのための努力をもっともっとしていきたい。
そう思えるようになったのです。
全力の笑顔で、これからも
藤本選手のトレードマークは、
その笑顔にあります。
苦しいときでも、笑顔でいることによって、
チーム全体が落ち込むことが避けられるのではないか。
これは藤本選手自身が、
誰にアドバイスされるわけでもなく、
彼女の内側から湧き出てくる感覚なのだそうです。
もちろん笑顔の奥には、
苦しんだり、悩んだりした経験もあります。
負けたくないという、
アスリートならではの
勝負にかける情熱もあります。
共に優勝という目標に向かっているチームメイトのため、
プロスポーツの厳しい世界を知りながら、
温かさと厳しさで包み込んでくれる家族のため、
そして何より、支えてくれているファンのため、
藤本選手はこれからも笑顔で、
全力を尽くしていきます。
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