見出し画像

Fujitsu Uvance最前線 Fujitsu Uvance Updateを開催しました!Vol.1

こんにちは!富士通 広報 note編集部です。富士通が、社会課題を起点として、クロスインダストリーでお客様の課題を解決し成長に貢献する事業モデル「Fujitsu Uvance(ユーバンス)」の事業進捗をメディア、投資家、アナリストの方々にご紹介する説明会「Fujitsu Uvance Update」を7月16日に開催しました。
その内容を前編、後編にわけて、画像や動画つきでご紹介しますので、ぜひご覧ください。


会場はFujitsu Uvance Kawasaki Tower。UvanceのUpdateをイメージするブラック、ピンク、オレンジの3色で会場を染めました。

■執行役員副社長 高橋美波のスピーチで開幕!

まずは富士通 執行役員副社長 高橋美波(たかはし よしなみ)のスピーチから開幕です!

「Fujitsu Uvance Updateは、Fujitsu Uvanceの事業の進捗をお伝えする場として今年から開催させていただくことになりました。ぜひFujitsu Uvanceの理解につながればと思っています。
急速なAIの進歩は、ビジネス成長や生産性向上だけでなく、社会課題の解決にも多大な影響を与えると思っています。
富士通は2024年2月に「AIは私たちのバディとなる」をAIビジョンとして、すべてのFujitsu UvanceのオファリングにAIを搭載していくと発表しました。Fujitsu Uvanceは、社会課題解決とビジネスの両面を支援していきます。
そして、AIが十分な性能を発揮するためには、統合されたデータ、リアルタイムなデータ処理、高度な分析をするデータ基盤が重要であり、富士通は、AIとデータの両方を提供する唯一の企業である、と思っています。データとAIによる高度な意思決定(データインテリジェンス)で、ビジネスインパクトとソーシャルインパクトを両立し、お客様の変革をサポートしていく、これがFujitsu Uvanceの提供価値です。」

この後、ビジネスインパクトとソーシャルインパクトを両立するオファリングの具体例として、Dynamic-SCMの事例とデモをご紹介しました。デモの内容は、後編で詳しくご紹介しますのでお楽しみに!

■東京海上ホールディングス様とのトークセッション

続いて、お客様とのトークセッションが行われました。
ゲストに東京海上ホールディングス 専務執行役員 グループデジタル戦略総括 生田目 雅史(なまため まさし)をお招きし、富士通 執行役員EVP 大塚 尚子(おおつか なおこ)とのディスカッションが行われました。
 
東京海上グループ様と富士通は、レジリエントなサプライチェーンの構築を目指して協業し、独自の自然災害データを活用したサプライチェーンにおけるリスク評価、有事に備えた対策立案、予防保険のオファリング「Fujitsu Supply Chain Risk Visualization Service(SCRV)」を2024年1月22日に共同プレスリリースし、共同提供しています。

大塚
「富士通と共同で開発したSCRVについて、保険業界でこのような商品が求められる背景や、お客様にどのような価値を提供しているか、教えてください。」

生田目様
「SCRVを開発した背景として、自然災害が年々激甚化しており、損害保険業界にとっても重要な課題でした。そこで3年前から自然災害に対してデジタルテクノロジーの適用により減災防災のソリューションを開発したいと取り組んできました。
私たちの社会活動はサプライチェーンに大きく依存しており、人々が安全かつ利便性の高い生活を送るためにはサプライをいかに安定かつ効率よく行われいるかが重要です。サプライチェーンは1か所でもリスクが発生すると社会のエコシステム全体に与える影響が大きく、サプライチェーンのリスクをあらゆる形で分析、可視化し必要な手立てをする必要があります。今回、様々なリスクを可視化することで、迅速な判断、代替案を進めることができるソリューションを富士通と共同で開発することができました。」

大塚
「複雑な社会課題を解決するには、複数の企業が協力することが不可欠です。御社も多くのパートナーと協力されていますが、SCRVにおいてなぜ富士通をパートナーとして選んだのか、また今後の展開における富士通への期待をお聞かせください。」

生田目様
「一にも二にもデータの統合力は素晴らしいものがあり、ぜひ利活用させていただきたいと思いました。私たちが持つデータを富士通から見ていただくことで統合の形、価値抽出において、力をいただきたいと思いました。今後はデータ統合力をさらに大きなものに進化させていきたいです。また、当社が展開している46の国での共同事業開発もできるのではないかと思っています。データ統合力、価値想像力、グローバル展開能力で、富士通とのコラボレーションにより、さらに前に進んでいきたいと、大変ワクワクしています。」

大塚
「最後に、昨今、生成AIの発展が目覚ましいですが、急速に進化するAI技術を御社の業務にどのように取り入れているのか、具体的な事例や今後の計画をお教えください。」

生田目様
「生成AIが出てきたときから、即導入しようと考えました。特に保険業務は、写真や画像、手書きなどの非構造化データが山のようにあり、生成AIとの業務親和性を感じました。現在、保険の契約には保険約款という複雑な条件がありますので、迅速にAIで判定していくことに取り組んでいるほか、コールセンター、照会への応答などへ適用を進めています。
生成AIは、効率化だけではなく、新しい価値を創出する能力を秘めており、画像データ分析や因果関係を見ることに活用していくことができると思っています。データとAIが民主化されていく点、人知を大きく超えた高度な価値を提供していくものとして、今後は経営の管理、分析に対しても活用できると考えています。」

大塚
「富士通は、Fujitsu Uvanceとして社会課題解決に取り組んでいますが、私たちだけではできることは少なく、東京海上グループ様のような企業と一緒に開発することで、様々な可能性が出てくると思っています。引き続き新しい価値を一緒に創造していきたいと思っています。」

■執行役員副社長 Vivek Mahajanより、富士通のテクノロジー戦略について説明

続いて富士通 執行役員副社長 CTO CPO Vivek Mahajan(ヴィヴェック マハジャン)より、富士通のテクノロジー戦略について説明しました。

ヴィヴェック マハジャン
「富士通のテクノロジー戦略は、AIを中心にした様々な技術をそろえてエンタープライズに展開することです。AIサービス「Fujitsu Kozuchi」には、包括的なエンタープライズニーズにこたえるための7つのコンポーネントがあり、その一つが生成AIです。
企業における生成AI活用には、企業固有の多様で大量なデータが扱えること、業務ノウハウに特化させたモデルで、規則や法令に準拠することなどのニーズがあります。それを解決するために6月4日、エンタープライズ生成AIフレームワークを発表しています。」

「さらに、エンタープライズで使える生成AIモデルを作ります。現在の生成AIは膨大なGPUの上で動いており、それを一企業で作るのは極めて困難です。そこで、今回、Cohereとパートナーシップを組んでエンタープライズLLMを作ります。富士通はCohereへ出資もしました。
新たに作るLLMは「Takane(仮称)(タカネ)」です。日本語に特化した企業向けのLLMで、お客様のニーズにこたえていきたい。富士通の1+Cohereの1=3になると思っています。」

「Takane」は「高嶺(タカネ)」が由来で、百人一首の一つである「田子の浦に うち出でてみれば 白妙(しろたへ)の 富士の高嶺(たかね)に雪は降りつつ」(山部赤人)から引用しています。日本語能力でトップを目指す、山(富士)の頂をイメージして名づけられました。

Cohere, Inc.は2019年に設立されたカナダ トロントと米国サンフランシスコに本社を置くエンタープライズLLMに特化した会社です。CEOのAidan Gomez(エイダン ゴメス)氏は現在のLLMの基本となっているTransformerの開発者の一人として知られています。

■Cohere CEO Aidan Gomez氏がサプライズ登場!

マハジャン「Aidan Gomez, Please.」
ここでCohereのCEO Aidan Gomez(エイダン ゴメス)氏がサプライズで紹介されました。

ゴメス氏
「富士通とパートナーを組むことを嬉しく思っています。
LLMの登場以来、全世界でこの技術を導入しようとしています。しかし、ほとんどのLLMはセキュリティの観点から企業のニーズを満たすことができません。Cohereのモデルは、プライベート環境で使うことができ、データを圧縮して効率性を高めている、またカスタマイゼーションが可能です。
そして、多言語性が特長です。これまでのLLMは英語が優先されてきましたが、Cohereでは10言語に対応しています。富士通とのパートナーシップにより、日本語も英語と同等レベルに対応することが可能になるでしょう日本は技術的に志が高く、その中でも富士通は技術的に非常に進んでいると認識しています。」

これを受けて、マハジャンは、
「グローバルに展開するうえで、日本語がネックになってきましたが、企業でスムーズかつ簡単に利用できるようにしていきたいです。とてもワクワクしています。」
と応えました。

ゴメス氏はご自身のXでも以下のように投稿しています。

■Fujitsu UvanceのAI事業戦略「全てのオファリングにAIを組み込む」

最後に高橋美波が、Fujitsu UvanceにおけるAI事業戦略として、すべてのFujitsu UvanceオファリングにAIを組み込み、また「Fujitsu Data Intelligence PaaS」を通じて、画像解析や需要予測を始めとする富士通が強みをもつ様々な自社開発AIを提供することや、さらにパートナーとの連携により、世界最先端のAIをオファリングに活用していく方針を語りました。

また、生成AIを組み込む際は、『Chatを超える、Beyond Chat』を合言葉に、従来のレポート作成やチャット利用に留まらない、業務課題を解決するためのユースケースを開発していくとしました。Cohereとの協業モデルが目指す姿を具現化するイメージとして、例えば、生成AIが、部品交換の手続きなど社内固有のルールに合致しているかの判断を行い、また機器の故障に対して、過去の修理履歴をRAGで読み込み、特化型LLMを用いて、故障の原因分析と修理方法のリコメンドを行うことができるようなものを紹介し、業務の様々なシーンで、お客様が自然にAIの恩恵を受ける世界を提供することを具体的にお示ししました。


富士通は、Fujitsu UvanceオファリングをUpdateし続け、お客様が意識せずに、「精度」「コスト」「セキュリティ」において最適なAIを利用でき、複雑な業務でも自然とAIの恩恵を受けられるようにしていくという、Fujitsu Uvanceの提供価値を伝え、​締めくくりました。

次回は「Fujitsu Uvance Update」で展示したデモについて紹介していきます。
お楽しみに!

おすすめ記事


富士通 広報noteについてメディア取材ご希望の方は以下よりご連絡ください。 ご利用環境により、以下ボタンが反応しない場合は、<fj-prir-note@dl.jp.fujitsu.com>をご利用ください。