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「ひまわり」のマイクロノベル 他3篇 #34

 百万本のひまわり畑の中で、たった一本だけ振り返る花に、どうにも親近感がわいてずっと眺めていた。ぼくがひまわりだった頃も、あんなに風に咲いていたから、来世は人間だよと送り出されたのが昨日のことのようだ。

 ひまわり畑の花たちに顔がある。こちらを見て、みな笑っている。地面から根をずぼと抜くと、一歩、二歩近づいてくる。驚いて逃げようとするも、足は地面に生えていて動けない。声も出ない。そろそろ交代の時間だ。

 近頃、夜中に空き地からなにか大声が聞こえてくる。どこの言葉か、何をしゃべってるのかわからない。夜は怖くて見に行けないが、昼間に空き地見てみると、こんなものが生えていた。それも、日に日に数が増え、大きくなっている。人間じゃ無くて安心した。

 お手玉に入れるジュズダマが花咲くとき、願いごとをしたジュズダマを入れて作ったお手玉で遊ぶと、その願いが叶うという。そんな世界になりますように。

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