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インデックス型 ETF で長期の資産形成を有利に進める 【基礎知識編】

今回は、投資信託・ETF の説明から始めて、長期の資産形成を有利に進めるための方法を紹介します。

(この記事を書いた藤田の Twitter は、こちら

投資信託とは

例えて言えば、投資信託は「お菓子の詰め合わせパック」です。投資家は、お菓子を個別に購入するのではなく、いろいろなお菓子を詰め合わせた「パック」を証券会社から購入します。

そのパックにどんなお菓子をどれくらい詰め合わせるかは、プロがヨロシクやってくれます。そのため、投資家が投資のシロウトであっても、いろいろなお菓子をまんべんなく楽しめます(これを「分散投資」と言います)。

投資信託協会のウェブサイトより引用

このように、投資家は株式・債券などの個別銘柄をいちいち選ぶ必要なく、リスクを分散させながら手軽にお金を投資・運用できます。これが投資信託のメリットです。

投資信託の種類

投資信託(ファンド)は、大きく分けて2種類あります。

インデックスファンド

インデックスファンドは、その値段が所定の指標に連動するように運用されるファンドです。例えば「日経平均株価」という指標(インデックス)に連動する投資信託(ファンド)の値段は、日経平均株価が上がれば上がり、下がれば下がります。

世界にはさまざまな経済指標があり(ダウ平均株価、債券指数など)、指数の種類に対応してさまざまなインデックスファンドがあります。

アクティブファンド

アクティブファンドは、プロが調査・分析を通じて優良な銘柄を厳選し、各種インデックスより高いリターンの獲得を目指すファンドです。

インデックスファンドとアクティブファンドのどちらがいいかは、一概には言えませんが、この記事では「インデックスファンドで長期運用!」がテーマですので、アクティブファンドについては忘れて大丈夫です。

利益の出し方

投資信託で利益を出す方法は2つあります。
1. 安く買って高く売る
2. 分配金をもらう

第一に、投資信託の値段が安い時に買い、高くなった時に売れば差額で利益が出ます。これが最も分かりやすい利益の出し方です。

第二に、投資信託を購入すると、その運用成果が各投資家の投資額に応じて分配されるので、その分配金を得ることにより利益が出ます(これに関しては深く考えなくて大丈夫です)。

上場投資信託(ETF)とは

その名のとおり、株式市場に上場している投資信託のことを「上場投資信託(ETF)」と呼びます。投資信託と ETF では、どちらも「お菓子の詰め合わせパック」という本質は変わりません

証券会社のウェブサイトからの買い方が違うだけですので、細かな違いは意識しなくて大丈夫です。

インデックス型 ETF は長期の資産形成に有利

さて、ようやく本題までやって来ました。
ここから「インデックス型 ETF(インデックスファンド)は、長期の資産形成に有利である」ことを説明します。

世界は必ず豊かになっていく

世界には「儲かっている(経済成長している)国・地域」と「儲かっていない国・地域」があります。例えば、米国はなんだかんだ(同時多発テロやリーマンショックなど)ありながらも基本的には前者ですし、日本は(残念ながら)後者です。

また「儲かっている期間」と「儲かっていない期間」もあります。例えば、コロナ禍では世界経済が停滞して全世界が儲かっていませんでした。その結果、世界の富は一時的に激減しました。

このように、世界の富は国・地域・期間で偏りがあります。少し考えるまでもなく、当たり前の話ですね。

でも、長期的かつ平均的に見れば、世界は着実に豊かになっています。これは、ベストセラー本「FACTFULNESS」でもデータに基づいて明らかにされている事実です。もちろん、これからも世界の富は増え続けていきます

実際にどれだけ豊かになったか

「FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス」と呼ばれる指標があります。詳細な説明は省きますが、これは「世界全体の豊かさ」を示す指標とみなせます。

そして、この指標と連動するインデックス型 ETF「バンガード・トータル・ワールド・ストック(VT)」の値段は、12 年で約 2.5 倍になりました。言い換えれば、世界の富はたった 12 年で 2.5 倍にもなったわけです。すごい。

2010 年 1 月初旬では VT の1口あたりの値段は約 44 ドル。
それが 2022 年 1 月初旬では 108 ドルになっている

放置するだけでビッグウェーブに乗れる

ということは、この世界的なビッグウェーブに乗っかって、コツコツと長期的にこの ETF を買い続けていれば、あなたの資産も増え続けたはず。

例えば、給料日に所定金額を証券口座に移すように設定しておいて、そのお金で ETF を定期買付するようにしておけば、自動的にビッグウェーブに乗ることができます。つまり、投資・運用を「給与天引き」として仕組み化してしまうのです。

こうしておくだけで、銀行口座に眠らせておくよりも圧倒的に効率よくお金が増えていきます。なんなら、給与天引きされていることを忘れてしまえばいい。気がついたら時価総額が膨れ上がっているでしょう。

元本割れのリスク

……と、まァ、ここまで ETF のメリットを書いてきましたが……あくまで「高い確率で儲かる話」であって「必ず儲かる」わけではないことに注意が必要です。つまり、元本割れのリスクがあります。

例えば、次の図のようなパターン。

(1) 2年以上かけてコツコツと書い続けてきた
(2) 急にまとまった資金が必要になったので ETF を売って現金化したい
(3) しかし「コロナ禍」という予測不可能なインシデントにより、一時的に値段が急落していた
(4) その値段で仕方なく売却して現金化したが、元本を割ってしまった

この場合は「タイミングが悪すぎた」としか言いようがないのですが、こうした元本割れが起こるおそれは十分あるので注意が必要です。

ETF への長期投資を検討しよう

さて、今回の内容をまとめると次のとおりになります。

  • 投資信託・ETF は「お菓子の詰め合わせパック」である

  • 世界の富は確実に増え続けている

  • インデックス型 ETF には世界の富の量と連動するものがある

  • 長期的にインデックス型 ETF に投資し続ければ資産形成に有利である

  • タイミングによっては元本割れのリスクがあることに注意

最後に説明したとおり、ETF は金融商品なのでリスクはあるのですが、それを上回るメリットが十分にあると私は思います。みなさんも、有利な資産形成にぜひ ETF を使ってみてください。

※ 投資は自己責任で。この記事を読んで損をしても一切責任は持ちません。





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