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何故、自身をXジェンダーだと発信する若者が増えてきたように感じるのか。性的マイノリティについてかんがえる。

はじめに。

「性自認がしっかりしているのはいい事だと思うよ。最近、Xジェンダーを語る若い子が増えてきていて、イライラしていたから。」

私が直接言われた言葉ではなく、私含め数名の集まりで耳にした言葉。会話の一部を切り取ってしまうようで申し訳ないが、いつ、どんな時にこの言葉を聞いたかは伏せておく。

性自認、つまり自身の性をどのように認識しているかということだ。こころの性ともよばれる。
恐らくこの発言をした人は、こころの性を「男性」または「女性」としっかり認識していることはいい事だと言いたかったのだろう。

そして、後半。Xジェンダーとは、性自認が男性とも女性ともいえないと感じる人々のことである。
Xジェンダーの方々にも色々な感じ方があって、男性女性どちらでもある方や、反対にどちらでもない方もいる。男性と女性の中間だと感じる方もいれば、その時によって男性だと感じたり女性だと感じたりするように変わる方もいる。

そんな性自認について少し話しをさせて欲しい。

〇私自身の性自認
〇なぜXジェンダーを語る若者が増えてきたのか
〇性自認は男性か女性か、はっきりしていた方がいいのか

今回は上記3点について。

私自身の性自認

からだは女性として、私は生まれた。
幼い頃はピンク色やフリルが沢山ついたような、かわいらしい服を祖母の好みで着せられていたという。当時はなんの違和感もなく着用していた。

自らのからだの性とこころの性が違うかもしれない、と思ったのは16歳の頃に同級生の子と話してみたときだ。
その子は、からだの性は女性だが、こころの性はまだわからない、と言っていた。

それまではXジェンダーやノンバイナリーのように「どちらともいえない」やこの子のように「わからない」という答えがあることを知らなかった。
そのため、性自認に違和感がある=からだの性と全く違う(からだの性が女性なら、こころの性は男性など)ということだけだと思っていた。
新しい観点を見つけた私は、自分について考えてみる時間を日々作っていった。「自分らしい」とはなにか。「自分がなりたい自分」とはどんな人か。
そうすると、少しずつ見えてきたものがあった。

私の場合。
こころの性は男性寄りだけれど、完璧に男性でもない。ここについては後述する。

表現する性は男性と女性どちらも。
私はかっこいい服がとても好きだし、髪も金髪でショートヘアだ。ただ、フリルのついた服やかわいい色合いの服もたまーに好きで着たくなる。
私にとってファッションとは、その日の気分や行く場所に合わせて行う「コスプレ」の様なもので、どれもが私であり、どれもが「今現在の」私を示してはいない。

そして、先程触れた私のこころの性について。
私が自分について、とても男性らしいなと思うことはない。だけれども、趣味の裁縫の話を他の人にすると、「女子力高い!」「女の子らしい趣味だね」と言われることが多くモヤッとすることがとてもある。
これは、私が「女性(男性)だから」「男性(女性)らしく」という言葉が苦手だからという理由もありそうだが、それ以前に「女の子なんだね」というような意味合いのある言葉を自身に言われることがとても気持ち悪かった。まるで、あなたは女として生きているのだと突きつけられるかのようで。

何故Xジェンダーを語る若者が増えてきたのか

これは、最近になってXジェンダーを含めLGBTQについての話題が盛んに飛び交うようになったからだと思う。
そこで、私のように「このような感じ方もあるのか」と気づいたり、「もしかしたら」と思う人も増えてきたのだろう。

若者だけに多い、とのように1番初めに発言を切り取ったあの人は言っていたが、それは本当だろうか。
たしかに、情報が入りやすかったりインターネットやSNSで気軽に発信できたりする若者世代の声が目立つかもしれない。リアルでも、立場上言いやすい若者のカミングアウトが多い可能性がある。
ただ、大人世代でも若者のように「もしかしたら」と感じている人は若者と同じくらい居ると私は思う。なぜ言えない、または言わないかと言うと、年齢が上がるにつれて偏見が多いことや、家庭や仕事など立場上公にすることが難しいことがあげられるのではないか。

「Xジェンダーを語る若い子が増えてきていて、イライラしていたから。」
これも立派な偏見である。
カミングアウトしやすい社会を、とつくりかえていっている最中の世界。この人の声だけでなく、どうか性に悩む人々の声も聞こえるようになりますように。

性自認は男性か女性か、はっきりしていた方がいいのか

性自認。この言葉をもう一度考えて欲しい。
性「自」認なのである。
つまり、自分がどう感じるかということ。
自分自身しか決められないことを、「はっきりしていた方がいい」とか言われる筋合いは無いのである。

「はっきりしていた方がいい」
この言葉を書き換えるのならば、「はっきりしていても、はっきりしていなくてもいい」。

はっきりしている方がいいとか、はっきりしていない方が自由とか、そんなことはない。
どちらも自分らしく生きていくための、私が、あなたが決めたこころの性(性自認)なのだから。

さいごに

LGBTQについての理解は、まだ進んでいない。それでも、昔に比べると少しずつジェンダーの話題が出てきていると思う。
声をあげる人々と共に、少しずつ未来を切り拓いていきたい。

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