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箱根駅伝で母校を応援するという喜び

この令和2年の正月のトピックは、箱根駅伝に母校が出場したことでした。

箱根駅伝が誕生したのは、1920年(大正9)にさかのぼります。
創設の原動力になったのは、マラソンの父として知られる金栗四三らの「世界に通用するランナーを育成したい」との思いでした。

令和2年の箱根駅伝は第96回開催ですが、1920年の創設から100年の節目の大会。その大会に、26年ぶりに第1回参加校のうちの1校が帰ってきたことが話題になっていました。その大学=筑波大学は、前身である東京教育大学を遡ると東京高師という学校名になり、第1回箱根駅伝に参加した4校(東京高師、早稲田、慶應、明治)のうちの1校なのです。

「東海道駅伝」の成功に意を強くした金栗らは、大学や師範学校、専門学校に箱根駅伝創設の意義を説いて参加を呼びかけました。結果、早大、慶大、明大、東京高師(現筑波大)の四校が応じ、1920年2月14日午後1時に第1回大会が「四大校駅伝競走」の名称でスタートしました。

私の母校は、その筑波大学でして、実に26年ぶりに母校を箱根駅伝で応援することができたわけです。

昨年の大河ドラマは、この箱根駅伝を創始した金栗四三さんが主人公で、日本におけるオリンピックの歴史を初参加から東京開催までの陰で何があったかを振り返るものでした。視聴率的に苦戦したことばかり報道されていましたが、物語としては面白いものだったと思います。宮藤官九郎の脚本は伏線があり、その回収が意表をつくものなところが面白いのですが、大河ドラマの主要視聴層には難しかったのかな、やはり歴史ドラマの方が良かったのかな、苦労したのになあ。

「あまちゃん」のときもそうでしたが「いだてん」はゴールが最初に決まっていました。金栗四三さんが半世紀以上たってからストックホルムオリンピックのゴールテープを切ったというエピソード、そして古今亭志ん生が東京オリンピックの開会式当日に『富久』を高座にかけていたという史実を知ったときから「最後はあれだ!」と思っていたので、自分でも無意識にそこに向かっていったんですよね。

こういう発想は、朝の連ドラ「あまちゃん」ではハマったけれども、大河ドラマ的ではなかったのかもしれません。でもきっとDVDはたくさん売れるように思います。総集編を見ましたが面白かったし。

それはさておき、私が結婚したのは1993年2月で、結婚して最初の正月となった1994年の箱根駅伝は、夫婦で一緒に見ていました。箱根駅伝をちゃんと見るようになったのは、この時からですが、見始めると面白くなってしまい、毎年正月の楽しみの一つになっています。

この見始めた年が、実は26年前の筑波大学が前回出場した年だったわけです。我が家は妻の母校が東海大学で、この時は、母校決戦と言いつつ応援していました。それから26年、東海大学は優勝校にもなり、今回は下馬評では圧倒的な優勝候補でしたが、結果は、青山学院大学の底力に敗れました。

一方で筑波大学は予選会で敗れるようになり、たまに学連選抜で一人見かけるくらいになりました。その間に聞いたのですが、大学時代の演劇部の先輩の息子さんが筑波大学の陸上部に所属していて、自分たちは出場できなかった中で、毎年、箱根駅伝の会場整備など運営の仕事をしていたそうです。関東陸連所属大学の学生は出場できなくても箱根駅伝に関わることを誇りにしていたと伺いました。そういう学生にも支えられている大会なんですね。

いつの間にか、我が家でも母校対決などという言葉は出なくなり、私も単純に妻の母校である東海大学を応援しているようになりました。

そんな26年が経って、筑波大学の出場が決まったのは驚きました。

しかし、これは偶然の産物ではなく、一つのプロジェクトの結果でした。

本学の箱根駅伝復活プロジェクトは、東京高等師範学校出身の金栗四三翁によって構想された箱根駅伝の原点に立ち返り、粘り強さと創意工夫に富む筑波大学らしい学生育成の場として位置づけようとするものです。

そして、大学全般の活動に関して寄付金を集めてきた中で、目玉プロジェクトに取り上げられてきました。

■箱根駅伝復活プロジェクト
筑波大学(東京高等師範学校、東京教育大学等を含む)は、箱根駅伝出場回数が60回を超える伝統校ですが、1994年の出場以来、20年以上もの間、出場を果たすことができていません。その現状を打破すべく、プロジェクトを立ち上げて、箱根駅伝に出場するために、精進を重ねています。同時に、箱根駅伝を目指した活動を通して、学生の「飽くなき探究心」と「実践力」「自律」を育み、卒業後に社会で通用する人材育成をしていくことも本プロジェクトの目的になります。

また、クラウドファンディングでも寄付を募ってきました。

第96回箱根駅伝予選会において、我が筑波大学は第6位* で予選を突破し、26年振りに箱根駅伝本戦出場を決めることができました。これもひとえに、2016年度から4年間に渡り、クラウドファンディングを通して多くの皆様方にご支援をいただいたおかげと心より感謝申し上げます。

こうした様々な活動の成果が今回の箱根駅伝出場でした。

国立大ゆえの大きな障壁が、強豪私立大に比べて少ない活動資金だ。環境や体制の差を少しでも埋めるため、寄付を募るクラウドファンディングを16年から始めた。今年は196人から計335万円。支援金を合宿のトレーナー帯同費や栄養サポートなどに充て、着実に成長していった。

結果は、20位でしたが、十分に感動を生んでくれたと思います。

思っていたよりも母校を応援するというのは胸が熱くなるものでした。母校という言葉さえ、あまり口にしなくなりましたが、秋のワイナリー巡りを大学の先輩後輩と一緒に行っていることもあって、今年は母校感が高かったなあ。

箱根駅伝は母校が出てなくても、手に汗握る展開で結局ずっと見ちゃうんですけどね。



サポートの意味や意図がまだわかってない感じがありますが、サポートしていただくと、きっと、また次を頑張るだろうと思います。