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東大、東北大が踏み切ったニューノーマルに見習う点は多いんじゃないかな

徳力さんの記事で知ったんですが、東大の講義オンライン化がすごいらしいです。

東大だからできたわけではないオンライン化

五神真総長が推進したかと思うと、やはり、それを支える組織がしっかりしていたという話のようです。

現状、実験や実習といった物理環境が必要な講義以外は、ほぼすべての講義をオンライン上で実現できているという。
講義をオンライン化するにも新学期の開始日程を延期する大学が多かった中、なぜ東大はこれほど早く対応できたのか。
東大のオンライン化を主導する立場を担った、東京大学情報基盤センター長・田浦健次朗教授に話を聞くと、大きな組織が変化するために必要なヒントが見えてきた。

情報基盤センターという名前の組織は、どの研究所や大学にもあるんじゃないかと思います。ここで学内のネットワークとかPCとかの面倒を見ている感じで、元々は研究用に大型コンピューター導入の時にできた組織だったりすることが多そうです。

総長の鶴の一声があったとしても、約3週間という短期間で全学のオンライン化を混乱なく実現するのはほとんど至難の技といえるだろう。

東大だからすごいんでしょ? と思われるかもしれませんが、中にいたことがある私の目から見ても、東大が突出してすごいという印象はありません。東大は学部も多いし、組織が複雑で、さらにキャンパスも駒場と本郷に分かれていますし、なかなか難しい組織なのです。

さらに、文系から理系、工学系まであって、教授たちのITリテラシーがものすごく幅広いという事情もあります。いつまでも会議資料がPDFにならないと怒っている先生がいる一方で、原稿を書く以外でPCに触らないような先生もいるほどです。

東大のオンライン化の試みも、一見すると五神総長の鶴の一声で一気に推し進められた結果のように見えるが、実情はどうやら異なるようだ。そもそも東大は、10の学部、15の研究科ほか、さまざまな部局からなる巨大組織。トップダウンで物事を進めるには、組織として複雑すぎる。

東大から何を学ぶべきか

ここで、情報基盤センターが推進役として活躍したという記事内容なのですが、この記事から、企業が学ぶべき点としては、二つ。

・トップが方針を明確にして、しかも情報化に理解があり熱心であること

・わかっている人間(この場合は情報基盤センター)に権限を委譲し、その上で一部組織だけではなく横断的に取り組みを推進していること。

東大では、講義のオンライン化を進めるにあたり、必要な学内システムやオンライン会議ツールについての説明、大学のサポート体制、トラブル対応などに関する情報が集約されたポータルサイトを公開している。

サポートシステムをきちんと作るのも重要ですね。

こういったサイトの開発やコンテンツの充実は、田浦教授ら情報基盤センターの教員や職員、大学総合教育研究センターや東京大学駒場キャンパスの初年次部門といった学内の横断的な協力があってこそ実現したものだという。

この横断的な協力がないと、一部の部門だけが突出してしまい全社的に広がらない危険があります。反論だけ言って、解決策を出さない年寄りはどんな組織にもいるものですからね。これまでは、東大だって、教授会でそういう目にあってきたから、リソースはあっても、オンライン授業が広がらなかったわけです。

「システムの7割くらいはもともと大学にあったものです。ただし、使っていない人や知らない人が多かった。利用されていなかったのは、分かりやすい説明がなかったからではないかと思いました。だからこそ、オンライン講義受講のためのマニュアルなどを大幅に書き足しました」

こういう工夫が大事ですよね。でも、準備があったから対応もできたとも言えます。

ウィズコロナの時代に、企業でも新たな日常を作る中で、これまで進められなかったデジタル化とかシームレスとか、オンライン化とかに手をつける時なんじゃないでしょうか。

元に戻すのではなく、Underコロナでわかった弱いところをどうするのか。それを補うのか、修正するのか、withコロナでは、何らかの手を打つべきでしょう。そして、来るべきafterコロナ社会に備えた企業が、適応し、生き残っていくのではないでしょうか。適者生存ですからね。

そのチャンスだと見るべきだと思います。

東北大学に見るハンコレス社会

そのチャンスを生かしたのが、やはり大学だったので、一緒にご紹介。

東日本大震災を経験した本学は、新型コロナウイルス感染症という世界規模の危機においてもそれを克服し、New Normal時代を見据えた新たな社会構築に貢献していくことを責務と考えています。新常態のもとでの社会変革を先導するために、本学における教育、研究、産学共創、社会連携、経営等、あらゆる活動をさらに発展させていきます。その取り組みの一環として、窓口サービスや各種手続について、これまで推進してきた業務改革をさらに加速させ、従来「あたりまえ」とされていた業務の見直しを徹底し「オンライン事務化」を宣言いたします。

大学といえば、事務が官僚的で何かと横柄な対応を受けるという印象があります。学内からも学外からも不評なんて言うところもあります。

ところが、東北大学はハンコをなくすそうです。

<窓口フリー>
学生・教職員の各種手続や相談は、対面を重視したオンライン化を拡充させ、これまで以上に学生一人ひとりへのきめ細やかなサービスを提供します。
<印鑑フリー>
押印を廃止し各種手続きの完全オンライン化を進め、同時に電子決裁システムを導入し業務の効率性も向上させます。
<働き場所フリー>
職場と同じ環境で仕事ができるテレワーク環境のもとで、職員一人ひとりの多様なライフスタイルに寄り添った働き方を一層加速化させます。
 原則として押印を廃止するのは、学内の申請や決裁手続きのすべてだ。電子決裁システムを導入することで業務過程の全般をオンラインで行えるようにする。100以上の業務で押印が不要となり、年間約8万時間の作業時間の削減を見込む。段階的に進めて、年末までに全面移行を目指す。

私も6月1日からハンコを押しに会社に出てきています。

この間、請求書のPDF化を進めて、OKが取れた取引先も増えています。PDFだけで完結している大手企業もあります。でも、まだ多くの会社では、担当から上司の決済まではPDFで取れていても、その後、やっぱり、経理あてにプリントアウトした請求書と押印した納品書とか請書を送らなきゃならなかったりするんですけどね。

手形と小切手を集金しないといけない会社もありますし。

そう言う意味では、東北大学を見習っていただきたい会社はまだまだ多いです。

東北大学も大きいし、キャンパスも複数ありますので、実現にはいろいろな不具合が不都合もあると思いますが、思い切りましたよね。オンライン事務化と言いますが、1600人以上の事務方のテレワーク環境が可能になったそうです。ちょっとした会社より大きいでしょう?

やれば、できる。

ティモンディ高岸の言葉みたいになっちゃいますが、やらないとねえ。



サポートの意味や意図がまだわかってない感じがありますが、サポートしていただくと、きっと、また次を頑張るだろうと思います。