今年読んだおすすめの本について

こんにちは、ヒラタです。クリスマスでもソーシャルディスタンスを欠かさない理系大学生です。

はじめに


当ブログは私が今年読んだ本を紹介していく誰得なコーナーです。本紹介といっても私自身人に自慢できるほど豊富な読書経験を積んできたわけではありません。幼い頃は毎週図書館に通うも、ドラえもんの〇〇ができる!シリーズとか歴史上の偉人についての漫画をひたすら狂ったように読んでいるような子供でした。

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あの頃はこれがおもしろかったんだよなぁ…


その後、歳を重ねても一向に漫画以外の本を手に取ることなく私は高校生になるわけですが、高校時の私の漫画好きはもはや中毒と言っていいほどのものでした。そうなってしまった原因はいくつかあるのですが、最大の原因はやはりあのサイトがネット上に存在していたことにあります。


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最近は村ではなく銀行になったらしいですね


このクマに頭を侵された私は生き急ぐかの如く漫画を読み続けました。漫画以外の本を読むことなど夏休みの読書感想文を書くときを除いてなかったように思います。つまり、私の高校時代の読書経験は実質0に等しいものだったのです。こんな人間がどうしてnoteで本の紹介をするほどの読書好きになったのか、気になる人もいるかもしれませんが、それはまたの機会があれば話すことにしましょう。


この通り、当ブログは読書に最近ハマったにわか本好きが本を紹介するコーナーなので、「本読みたいけどどれが面白いのかが分からない!」「何から読み始めればいいの?」と思っている人にもオススメです。



さっさと本題に


私がnoteを書き始めたのは自分語りのためではなく、本紹介をするためだということを危うく忘れるところでした。私は大学2年の秋学期の始めから今日に至るまで週2、3冊のペースで読書してきたのですが、流石にその全てをこの場で紹介するわけにはいかないので、特に印象に残った作品を厳選し、ジャンル別に紹介できたらいいなと思っています。


ただamazonリンクを貼るだけでは芸がないので、自分にとってのおすすめ度と読みやすさを5段階評価で載せておきます。評価基準は以下参照。

おすすめ度
★★★★★:とてもおすすめ!
★★★★☆:割とおすすめ
★★★☆☆:面白いけどオススメする程でも
★★☆☆☆:あれば読むかな
★☆☆☆☆:読みたければどうぞ()

読みやすさ
★★★★★:中学生でも楽に読める
★★★★☆:高校生以上なら余裕
★★★☆☆:一般的な文学作品レベル
★★☆☆☆:ゆっくり読めば分かる
★☆☆☆☆:1回じゃ到底理解できない




やっと本の紹介が始まります。今回のジャンルは…

「近代日本文学」

です。


※近代日本文学とは…
明治維新以降、日本では言文一致運動なるものが盛んに行われました。ざっくり言うと「普段の言葉遣いに近い言葉で文学作品は書かれるべきではないか!」というものです。この運動に伴い、大衆の娯楽として書かれた大衆文学に対して文学性・芸術性を重視した「純文学」が登場します。近代日本文学の有名作品の殆どは純文学にあたり、これから紹介する作品もまさしくその純文学というわけです。


というわけで今回は以下の3冊を紹介します、、、まずは1冊目。

1.こころ(新潮文庫) 夏目漱石


おすすめ度:★★★★★
読みやすさ:★★★★☆

誰しもが一度は耳にしたことのある超有名作です。多くの高校の国語の授業で取り扱われるようですが、実はこれ上中下の3部で構成された作品なんです。それでもって教科書に載っているのは「下」の文章の一部なんです。知ってましたか?


上:先生と私 中:両親と私 下:先生と遺書 とタイトルがついていますが、この「私」は教科書で出てくる「私」とは別人です。教科書に載ってる文は「主人公が『先生』と呼び慕う人物」の遺書であり、先生の視点で書かれているわけです。


実は私も最近までfull versionを読んだことがなかったのですが、読了後は「なんで高校の頃、教科書の内容で満足してしまっていたんだ…」状態でした。この物語のここかしこに人の生における一つの本質を凝縮したような名文が散りばめられています。近代日本文学の中でもかなり読みやすい部類だと思うので、まだ全部は読んだことない!って方は是非手にとってみてはどうでしょうか。

そんな鋳型に入れたような悪人は世の中にある筈がありませんよ。平生はみんな善人なんです、少なくとも普通の人間なんです。それが、いざという間際に、急に悪人に変わるんだから恐ろしいのです。だから油断が出来ないんです。

↑この文特に好き


2.金閣寺(新潮文庫) 三島由紀夫


おすすめ度:★★★☆☆
読みやすさ:★★★☆☆

1に続き、こちらも有名作です。三島由紀夫はこの頃の文豪の中でも世界的評価が特に高い作家の一人です。憲法改正のため自衛隊の決起を呼びかけた後に割腹自殺をした事件のイメージが強いのは私だけではないでしょう。


正直この作品はおすすめ度はあまり高くないのですが、読んだ当時のちょっとしたエピソードが印象に残っていたので紹介することにしました。詳しくは以下の記事を参照。


この物語は「主人公が金閣寺を燃やしてしまう」という結末が一人歩きしているイメージがありますが、この作品の面白さはその結末よりも「金閣大好きっ子の主人公が金閣寺を燃やすに至るまでの心情の変化」にあるのではないでしょうか。


1950年、一人の寺の僧が金閣を放火した事件は有名ですが、それを聞いた当時の三島由紀夫は「この青年はどんな経緯があって金閣を燃やすに至ったのだろう?」と考えてこの作品を執筆したそうです。ザ・純文学という感じで、なかなか読み応えのある1冊です。

3.正義と微笑(Kindle) 太宰治


おすすめ度:★★★★☆
読みやすさ:★★★★☆

最後は太宰です。上の2つと比べるとややマニアックかもしれません。太宰治と聞いて真っ先に思い浮かべるのは「走れメロス」、次に「人間失格」「斜陽」といったところでしょうか。もちろんこれらも面白い作品ではあるのですが、如何せん暗い終わり方をしがちなので私はこの「正義と微笑」を推したいです。


主人公の成長過程を日記形式で描いているのが最大の特徴でしょう。太宰治が弟子の弟の日記から着想を得て書かれた作品と言われています。太宰作品の中でも読みやすい部類です。ちなみにKindle版なら無料です。


私がこの作品を知ったきっかけはとあるツイートで以下の文章が回ってきたことでした。

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中高時代、勉強さえしていれば先生や親から無条件に肯定してもらえていた私にとって「勉強」という行為は最も価値が高いものでした。しかし、大学に入ってから「勉強しかできないやつはダメだ」とか「勉強なんて誰でもするものだから、それ以外の所で頑張らねばならない」とか勉強を軽んじる言葉を耳にすることが増えたような気がします。東京に蔓延する学歴至上主義は学問や勉学そのものを尊ぶものでは必ずしもなかったというわけです。これまで自分が持っていた価値観が揺らいでいた当時の私に上記の文章は勉強という行為の意義を改めて教えてくれました。

上に貼った文章がこの本の全てというわけではないですが、もし当時の私と同じくこの文に惹かれるものを感じた方は一度手にとってみてはいかがでしょうか。

おわりに


本を3冊紹介するのにずいぶんと時間をかけてしまった気がします。本来はクリスマスの夜に投稿する予定だったのですが、大分遅くなってしまいました。他のジャンルの本も少しずつ紹介していきたいと思っていますが、私の大学の課題の進捗次第ではどう転ぶかまだ分かりません。長い目で見守っていただけたらと思います。


それでは良き読書ライフを。

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