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しゃべくり漫才のうまさは「相槌」で決まる。漫才がうまくなりたいなら,台本に書いていない「相槌」の打ち方を学べ.

しゃべくり漫才がうまい漫才師はみんな,「相槌」の打ち方が本当にうまいです。

例えば,「横山やすし・西川きよし」「太平サブロー・シロー」「オール阪神・巨人」「おぼん・こぼん」などは,「相槌」が天才的にうまい。

比較的最近のコンビでは,「キングコング」のうまさはずば抜けていますが,他にも「タカアンドトシ」「品川庄司」「タイムマシーン3号」「トレンディエンジェル」「ギャロップ」「藤崎マーケット」などなど,「相槌」がうまい漫才師はたくさんいます。

相槌の種類

漫才の「相槌」には種類があって,[1]「はいはい」「え〜え〜」「そうですね」といった誰にでもできる簡単なものや,[2]「相方のセリフをほぼそのまま繰り返す」という慣れれば普通にできるもの,[3]「相方の話に説明を加えたり質問したり」という少し技術が必要なものなどがあります。

この後,例として「オール阪神・巨人」と「キングコング」の漫才を引用しますが,それぞれどの「相槌」にあたるか[1][2][3]の番号を記載しています。

台本には書いていない「相槌」に,漫才師としての力量があらわれる

オール阪神・巨人のお二人を例に挙げますが,例えば,こういう漫才台本があったとします。

巨人:3か月ほど前に阪神くんが入院しまして。メニエルで。ず〜と「ムニエル」言うてましたこいつ
阪神:間違うてましたんや〜

実際にこういう台本だったのかは分かりませんが,オール阪神・巨人のお二人はこのように演じておられました。

巨人:3か月ほど前
阪神:え〜え〜 [1]
巨人:阪神くん
阪神:わたしがね [3]
巨人:入院しまして
阪神:入院したんでございます [2]
巨人:メニエルで
阪神:あの…「メニエル」というのはね [2]
巨人:ず〜と「ムニエル」言うてましたこいつ
阪神:間違うてましたんや〜

「え〜え〜」とか「わたしがね」などの阪神さんの細かいセリフは,普通台本には書きませんが,このセリフがあるのとないのとでは大違いです。

「メニエル」(メニエール病)を「ムニエル」と言い間違えるという比較的ベタなネタでも,「相槌」を入れることによって「二人の掛け合いの雰囲気自体がおもしろい」という状態になります。

漫才台本に「相槌」を書かないほうがいい理由

「『相槌』にこれほど意味があるのであれば,最初から台本に書いてくれればいいいのに」と思われるかもしれませんが,台本にはあまり書かないほうがいいと思います。

「相槌」の入れ方がまったく分からない場合は,細かい「相槌」も台本に書くという方法もありますが,「相槌」の感覚がつかめたのであれば,台本には書かないほうがいいと思います。

例えば,先ほどの阪神さんの「相槌」

巨人:入院しまして
阪神:入院したんでございます

この日は,「入院したんでございます」と言っていますが,毎回これとまったく同じことを言うわけではありません。

巨人さんの「入院しまして」に対して,阪神さんも「入院しまして」とまったく同じ言い方をしてみたり,他にも「入院したんですよ」「入院です。ほんまですよ」「これほんまの話なんですけどね」などなど,その日によって言い方は変わるはずです。これが,漫才のライブ感を生みます。

もっといえば,巨人さんの「入院しまして」というセリフも毎回まったく同じ言い方をするとは限らず,「入院したんですよ」と言う日もあるかもしれません。そうなると,それに合わせて阪神さんも「相槌」を打つことになり,これがライブ感を生み出すわけですから,台本に「相槌」を書く意味はほとんどありません。むしろそれは,「邪魔なセリフ」と言っても過言ではないのです。

キングコングの「相槌」を分析すると,漫才のうまさの秘訣が分かる

8/17のENGEIグランドスラムのトップバッターで登場したキングコングの漫才は,とにかくうまかった!特に入りの掛け合いが。こんなかんじです。

西野:普段は劇場でやらせていただいて
梶原:そうなんですよね [1]
西野:お客さんたくさんお越しいただける。これが一番うれしい
梶原:これ一番うれしいですほんとに [2]
西野:以前別の吉本の劇場ですけどね
梶原:うん [1]
西野:お客さんが二人っていうことがありましてね
梶原:これまじだったんですよ [3]
西野:ほんとだった…うん [2]
梶原:演者二人に対してね,お客さん二人ですからね
西野:二対二ですから [3]
梶原:二対二っちゅのがあったんですよ [2]
西野:でもまだ漫才師はいいですよね
梶原:うん [1]
西野:相方の顔見たらごまかしがききますからね
梶原:こうやってね [3]
西野:そんとき大変やったのが,もりやすバンバンビガロ
梶原:そう![1]
西野:っていうピン芸人ね
梶原:あの…大道芸を得意とする芸人がいるんですよ
西野:そうそうそうそう [1]
梶原:知ってますかねぇ
西野:彼のネタの中でお客さんを二人ステージに上げて
梶原:二人ですよ?[3]
西野:くす玉を割る
梶原:そうそうそう [1]
西野:っていうのがあるんですけど
梶原:割るんですよ [2]
西野:そんなときも二人上げてしまって見る人が
西野・梶原:いなかった
梶原:って,地獄でしたねほんまに

注目できるのは,[1][2][3]の3種類の「相槌」をバランスよく使っていることと,片方ではなく二人とも「相槌」を打っていること。

キングコングの場合は,「話の進行役が入れ替わる」という高度な技術がある(といっても,キングコングのお二人の場合は「天性の才能」がかなりありそうですが…)のでこれができるので,キングコングの真似をしてもうまくいかないかもしれません。

それでも,キングコングやその他のうまいしゃべくり漫才をたくさんみて,「いろいろな相槌の打ち方」を学び,自分たちならどうやるかを考えることによって,漫才がうまくなっていくと思います。

「普段の会話を漫才にする方法」を教えます。「自分たちにしかできない漫才」や「掛け合いがうまい漫才」がしたいコンビにおすすめ

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和牛の川西賢志郎がなりたい漫才師とは?
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普段の会話を漫才にします。ストーリーがあってオチが綺麗な一生使える本格派掛け合いしゃべくり漫才台本。永久無料のアフターケア付。夢はギャロップの専属漫才作家

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