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第18話 ジャン・ピエール・ジュネ最新作『BIGBUG』の予告編を見て、昔パリに住んでいたってことを思い出した

アメリ(原題: Le Fabuleux Destin d'Amélie Poulain)はパリの映画館で見た。2001年当時、パリは映画の上映本数世界一の街で、シネコンがなかった日本と比べて映画という文化が街や日常に溶け込んでいた。基本的にフランス人はフランス語が好き(と解釈している)なので、リヨンの外れにある村にホームステイしたとき、村で英語が話せるのは私だった(と思う)。

アメリカ映画はフランス語吹き替えで上映されていることが多かった。『ミッション・インポッシブル2』を見たとき、トム・クルーズはフランス語をしゃべっていた。ジョン・ウー監督が大好きな2丁拳銃とハトが出てきたとき、館内にいたフランス人は全員爆笑していた。

あの頃はiPhoneもなかった時代なのでキオスクで『Le Parisian』というチケットぴあみたいな雑誌を買って、上映時間を確認していた。懐かしい。『アメリ』をかろうじて日本語字幕なしで見れたあの頃からもう20年以上経ってしまったのかと思うと時の流れを感じてしまう。

『デリカデッセン』、『ロストチルドレン』『エイリアン4』は大好きだった。『アメリ』で遠くに行ってしまったジュネ。『ロングエンゲージメント』はつまらなすぎて吐いた。そんな愛すべきジャン・ピエール・ジュネの最新作が公開される。タイトルは『ビッグバグ(BIGBUG)』。

【あらすじ】
 時は2050年。人工知能は至るところにあふれている。あまりにも身近になり過ぎて、人間はあらゆるニーズや欲望の充足をAIに頼る生活に。それが究極にプライベートで道を外れたことであっても…。
 ある静かな住宅街で、4体の家庭用ロボットが突然、主人を人質に自宅に立てこもることを決意。一緒に閉じ込められたのは、どこかかみ合わない家族、お節介な隣人、そして野心的なセックスロボット。彼らは、異常なほどおかしくなっていく雰囲気の中で、お互いに我慢せざるを得なくなる。
 一方、家の外では、最新世代のアンドロイド、ヨニキスが世の中を乗っ取ろうとしている。脅威が迫っているにも関わらず、人間たちは他のことに気を取られ、嫉妬をしてお互いを攻撃したりして、家庭用ロボットたちはとまどうばかり。もしかして、心を持っているのはロボットたちの方かもしれない。

(参照)FRONTROW

これって日本では見れるのかわからないが、予告編を見る限りあの頃のジュネが戻ってきたような気がしてワクワクさせられた。そして、『ロングエンゲージメント』を撮ったことなど世間はすっかり忘れてしまったのだろうか。

おまる


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