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第九十四話:心の中で絶叫すれども、神様は来ず、私は四人の対応に悪戦苦闘するのであった

 エリアと優しくまぐわった結果、エリアを羨ましがった四人にも求められた。
「……ドウシテコウナッタ」
 四日続けて搾り取られて私はベッドにぐったりと倒れ込んでいた。
「癒しが欲しい……誰か癒しを……」
 そう思っていると、勢いよく扉が開いた。
「ダンテ様お疲れの所失礼いたします」
「フィレンツォ何の用だ……」
 私はげっそりとした顔をフィレンツォに向ける。
「その……ダンテ様に婚約祝いの品が」
「は? 結婚祝いじゃなくて? というか誰からだ?」
「……四大守護者から……」
「はぁあああああああああああああああああああ?!?!」

――今頃祝いの品かよ!!――
――というかなんなんだ一体!!――

「……で、祝いの品は?」
「……こちらになります」
 部屋の中にもふもふとした丸い生き物が入ってきた。
「……パサランじゃないか」
 前世の「ケセランパセラン」をモチーフにしたと思われる妖精の一種だ。

 けれども、彼らは幸運を運ぶのではない。

 私は起き上がり、近づきパサランにぼふんを沈み込む。
「あ゛あ゛~~!! ふわもふ~~!! 癒される~~!!」
 癒し妖精「パサラン」そのふかふかふわふわな体で、主人を癒す妖精なのだ。

 しかも特大のサイズなので私一人だけでなく、複数人抱き着いても大丈夫なくらいの大きさだ。

 ちなみに、隙間に入り込んで掃除するという習性もあるので、びっくりするほど柔らかい。

「うわああああ癒される~~!!」
「いやはや、まさかこんな稀少妖精をダンテ様の使い魔にするとは……おそれいります」
 フィレンツォの言葉はその通りだった。

 このパサラン、妖精界にしか住んでないので、こっちに連れてくるには余程の事がないとできない。
 だから稀少なのだ。
 ちなみに、サロモネ王も使い魔にしていたという。

 超レア。

 この時の私は知らなかった。
 パサランに抱き着く私を見て、ずるいと言い出す五人が来ることを。

 そしてパサランの中で一緒にもふもふされる羽目になることを。




https://note.com/fujisaki_25/n/n3ab70a229ebd  95話

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