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個展「それでも今日も、」を終えて

個展「それでも今日も、」が終了しました。お越しいただいた方も、遠くから見守っていただいた方も本当にありがとうございました。
ヒロセーヌパドルの皆様も、スタッフをしてくださった皆様も本当にありがとうございました。

パンを題材にしたことで今まで以上に、生活に目を向けた作品になったかなと思っています。
生きるために描くって結構大袈裟だけど、でもあながち遠くはないなと思っています。個展に来ていただいた方で、私がしばらく建築やっていたことを簡単には辞めれらなかっただろうことまで思考を巡らせてくれた方がいて、私は結構簡単に方向転換したつもりだったけど、深い悲しみとか絶望感とかがあって、それによって絵に向かうことが出来たのかもしれないと思います。多分絵を描くことがなかったら私はとっくに生きる意味なんてなくて、人生が悲しくて悲しくて仕方がなかったと思う。描いててつらいときも無くはないけれど、描けてありがとうと思います。絵が生きることにつながってきています。

私はたまたま絵を描くことだっただけで、文章を書くとか、ものつくるとか、音楽を作るとか、何でもいいんだと思う。何かを生み出すということは本当に尊くて、でも全部近くにあって、わりかし生きることにほど近いものな気がします。


似顔絵企画もご予約が埋まり本当に嬉しかったです。似顔絵を描くことは私にとって絵を描く楽しさを思い出させてくれるものです。というのも学生時代によくお世話になった人や仲の良い人に似顔絵を描いて渡していたからです。その人のために描いて、絵を渡して喜んでもらう、というシンプルな循環が私の気持ちを満たしてくれるのです。これは誰かのために描いているようで自分のためでもあって、エゴかもしれないですがそれで喜んでもらえるなら是非ともやろうじゃないかって思っています。私のしたいことが誰かの喜びや安らぎにもなっているならそんな嬉しいことはありません。
絵を渡したら喜んでくれるだろうか、というドキドキはまるで大切な人にプレゼントを選んでいるときのような高揚感があって含めて似顔絵を描く時間はとて特別なのです。その人のためだけに時間を割いてお話ししながら描けることが毎回すごく楽しいです。描かせていただいた一人一人の方々が笑顔になって帰ってもらえることがとても嬉しかったです。

絵に関して私はまだまだだと常に思っていますが、こうやって描いてこれたから、いきるために描いてこれたからやっとこさ、何かしらを受け取ってもらえたり、届いていくようになってきた気もしてきます。まだまだ描けることが沢山あると思っています。


それでも今日も、という題名でしたが、前に進んで行きたいという意思の1歩踏み出すための言葉だと思っています。それでも今日も、何をしますか?

私にとっても誰にとってもきっと、生活はとっても身近なものであり、楽しければ辛いときもあり、ぼーっとしてればすぐに過ぎ去っていってしまうものです。1秒1秒すべて儚く感じていたら疲れてしまうし、すべて切り取るなんてことはできないけど、ふと気がついて取り出せたものをこれからも描いてていきたいと思います。
それでも今日も、生きて描きます!


藤巻

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