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萌えみのりインタビュー「VTuberをやる目的が何かないといけないのかなと思っていたけど」

私が最初にVTuber萌えみのりさんのことを知ったのは、YouTubeでもSHOWROOMでもなく、ツイッターのタイムラインに流れてきたご本人のnoteでした。

活動内容がほぼ個人配信のみとなった企業V。私ってなんなんだろうとする自問自答。この姿形で何を目標に生きていくべきなんだろう。

ここまで赤裸々に自分の心境を文章にして綴るVTuberしかも企業所属の、がいることに衝撃を受けました。でも配信を見てみるとnoteとの印象とは裏腹に、すごく可愛らしい声でずっと笑いながら明るくお話しされていて。そんなギャップも魅力的で興味も深まるばかりで、ダメ元でお声がけしたところなんと快く引き受けていただき、今回のインタビューに至りました!

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「上手く行かなかったんですよ。やっぱり」


藤林檎 萌えみのりさんはミラクルプロという企業所属のVTuberなんですよね。そこで米米米(まいべいべー)という3人組アイドルグループのメンバーの1人として活動されていて。現在公式サイトは更新が止まってるようなのですが、サイトを見ていると「Coming Soon」という表記があるなど、当初は何か現状とは違う展開が予定されていた気配が伺えます。

みのり 上手く行かなかったんですよ。やっぱり。普段からこれは話してますし、そうじゃなくても私の配信や活動を見ていたら、なんとなく運営の状況って察すると思うんですけど。その後終わりにするとも言われず、ただただ延命している状態が続いていて。笑 

藤林檎 なるほど。一番最初にYouTubeチャンネルを開設された時に打たれていたプレスを見ると、一企業のプロジェクトとして本当にきちんとした形で始まっている印象ですよね。

みのり この頃はもう見るからにめちゃくちゃお金がかかってました。笑 関わっている大人の人数もすごくて。

藤林檎 米米米のメンバー3人の姿を見て喋ってるところを見た時点でそれはよくわかります。それぞれのポテンシャルが高くて、さらに3人で歌ったり喋ったりする時の声や性格のバランスもすごく良くて、本当にしっかりとした吟味の上で選ばれたメンバーなんだろうなと。ましてや初期の「膳シリーズ」と呼ばれている動画などは、フルトラッキングのスタジオや機材を使って作られてますし。

みのり ありがとうございます。一応本当に賭けてくれてはいたんだろうなと思います。ただ私たちがデビューした2018年ってVTuberブームがすごく盛り上がってて、色んなところから一斉にVTuberがデビューしていたから、そこでの競争にいつの間にか負けちゃってたのかなと。

藤林檎 そしてその膳シリーズが21膳で終わり、そこからは個人活動が中心になっていったという感じですか?

みのり はい。一応そうなった最初の段階では、「いったんそれぞれ個人での配信とかをがんばってもらって、そこから打開策を考えて行こう」という話し合いが行われて。

藤林檎 そして膳シリーズの動画が終わってからSHOWROOM配信の録画が上がるまでに、米プリンセスのYouTubeチャンネルに全くみのりさんの動画が上がらない期間がある訳ですよね。

みのり そうです。鬱の時代です。笑

藤林檎 その頃の心境はnoteにも綴られてましたが、でもあの状況なら「どうして私の動画だけ上がらないのか」って思うのは当然ですよね。

みのり そうなんですよ。その頃はもう完全に「私なんやねん!!いらんやん!!」っていう気持ちになっていました。笑 



笑いと下ネタは処世術?

藤林檎 そんな事情がありつつも、SHOWROOMで個人配信を初めてみて最初はどうでしたか?

みのり 最初はもうほんとに「何したらいいんだろう」みたいな。でも内容的には今とそんなに変わらないというか、ゲームもやらないしゲーム実況も見ないし、歌が上手い訳でもないから、なんか話すことしかないなあと思って、ずっと話してましたね。笑

藤林檎 みのりさんの配信ってみのりさんがずっと笑っているところが印象的だったんですけど、ご本人のnoteを見たら

萌えみのりはとにかく笑う。笑い過ぎるくらい笑っているのに本人曰くゲラではないらしい。
「私の笑いはコミュ障による相手との沈黙を埋めるために生まれた社会で生きていくための術なので心から笑っているというよりは自衛」

と書いてあって面白いなと思いました。笑

みのり いやでも本当にそうなんです。間とか沈黙が怖いから、とりあえず笑っとけば埋まるよなっていう。笑

藤林檎 なるほど。私それで言うと好きなエピソードがもう一つあって、みのりさんが下ネタをガンガン言うようになった最初のきっかけは、人間関係を乗り切るための処世術だったということで。

みのり 大体ウケますからね下ネタって。笑 大概の人は嫌いじゃないって思っていて。大偏見なんですけど。笑 まあそこまで生々しくなければ、軽いやつだったらみんな笑えるかなと。笑 でも実際は引かれる時もめちゃくちゃありますし、「こいつ何言ってんだ?」みたいな、そういう空気になる時もままあります。

藤林檎 でも別にそこでへこたれはしないっていう。笑

みのり しないですしないです。笑 ガンガン話しちゃう。もちろんほんとに無理、苦手って感じの人には言わないですし、やめようってなりますけど。でも大丈夫な人には言うし、自分の配信に関しては嫌だったら出ていくでしょと思っているので普通に言ってるんですよね。笑

藤林檎 なるほど。あとみのりさんがあんなに日々楽しそうに配信できてるのも本当にすごいなと思っていて、私も何年も前によく自分で配信していた頃があるんですけど、嫌なコメントがつくといくら黙ってスルーしてもその嫌なコメント一個がすごい心に残って「もうやだ」ってなっちゃったりして。

みのり それはすごくわかりますよ。「なんだったんだろう」って思いますよね。

藤林檎 だからみのりさんがいつもコメント捌きを的確にしつつ、楽しそうに配信しているのはすごいなと思って見てました。

みのり うれしいです。でも私もメンタル強いって訳じゃないんで、今藤林檎さんが言ったこともめちゃくちゃわかるっていうか、「もういやだ」ってなる時はありますよね。

藤林檎 みのりさんにもそういう時がありますか?配信アーカイブを見てても全然それはわからなかったからすごいです。

みのり ほんとですか?じゃあそこはそうとわからないようにギリ気を付けられてるのかもしれないです。笑

藤林檎 なるほど。それ以外に配信で気を付けてることってなんかありますか?

みのり ほんとにまじで言ってはいけない裏側の話は言ってない、とかですかね。笑 

藤林檎 そこはちゃんとご自身の中で線引きがあるんですね。笑 結構配信でのコメントのことだったりファンとの距離感だったりで悩んでる配信者の人って多いのかなと思うんですけど、そういう人達へのアドバイス的なことって何か思いつくところありますか?

みのり 自分が思ってることを話すのを恐れない方がいいのかな?っていうのは思います。「萌えみのりちゃん、思ってたのと違う」みたいに、離れるファンがいるかもしれないけど、でもそこで我慢してオタクに沿う自分でいようとしたらずっとそれを演じないといけなくなるし、そのオタクのために。ファンの人達ありきの活動ではあるけど、でもやっぱり自分が発したいことや、勇気を持って言いたかったことを一回言ってみて…ほんとは下ネタが大好きなんだ!というようなこととかを。笑 まあ私はそんなアドバイスできるような立場には全然ないですけど。笑 



「これは札束タワーバトルなんだ」ー初めてSHOWROOMのガチイベに出てみて

藤林檎 2019年7月から8月に行われた「来たれ!未来のアニソンシンガー!!楽曲制作争奪戦!!!」という、SHOWROOMのいわゆるガチイベにここで初めて出られたとのことだったのですが、これはどういう経緯で出ることになったんでしょうか?

みのり SHOWROOMで配信を始めたのがその年の5月とかだったんですけど、それからしばらくして事務所の人からガチイベを勧められたので、「このイベントだったら出てもいいかな、出たら楽しいかな」と思えるイベントを自分で選んでエントリーした、という流れでしたね。アニソンは好きだし。

藤林檎 出てみてどうでした?

みのり 正直ガチイベどころかSHOWROOMのこともよく知らないまま個人配信が始まったので、このイベントに出てみてガチイベについての最低限の知識をようやく得たという感じでしたね。「応援はこういう風にするんだよ」ってコメントで教えてもらったりして。ファンがいちいち10個のルームに行って星を集めてこないことには始まらないっていう、SHOWROOMのえげつない仕組みもそこで目の当たりにして。笑 

藤林檎 ではここでのガチイベに関してはほんとにやりながら「SHOWROOMのガチイベとは何か」を学んだ回だったと。

みのり そうですね。

藤林檎 そこから2か月後の「【バーチャル限定】オタク向け美容室『OFF-KAi!!』応援キャラクターオーディション!」というガチイベでは初めて1位になり。

みのり 人気がないので毎回オタクの課金に頼ってるんですけど。笑 その時のガチイベは同じイベントに出てた子と「おつかれさま」って言い合って仲良くなったことが印象的で、そういう繋がりがSHOWROOMにはあるんだなあと思いましたね。そんなこともありつつ、でもガチイベに出れば出るほどシステムに対しては「何これ?」的なことを当然思いますよね。笑 やればやるほど精神崩壊するみたいな。私は最初のガチイベで「こういう仕組みなんだ」ってことをまず学んで、初めて1位になったこのガチイベで、「ああこれは札束タワーバトルなんだ」ってことをしっかり学びました。笑

藤林檎 実際何度もガチイベに出ているみのりさんから見て、SHOWROOMのガチイベに対してもっとこういう副賞があったらいいのにとか、もっとこうだったらいいのにみたいなことって何か思うところはありますか?

みのり イベントによっては順位だけじゃなくて本人のがんばりが認められることがあるみたいで。私自身は出てないイベントでの話なんですけど、最終日まではずっと1位だった子が、最後の最後に逆転されて最終的に2位で終わっちゃったんですね。最後の方で2位の子の配信見てたらお葬式状態になってて。そこで当然彼女自身も落ち込んでるんですけど、ファンのことをちゃんと励ましながら「みんながんばった。ありがとう。」的なことを言っていて。そこで負けて「あ~、今はもう何も喋れない…。配信終わります…。」ってかんじになっちゃう人も中にはいるんです。それぐらいの精神的負担があるってことはもちろん私もよくわかるんですけど、でもファンもショックだから、そこはやっぱファンを奮い立たせないと!最後まで走り切らんと!みたいな気持ちはイベント中の私にもあって。でもその時負けた子は、しっかり最後までファンを鼓舞して終わってたので、「あ、えらいなあ」と思いました。

藤林檎 なるほど。

みのり そんな彼女のがんばりが運営にも伝わって評価されたのか、本来告知されていた2位の特典よりもうちょっと良い特典が用意されてたようで、よかったねえ、と思いました。そういう風に1位以外の人の頑張りも見てくれるようなイベントが増えていくといいのかなあと。SHOWROOMは参加できるイベントが多いのはメリットではあるけれど、それだけに自分が出るべきなのはどれなのかの見極めが難しいな、とはいつも思いますね。

藤林檎 では1位以外の人のがんばりも見て、がんばってる人にはそれ相応の副賞があった方が、って感じですか?

みのり そうですね。あとはこれはよく言われてることだと思うんですけど、SHOWROOMに関しては視聴者の方から投げ銭をいただいた時に、プラットフォーム側の取り分がすごく大きく感じることですかね。笑

藤林檎 そこもほんとに大事なところですよね。笑 確かにそのことについては色んなところでよく聞きます。

みのり もちろんもらえるってこと自体がありがたいなとは思っているので難しいところではあるんですけど。配信プラットフォームって「場所を借りてる」って意味合いもあるから、その分を持って行ってもらうことは当たり前だとは思うし。


ファンの方について


藤林檎 萌えみのりさんのファンの方々は、みなさんクリエイティブですごいなって思います。

みのり それは私も思います。

藤林檎 インディーズアイドルブーム全盛期の頃、色んなアイドルのライブに行くのが好きで色々行ってたんですけど、やっぱり面白いアイドルグループって、そこにいるオタクも熱量が高くて面白い人がすごく多かったんですよ。だからみのりさんのファンの方にも私はちょっとそれと似たものを感じていて、一人一人の愛の表現に熱量があってしかもそれぞれにオリジナルな形だし、最高だなって思います。

みのり 付けあがりますよ!!!笑 この部分はカットしましょう!!笑

藤林檎 笑 あとみのりさんには実は結構女性のファンがいらっしゃるってところもすごくいいなって思います。

みのり 「同性の友達と出かける方がおしゃれする、気合入れちゃう」みたいなところがあるじゃないですか。だからなんか同性にも好かれたり褒めてもらえたりするのってうれしいですね。

藤林檎 初めてnoteに投稿した時はどういう心境でしたか?

みのり 以前ファンの人が私のことについてブログに書いてくれた時があって、それがうれしかったから私もファンのことをnoteに書こうとずっと思ってて。でもそのタイミングがここになったのは、やっぱりその時のガチイベで一位になれたのも大きかったのかなとは思いますね。みんなありがとうって気持ちと、あとは忘れないうちに思い出を書いておこうと思って。

藤林檎 この、みのりさんがガチイベ毎に書かれている、ファンの方ひとりひとりに宛てたnoteがいいですよね。配信がどんな雰囲気かってことが、私みたいに動画や配信を見る習慣があまりない人にも届く形で可視化されているのは、すごく面白いし素敵だなって思いました。ファンの方ひとりひとりとみのりさんの関係性も垣間見えるし。

みのり 文章を書くのは好きだし、思ったことを上手く言えない時に、文章だったら素直な気持ちを伝えられるかもしれないなという思いがあって。喋る以外の手段が欲しかったんですよね。

藤林檎 2019年の12月には『わくわく!VTuberひろば Vol.3』の3Dチェキ会に出演されていて。

みのり はい。これは初めて一人で出たリアルイベントで。

藤林檎 この時はファンの方と直接コミュニケーションを取りながらチェキを撮った訳ですよね?

みのり そうです。ほんとにオタクがいます。笑

藤林檎 どうでしたか?

みのり 当たり前だけど会場にはスタッフの方がたくさんいて、そのスタッフの方々に自分達の会話が丸聞こえの状態で何を話したらいいんだ?ってちょっとなりました。笑 あとは時間が短かったですね。1分ぐらいだったかな?

藤林檎 そうだったんですね。でも絶対ファンの方にとってはうれしいイベントでしたよね?

みのり そうなんですよね。ファンの人には結構喜んでもらえてたんですけど、でもそこでアイドル側は何をしたら正解なのかってことは最後までわからなかったなあと思います。

藤林檎 いつも配信やSNS越しにしかやり取りしてないファンの方と直接そこでチェキ会の形で初めてお会いできて、そこに対しての感想は何かなかったですか?

みのり 「メガネ多いな」ですかね。笑

藤林檎 なるほど。笑 ああでもほんとに新鮮な感想ですね。みのりさんがそうやってファンの方と1対1で直接お話する機会は本当にこれが初めてだった訳ですもんね。

みのり そうなんですよ。だから私もほんとに何話したらいいかわかってなくて。笑 



コンプティークへのインタビュー記事掲載について


藤林檎 そして、その直後、2020年の1月にコンプティークのガチイベに出て1位になられ、みごと見開き2ページの掲載権利を獲得して。私も電子版を今日買ってそのみのりさんのインタビュー記事を読んだんですけど、短いインタビューにしっかりみのりさんのキャラがぶっこまれて魅力が伝わってくる感じがすごく良かったです。

みのり わざわざありがとうございます。ほんとですか。私的にはインタビューというよりはなんか普通に楽しく会話して帰ったっていう記憶しかないです。笑 コンプティークからファンになりましたというような人は全然いなかったんですけど、めちゃくちゃ記念にはなりましたし、これはすごく良いイベントだったなあとは思いました。ファンの人の手元にも形として残ったし。

藤林檎 紙の媒体って良いですよね。

みのり うれしいですよね~。一位になったかいがめちゃくちゃあったなと思いました。

藤林檎 インタビューには「ご親戚にも買って配る」と書いてありましたが、反応はいかがでしたか?

みのり 親戚に配ろうと思って一杯買ったんですけど、いまだに私が持ってます。笑

藤林檎 えっ、そうなんですね。

みのり 家族は私のVTuberの活動にそんなに興味なくて。笑 インタビューの最後で成人向け漫画家の方のお名前を出しちゃったからちょっと渡しづらいなというところが正直あり。別に名前について調べられなければそうとはわからないとは思うんですけど。笑

藤林檎 なるほど…。笑

みのり だから私の部屋に置いてあります。笑

藤林檎 ご家族と仲が良い感じですよね。

みのり 萌えみのりの設定的には家族はいないことになってるのでいつもイマジナリー家族って呼んでるんですけど。笑 元々家族と仲良しというか、私がめちゃくちゃ家族を好きで。お姉ちゃんとは一つ違いなんですけど、すごく仲が良くて。お姉ちゃんと二人で住んでた時期にもう保護者ってレベルで母親的な役割をすべて担ってくれていたので、その感謝もあるし。お父さんは頭がいいし、お母さんは料理上手だし尊敬するところがめちゃくちゃあるなあって。ただ家族はみんな、私のこの活動については一切興味がないです。笑

藤林檎 そうなんですね。笑 そういう風にご家族のこと紹介できるのも、好きな作品もコジコジ、クレヨンしんちゃんってところも朗らかなかんじします。

みのり もう一個そこに成人向け漫画が入ってきますけど。笑

藤林檎 そうでした。笑

みのり 急に朗らかじゃなくなる。笑



好きなものを好きになるきっかけ。しんちゃん・コジコジ・オードリー若林さん


藤林檎 ちなみにクレヨンしんちゃんはどうして好きになりましたか?小さい頃からです?

みのり 小さい頃からです!もう記憶がない頃から好きですね。しんちゃんの話ってなんでもないじゃないですか。でもそのなんでもない日常の風景がすごくよくて。野原家をとりまくこの日常っぽいけど日常じゃない、ありふれているようでありふれていないところがすごく好きで。幸せな野原家を見てるとうれしいなってなるんですよ。

藤林檎 コジコジはどんな流れで好きになりましたか?

みのり たぶんコジコジの見た目ですね。確か表紙買いしたんですよね。「可愛い!」と思って。ビジュアルから入って中身、「こんなにファンシーなのにめっちゃ辛辣じゃん!」みたいな。中身めちゃくちゃブラックユーモアなんですよコジコジって。でも良いやつも悪いやつもみんな自分に正直に生きてる。そういう斜めに切り込んでるところがすごく好きで、自分がひねくれてるからっていうのもあると思うんですけど。笑

藤林檎 こうやってお話聞いてみても改めてみのりさんがしんちゃんとコジコジ好きなのはしっくり来るというか、好きなものから良い形で影響を受けているような感じがします。それでいうと、オードリーの若林さんを好きっていうのもほんとにそうですよね。

みのり 今はご結婚もされて色々変わったところもあると思うんですけど、私が好きになった頃はもうゴリゴリに斜めの思考回路の時で…。笑

藤林檎 ちなみに若林さんを好きになるきっかけは何でしたか?

みのり 本当に一般的でお恥ずかしいんですけど、M1ですね。笑 オードリー面白い!この人達が優勝!と思ってて、実際は準優勝だったんですけど、純粋にその時やってた漫才がめちゃくちゃ面白かったので好きになったっていうのが理由です。


「その時録音して聞いた自分の声が好きだったんでしょうね」ー自分の声を好きになった理由

藤林檎 YouTubeでの配信を始められたのはほんとに最近なんですね。今年の4月からということで。

みのり そうなんです。なぜかYouTubeに怯えてて。笑 SHOWROOMで配信するのが好きなんですけど、そこだけにいてもなかなか世界が広がらないので。YouTubeもそう簡単には新規の人は入ってこないと思いますけど、でも見やすさで比べたら圧倒的にSHOWROOMよりYouTubeの方が見やすいんだろうなと思ったのが理由としては大きいです。あとはやっぱり「アーカイブがあったらうれしい」って声も少なからずあるので、YouTubeでも配信できるようにしようかなと思ってがんばってはじめました。笑

藤林檎 そういう流れだったんですね。もうちょっと外向きにがんばってみよう、みたいな。

みのり そうです。この時はちょっとがんばろうって思ってた時です。

藤林檎 でもやっぱりSHOWROOMの方が伸び伸びしている感じはありますよね。

みのり それはもうめちゃくちゃ言われますね。笑 たいした数見られてないからそんな炎上する訳ないのになぜかYouTubeではいつも炎上に怯えてるんですよね。

藤林檎 なんとなくそれはツイッターを見てても感じるような。笑

みのり ツイッターに関しては見ると病むから嫌なんですよね。笑 ツイッターを開いたらみんな明るいことしか呟いてなくて居心地悪いなって。だからいつも何を呟いたらいいんだろう?って気持ちになっちゃって。別に何呟いたって誰も気にしないはずなのに、つまんないことを書いて「つまんないな」って思われたらやだなあって。笑

藤林檎 自分の声を自分で好きだなって思うようになったきっかけは覚えてますか?

みのり 昔からめっっちゃ声をからかわれてきたんですよ!!なんでや!!そんなに声たけーか!!??怒!!ってなって。笑 だから一回自分の声録音して聴いてみたことあるんですよ。そこで「いや、可愛いじゃん」ってあっさり自己肯定。笑

藤林檎 強い。笑

みのり アニメみたいな声って言われることがめちゃくちゃ多くて、でも「アニメみたいな声」って言われたら「いいじゃん、可愛い声ってことじゃん」って思いませんか?アニメ見てたら可愛い声の人しかいないんだから。逆に誉め言葉か?みたいな。

藤林檎 ポジティブな受け止め方ですね。「アニメみたい」って言われて自分の声が嫌になってしまったって方のお話も聞きますけど、みのりさんの場合はそうではなかったんですね。

みのり 確かに。笑 なんかその時はすごくポジティブでしたね。たぶんその時録音して聞いた声が好きだったんでしょうね、自分で。笑

藤林檎 自分で自分の声を聴いて「可愛い!」と思えたんだったら、そこはもう他人からどう言われても揺らぎようがないですもんね。

みのり あとはそういう他の人にはない特徴が自分にあるのがうれしかったのかなっていうのは思います。特筆した何かってなかったんですよ。自分で言うのもなんですけど、両親に恩返しはしたいっていう、根の良い子には一応育ってるところ以外は。笑


「萌えみのりでいてもいい」ー配信休止期間を経て

藤林檎 そして8月は配信休止期間があった訳ですけど、この時はどうしてお休みされてましたか?

みのり ちょっと配信から離れて、VTuberとしての活動が本当に自分が生きて行く上で必要かどうかを決めたいみたいな気持ちがあって休みました。あとは実際にリアル引っ越しが重なっていて回線の状況的にも配信があまりできない状況だったので、まるまる一か月休んでもいいか、どうせ誰もなんも言わねえし。笑 って言って休んでました。

藤林檎 どうでした?休んでみて。

みのり 配信ないならないで逆に配信のこと考えちゃうから、鬼滅の刃を読んでみたり、無理やり考えないようにして過ごしてました。ただ全てをすっぱり一度断ってみるってことはできなくて、結局常に頭の中で考えてはいたなあと。でもその上で、最終的には「目的や意味がなくてもいいかな。意味がなくても、やってていっか!」って心境に辿り着けたので配信に戻ってきました。

藤林檎 それはすごく前向きな印象ではありますけど、ご自身的にはどうですか?

みのり これは私も結構前向きというか、事務所からクビを通達されるか事故にあうかするまでは、できる限りこの活動を続けていきたいなって気持ちになったし。それまでは「VTuberをやる目的が何かないといけないのかな」って強迫観念がすごくて。実際目標があった方がそこに向かって走れるじゃないですか。でも、目標がなくてもまあいいのかなあというか。

藤林檎 例えば私は「アイドルは必ず武道館に行くことを目指さないといけないのかと言えば、そんなことはないだろう」と思ってるんですけど、ちょっとそういうことに近いのかなと思ったんですけど。

みのり でも私的には本当はそういう目標がある子がうらやましいんですよ。事務所と一緒になって、そういうライブをして行こうみたいな。だって私たちも最初はそういうプロジェクトでしたから。笑 でも今となっては歌って踊るより喋る方が好きだから、喋ってるだけでも良いよってみんなが言ってくれるならもうそれでいいじゃん!私もそれがいいしって思って。笑 色んなことを経て、萌えみのりでいることにすごく前向きな気持ちが今はちゃんとあります。笑

藤林檎 最終的にそう思えるようになったのはファンの方の影響はありますか?

みのり もちろんそれもありますけど、やっぱり一番は自分との葛藤の末って感じだなって思いますね。自分とどう折り合いを付けていくか。根本的には自分がどうしたいかって思いをまず自分自身がわかっていないとっていう。そこですごく色んな事を考えた時に、「萌えみのりでいてもいいや」って思えたからここにいるって感じですね。ファンの人達のことはその要素の一部でしかないと言うと、言い方がアレなんですけど。笑

藤林檎 「一部ではある」とも言えますよね。笑

みのり そうですよね。笑 

藤林檎 でも実際そこに明確な目標がなかったとしても、続けたくて続けていれば、そうやって続けたからこその何かがその先にきっとあるはずだと思うんですよね。

みのり 実際この2年間VTuberとして生きてみて初めてわかったことの方が多いし、自分の中にそれまでなかった感情とか、そういうものはすごく増えたなあと思います。その時にはどうしてそれをやっているのかわからなくても、気づいたら後から意味はあったんだって思えるようなことや、「何かのためにそれをやってた訳じゃないけど、気づいたらそれが糧になっていた」ということは絶対ありますよね。

藤林檎 すごくよくわかります。



「星集め3周をみんなに強いてると思うと吐き気がしてきます。笑」

藤林檎 最後に先日のカレーのガチイベの話もちょっと聞きたいんですけど、これは参加した理由が、生活リズムを正すためという。

みのり そうなんです。配信を復活してから「やっぱり喋るの楽しいな」って気持ちになって、毎回配信の度にずっと喋り続けて朝やんけってことになってしまっていて。ガチイベは時間制限があって絶対に規定の時間で終わらなきゃいけないので、ガチイベに参加してその期間で健康になろうと思って参加しました。そんな参加理由だったので、私からすれば今回のイベントで一位になりたい理由とか正直なかったんです。でもそこでファンの人達が「どうせなら一位がいい。がんばろうよ」という空気感で応援してくれたのがめちゃくちゃうれしくて。だからそれに応えたいなと思ってたんですけど、結果負けるという。笑 3位だったけど特典が何もなかったので悲しい結果にはなっちゃったし、ガチイベってやっぱ嫌いだなあって思いました。笑

藤林檎 ガチイベはやっぱり今でも好きではないんですね。

みのり そうですね。時間制限があるのも好きじゃないし、星集め3周をみんなに強いてると思うと吐き気がしてきます。笑

藤林檎 課金してもらうこと以上に星集めしてもらうことの方に罪悪感を抱いているように見えるところが面白いです。笑

みのり 無料で、かつ集められる数に上限があるだけに強制感のある星集め3周に比べて、課金に関してはまあ課金するかどうか自体も含めて、どこまで課金するのかはほんとにそれぞれの意志だと思いますし。実際自分がオタクの立場になったらそうじゃないですか。根本的には相手のことが好きだから課金している訳で。だから自分に対しても他人に対しても、オタクが課金するのは自分の責任だぞと思ってます。笑

藤林檎 カレーイベントの後に書かれていたnoteも好きなんですけど、岡田コウ先生にその後連絡は取られましたか?

みのり お送りする文章を今大人の方達に添削していただいてて、まさに今日出来上がった文章を送るぐらいのところでした。お返事が返ってくるかはわからないんですけど、ほんとにちゃんと送ります。笑
(藤林檎注:このインタビューの取材日は2020/11/2です。こちらの件のその後については下記の萌えみのりさんの2020/11/9配信アーカイブをご覧ください)


藤林檎 良いお返事が来るといいですよね。それ以外に今後これをやりたいみたいなことは何かありますか?

みのり Live2Dになりたいんです。私は3Dのフルトラッキングから入っているので、Live2Dを逆に知らないというか。だから2Dの子が表情豊かに笑ってたりするのがすごい可愛くて憧れがあって。あとここまでの1年数か月全然朗報がなかったので、ファンにそういう形で朗報を届けられたらいいなと。

藤林檎 それが今の目標って感じなんですね。なるほど。今日のお話はなんだかんだ言いつつも「ファンの方々に対してこのように報いたい」みたいな話が多かったのが印象的でした。笑

みのり ほんとですか、真面目ですね。笑 少なくともやっぱ感謝はしてるということなんでしょうね。笑

藤林檎 最後に、これを読んでる方やファンの方にこれは言っておきたいみたいなことは何かありますか?

みのり ここまでの話の流れで言うと「推し事は自己責任」ぐらいですかね。笑 あとはう~ん、「お前らに伝えることは何もない」と書いてもらっていいです。笑

藤林檎 わかりました。笑



萌えみのり

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わくV おんらいん Vol.5出演決定しました!(2021/1/16土 第6部)

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「〇〇とふじりんご」過去のインタビュー記事はこちらより!